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広島東洋カープ
2023年シーズンがスタートします。戦前の順位予想では、残念ながらカープの評価は低いようです。それでも安仁屋宗八氏や達川光男氏らのOBだけでなく、里崎智也氏のように優勝を予想する評論家もいます。今季は新井貴浩新監督の船出となる年ですが、今回はマツダスタジアム移転以降、新監督が就任したシーズンの開幕カードを振り返ってみたいと思います。
前年までのブラウン監督に代わり、野村謙二郎監督が就任した2010年は、ナゴヤドームでの中日3連戦でした。開幕投手候補だった大竹寛の故障出遅れにより、初戦は前年8勝14敗の前田健太が先発。高卒4年目の前田健は、前年最多勝の吉見一起を相手に8回1失点と堂々たる内容で、新監督に初勝利をプレゼントしました。
この年、前田健は15勝8敗、防御率2.21、174奪三振で投手三冠と、大ブレイクの年になっています。好発進だった野村監督ですが、2戦目はジオ、3戦目は篠田純平の先発陣が試合を作れず、3戦目は抑えの永川勝浩が延長10回に打たれてサヨナラ負け。ここから7連敗を喫したチームは、最後まで低迷が続き、58勝84敗2分で5位に終わっています。
2年連続クライマックスシリーズ(CS)を果たした野村監督の辞任により、2015年はヘッド格だった緒方孝市コーチが監督に昇格。前年オフにメジャー挑戦の意思を表明した前田健が残留を表明し、さらにニューヨーク・ヤンキースでエース格だった黒田博樹がまさかの復帰で一躍、優勝候補に挙げられました。
マツダスタジアムに移転後、初の地元でのシーズン開幕戦となった初戦は、自身5度目の開幕投手となった前田健が7回2失点と好投も、打線の援護に恵まれず、2-2のまま延長戦に。延長11回に4番手の中崎翔太が打たれて、新監督の初戦を勝利で飾ることはできませんでした。
それでも2戦目はC・ジョンソン、3戦目は黒田と豪華先発陣で連勝してカード勝ち越しを決めましたが、続くビジター6試合で全敗するなど7連敗。後半戦に盛り返し、地元でのシーズン最終戦で勝てばCS進出決定まで持ち込みましたが、5位中日相手に先発の大瀬良大地が打たれ、さらに打線が沈黙してまさかの完封負け。69勝71敗3分で4位に終わっています。
リーグ4連覇を目指した緒方監督がCS進出も逃して辞任となり、2020年に就任したのが佐々岡真司監督。投手出身の監督は、チーム53年ぶりということで注目されました。しかし、この年の冬に感染が拡大した新型コロナウィルスの影響により、開幕が6月に延期。さらに無観客での試合開催と、かつてない異例の事態となりました。
開幕カードは敵地での横浜DeNA戦で、開幕投手は2年連続となる大瀬良大地が務めました。大瀬良は9回に自身プロ初となる2点本塁打を放ち、投げても9回1失点と見事な投球で勝ち投手になりました。
続く第2戦は鈴木誠也が2本塁打を放つなど、打線が13安打10得点と爆発。先発の床田寛樹は5回3失点で勝ち投手は逃しましたが、打線の援護で開幕2連勝を飾りました。第3戦はドラフト1位ルーキーの森下暢仁が7回無失点と好投するも、抑えのスコットが打たれて逆転サヨナラ負け。それでも勝ち越しスタートで順調と思われましたが、その後は月間勝ち越しが一度のみと低迷し、52勝56敗12分で5位に終わりました。
球団初のCS進出を果たした野村監督、リーグ3連覇の緒方監督に比べて、佐々岡監督は3年連続Bクラスと残念な結果でしたが、同監督が赴任中はコロナ禍で、チームの後押しとなるマツダスタジアムでの大歓声を一度も受けることなく退任となってしまったのは、不運だった言うしかありません。入場制限がなくなり、声出し解禁となった今シーズンの新井新監督はどんな成績を残すのか。前評判を覆す戦いを期待しましょう。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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