【WBC現地レポート】侍ジャパンと全勝対決するオーストラリア代表は選手もスタッフも超フレンドリー

オーストラリアのカメラマン、ウェンディさん

「Morning!」「Hi, How are you.」「How’s it going?」

試合前、打撃練習でフィールドとクラブハウスを行ったり来たりする選手が次々と声をかけてくる。お国柄のイメージそのまま。とにかくフレンドリーで明るいのがオーストラリア代表だ。東京ドームの警備員にもグータッチをする。すれ違う瞬間だけのことだが、挨拶がしっかりできる大きな青年たちに自然とこちらも笑顔になる。

さらに、知り合いのカメラマンと話していると、今度はカメラを肩に下げたオーストラリアの男性が「コイツは最高のカメラマンだよ！」と笑顔で話に入ってきた。オーストラリア代表のSNSにはいい写真ばかりがあったので、「見ていますよ」と伝えると、「ありがとう！妻が主にがんばってやってくれているんだよ！」と今度はその女性もやってきた。

カメラマンのスコットさん

男性はスコット・ポーウィックさんで、パートナーの女性はウェンディさん。今度はスコットさんがスマホを取り出して面白動画を見せてくれる。そこにはゴルフウェア姿のウェンディさんと、それを見学するように集まっているカンガルーの群れが。

「SNSでバズって『10億回』ぐらい閲覧されたよ。キム・カーダシアンより凄い数だぜ」と破顔。というわけで初対面にして陽気すぎるスコットさんも取材して、ステキな笑顔をJ SPORTSの公式ツイッターにもアップ。10億回には及ばなかったが、またたく間に2万回以上の閲覧数を達成した。

聞けば、オーストラリア代表の公式カメラマンという2人だが、ウェンディさんはゴルファーとしても活躍する『二刀流』。大バズリした動画は、クイーンズランド州のゴルフ場で練習中のことという。

「実はゴルフを始めたのはコロナ禍になってからなの。幸いクイーンズランド州は制限が少なかったから練習していたらこんなことが起きちゃった。群れが通りかかったのね」と弾けんばかりに笑う。

もともとテニスを長くやっていたというウェンディさんはめきめき上達。ゴルフはアマチュアながらキャロウェイがスポンサーで、世界中のゴルフイベントやトーナメント出場する。その合間を縫って、夫のスコットさんと一緒に公式カメラマンも担うというのだから、天は二物以上を与えた優秀な人材なのだ。

実際、彼らが運用しているオーストラリア代表のインスタグラムも、その場の雰囲気が伝わってきてとても面白い。2週間前から日本に来て、宮崎でキャンプや壮行試合をこなしている様子も詳しく伝えられている。

オーストラリア代表に帯同している記者のリーダー、エリックさん

なかでも、同じ代表チームで記者を務めるエリック・バルナーさんが文章でも詳述していたラーメン体験や、コンビニ体験は、これまたSNSで話題になった。と、そんな話をしているとエリックさん本人がやってきて、元記事や日本のラーメンやコンビニについて熱弁。すると、別のチームメンバーも聞き耳を立ててやってきて、続ける。

「ほんと、それ！日本のラーメンは最高だし、コンビニも良すぎ！コーヒーも美味しいしね。毎日通ったよ。もう店をカフェかレストランにしたほうがいいよね。置いてるもののクオリティが高いから」

エリックさんも呼応して、「そうそう。オーストラリアのコンビニは、アメリカと同じで少しの飲み物とスナックだけ。日本はそれすらも種類が豊富で質が高い」とうれしそうに陳列棚の写真を見せてくれた。

オーストラリア代表の報道チームはわずか4人。カメラマンも含めてで、エリックさんらの書く記事はオーストラリア最古の新聞「シドニー・モーニング・ヘラルド」をはじめ、多くの主要メディアに転載されているという。日々の試合レポートから代表の動きの詳述と豊富な写真や動画をみれば、彼らがいかに有能で少数精鋭であるかがわかる。

選手たちの強さが伺える裏話やオーストラリア代表が意味していることなども、エリックさんが詳しく教えてくれるので、続きは次回のコラムでお伝えします。

文／取材：松山ようこ