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野球 コラム 2023年2月1日

【広島好き】カープ、日南でキャンプイン。注目は左右のエース、長打力と機動力、そして三塁手

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

2月1日はキャンプインの日。新井貴浩監督1年目のシーズンが始まります。今回はキャンプのみどころを挙げたいと思います。

◆左右のエースは開幕に間に合うのか?

まず気になるのが、左右のエースの動向です。昨季の勝ち頭である森下暢仁は、昨年10月に右肘クリーニング手術を行い、候補だったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)出場を断念しています。

新井監督は開幕に間に合わせるのではなく、あくまで万全な状態での復帰を指示しており、無理はさせない方針ですが、森下本人は開幕を目標に調整を続けています。マツダスタジアムで行われた合同自主トレに参加した森下は、キャッチボールで30メートル程度の投球を行っており、キャンプではいつブルペンに入るか、注目されるところです。

昨季は前半戦で8勝をマークしながら、8月3日の横浜DeNA戦で右足関節を骨折してそのままシーズンを終えた床田寛樹ですが、こちらはその後の経過は順調なようです。骨折が5か所に及ぶ重傷だったため、完治が長引いたということですが、年明けの合同自主トレでは捕手を立たせたままですが、ブルペン入りも果たしています。

故障部位の不安から長距離のランニングができないことで、シーズンを通してのスタミナ面で不安も残りますが、投球自体には問題がなく、開幕ローテ入りへ、視界は良好のようです。大瀬良大地、九里亜蓮など、頭数は揃っていると言われる先発陣ですが、柱となる2人の回復具合が、新監督の命運を握っていると言えそうです。

◆課題は長打力と機動力

昨季はリーグトップのチーム打率.257、得点ではリーグ2位の552をマークした打撃陣ですが、本塁打はリーグ4位(91)、盗塁は12球団ワースト(26)と、課題は明確になっています。

試合の流れを一発で変える本塁打増の期待を受けて獲得したのが、新外国人のデビッドソンです。デビッドソンは2017年にMLBのホワイトソックスで118試合に出場して26本塁打、2018年は123試合出場で20本塁打をマークしており、昨季は3Aで86試合に出場し、打率310、32本塁打、66打点と好成績を残しています。

長打力は魅力ですが、2017、18年はいずれも165、昨季は102と試合数を大幅に上回る三振数で、確実性には不安も残ります。昨季、来日1年目で合格点の数字を残したマクブルームが、デビッドソンに対して全面サポートを明言していますが、相乗効果で2人揃って爆発となれば、大幅な得点力アップが見込めそうです。

かつての『お家芸』が見る影も無くなった機動力という点では、野間峻祥の更なる覚醒が必須事項ですが、個人的に期待したいのが、昨季途中にまさかのNPB復帰となった秋山翔吾です。昨季は3番で起用された秋山ですが、期待したいのが1番での起用。

西武時代の2015年にNPB記録のシーズン216安打をマークした時は、全試合1番・センターで143試合フル出場しての結果でした。同年からMLB移籍前年の2019年まで、5年連続で盗塁数も2ケタをキープしており、体調万全でリードオフマンとなれば、盗塁数アップにも貢献してくれそうです。

◆『和製三塁手』台頭なるか

昨季、三塁手として119試合に出場した坂倉将吾が捕手専念を明言し、長年レギュラー不在だったホットコーナーのポジションが再び空いた状態になっています。現時点では新外国人のデビッドソンが最有力となっていますが、期待したいのが日本人の三塁手です。

候補になるのが、三塁再挑戦の意向を示した堂林翔太、昨秋キャンプ中に支配下登録された二俣翔一、21年に102試合出場の林晃汰あたりでしょうか。いずれも長打力に魅力がある選手ですが、未知の魅力を感じさせるのが二俣、意外に少ない左の大砲候補という意味では林です。

守備面を考えれば矢野雅哉、羽月隆太郎らの起用もありそうですが、2人は「ポスト菊池涼介」を狙う立場でもあり、内野陣のハイレベルな争いを期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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