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野球 コラム 2023年1月17日

【広島好き】新井貴浩新監督、合同自主トレでの懐かしいエピソード

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島好きコラム

キャンプインまでおよそ2週間。1月15日に新人選手と2年目以降の選手が参加する合同自主トレが始まりました。選手会長の大瀬良大地や日本復帰2年目のシーズンとなる秋山翔吾など主力選手も参加し、ドラフト1位入団の斉藤優汰は「テレビで見ていた方々が目の前にいて緊張した」と、初々しいコメントを発していました。

今季から監督に就任した新井貴浩監督にも同じようなエピソードがありました。この新監督、合同自主トレと言えば、面白い話がいくつかあります。

まずはプロ1年目のシーズン。ドラフト6位入団だった新井は、幼い頃から憧れだったカープ入団となり、チームメイトとの初対面に、まさに斉藤と同じような気持ちだったということです。

地元広島市出身で、子供の頃からカープファンだったという新井は、当時の主力選手だった野村謙二郎や金本知憲、江藤智、前田智徳などを目の前にして同期入団で同い年の森笠繁(現ソフトバンク四軍打撃コーチ)と「お、野村だ。前田もおる。あそこに江藤、江藤」と、まるでファンそのもののような会話をしていたということです。

そして入団時から阪神移籍まで師弟関係で、兄貴分のような存在だった金本には、初めて挨拶した時に「ワレが新井かぁ。やっちゃるけぇ、覚えとけよ」と、今ではコンプライス的に問題がありそうな言葉をかけられたということです。

もちろん、その言葉は冗談で、共通の知り合いから新井の面倒を見てくれと頼まれていたという金本の、彼なりの愛情表現だったようですが、その言葉通り?新井のプロ野球人生において、『平成の鉄人』はもっとも影響を受けた選手となりました。

もうひとつ、FA移籍した阪神から復帰した2015年の合同自主トレでも、有名なエピソードがあります。同リーグのライバル球団からの復帰という異例とも思える立場で、ともすれば微妙な空気になりかねない最初のあいさつで、新井は定形通りの言葉をひと通り並べた後、「守備のことならアドバイスするので、なんでも聞いてください」とジョークで締めくくり、その場が一気に和んだのです。

当時、ドラフト1位入団で新人だった野間峻祥は、さすがにこのジョークには笑えず、微妙な表情だったということですが、その後に新井の方から声をかけてもらい、感激したということです。今季オフにFA権を取得した野間が残留の決断をした理由のひとつとして、新監督との『いい関係』があったことは間違いないでしょう。

この合同自主トレでの出来事は、春季キャンプでの『新井さん、どのツラ下げて帰って来たんですか会』につながります。新井が移籍前から黒田博樹とともに特に親交が深かった石原慶幸(今季から一軍バッテリーコーチ)が中心になって開催された食事会。この会合で一気にチームメイトとの距離が縮まり、のちのリーグ3連覇につながることになります。

近年は、それぞれの選手の地元や海外などで個人、あるいはチームの枠を超えて少人数での自主トレを行う選手が多くなっていますが、球団単位の合同自主トレは、新人だけでなく、迎え入れる選手たちにとっても、貴重なファーストコンタクトの場所であるようです。

選手とのコミュニケーションを重視する新監督にとって、キャンプも含めて好スタートを切るために重要な機会であることは間違いないはずで、これから日々のニュースに注目していきたいところです。(文中敬称略)

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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