【横浜好き】ベイスターズのオフシーズンで気になる「3つの話題」

横浜DeNAベイスターズ

侍ジャパンの強化試合など、野球のシーズンはまだまだ終わりませんが、プロ野球は徐々にオフモードに突入しています。FA（フリーエージェント）戦線やトレード、チームの新陣容など、連日様々なニュースが挙がっていますが、今回のコラムではベイスターズ関連の個人的に気になった話題を、いくつかピックアップしたいと思います。

◆気になる話題 その1：来季のコーチ人事

まずは1日に発表された来季のコーチ人事。最下位から2位と躍進したチームだけに、顔ぶれはほとんど変わっていませんが、その中で唯一の新任となったのが、ファームの「投手育成コーディネーター兼育成投手」コーチになった八木快コーチです。

今季はピッチングコーディネーターのみの肩書きだった八木コーチは、今治西高、岩手大で主に外野手としてプレーしましたが、プロは未経験。今治西高では、今季限りで引退した1学年上の熊代聖人（前西武）とともに甲子園に出場しており、ベイスターズで言えば三嶋一輝、戸柱恭孝、大田泰示と同級生になります。

大学卒業後、筑波大大学院で動作解析を研究し、指導者に転身。合理的な投球フォームなど、選手に助言、指導を行っています。東克樹や三嶋一輝など、主力投手にケガ人が多いチームで、理論に基づいた指導は故障者の減少につながるでしょうか。

コーチと言えばもう1人、秋季トレーニングでは、臨時コーチとして現役時代に4度の盗塁王に輝くなど、西武、巨人で通算320盗塁を記録した片岡保幸氏を招聘しました。今季から復帰した石井琢朗野手総合コーチ（来季からはチーフ打撃コーチ）も走塁の重要性を説いてきましたが、チーム盗塁数はリーグ5位の49、盗塁刺はリーグワーストの39と結果が出ていません。

片岡氏の指導は2日間のみですが、ベースランニングや盗塁のスタートの切り方など長時間に渡る指導で、チームの走塁に対する意識改革、さらには森敬斗や梶原昂希、粟飯原龍之介など俊足自慢たちの覚醒が期待されます。

◆気になる話題 その2：FA戦線

FA戦線では、3日に嶺井博希が、今季取得した国内FA権を行使しています。嶺井は今季、自己最多となる93 試合に出場して打率.250、5本塁打、30打点を記録。守備でも捕手としてリーグ4位の盗塁阻止率.321をマーク。勝負強い打撃で、スタメンを外れた日は右の代打の切り札的存在でもあります。

正捕手格に成長した嶺井に対して、三浦大輔監督が直接交渉を行うことを示唆するなど、球団は残留へ全力を注いでいるようですが、好条件でFAに強いと言われるソフトバンクが獲得に興味を示しており、その動向が注目されています。

◆気になる話題 その3：離脱中の主力投手

最後に故障で離脱中の2人の主力投手のニュースも見られました。1人目は平良拳太郎。2021年6月に右肘内側側副靱帯再建術、通称トミージョン手術を受けた平良は、今年の7月30日に降格していた育成契約から支配下選手に復帰しました。

8月に実戦復帰を果たし、二軍で4試合に登板。10月にはフェニックス・リーグに参加し、リハビリプログラムを完了しました。2020年には先発として8試合連続クオリティスタートを達成するなど、エース格に期待されたサイド右腕は、来季の開幕ローテ入りを目標としています。

リリーフでは、昨季までの守護神などブルペンの柱として活躍した三嶋一輝が、二軍の秋季練習に参加しました。三嶋は今季も開幕から一軍でセットアッパーとして起用されましたが、5月7日に「右肩痛」で登録抹消。その後、国指定の難病である「黄色靱帯骨化症」と診断され、8月に手術を受けました。

過去には大隣憲司投手（元ソフトバンク）や越智大祐投手（巨人）らが現役時代に手術を受けて長期離脱となり、復帰後も術前の投球からはパフォーマンスを落としています。それでも山崎康晃らのエールを受け、秋季練習では長距離のキャッチボールや全力走も開始している右腕は、来季以降の「勝利の方程式」復帰を誓っています。

文：大久保泰伸