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野球 コラム 2022年10月14日

【広島好き】新井貴浩監督が就任、歴代カープ新監督の1年目を振り返る。マーティ・ブラウン監督、野村謙二郎監督編

野球好きコラム by 大久保泰伸
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ポストシーズン真っ只中ですが、カープは早くも来季に向けて、新たなスタートを切っています。来季からチームの指揮をとることになった新井貴浩監督は、就任会見で「ファンの方々が見ていて、ワクワクするようなチームにしたい」と抱負を語りました。

2005年までの山本浩二監督以来となる地元・広島出身であり、明るく誠実な人柄からも期待が高い新監督ですが、指導者経験なしの監督就任を不安視する声もあります。今回から2回に分けて、2006年以降の4人のカープ「新監督」の1年目のシーズンを調べてみたいと思います。

◆2006年 マーティ・ブラウン監督 5位(前年6位)

チームが初優勝した1975年のジョー・ルーツ以来、球団史上2人目の外国人監督となったブラウン監督。ガッツあふれる強打の外野手としてカープで3年間プレーした経験もある同監督は、キャンプからの投手の球数制限や出塁率を重視した打順など、様々なチーム改革も行ったが、チームの勝利には結びつかず、この時期では定位置とも言える5位に終わった。

梵英心が新人王、黒田が1点台(1.85)の防御率で最優秀防御率のタイトルを獲得。佐々岡真司が球団では大野豊以来となる100勝100セーブを達成したが、投手陣で2ケタ勝利をマークしたのは13勝の黒田1人のみ。

来日1年目のダグラスが9勝、佐々岡が8勝を挙げたが、前年自身初の2ケタ勝利をマークした大竹寛が6勝と誤算だった。リリーフ陣では、永川勝浩がリーグ最多の65試合に登板して27セーブ(S)。林昌樹が61試合で2勝4敗12ホールド(H)、高橋健が54試合で2勝3敗15H、横山竜士が48試合で4勝5敗13Hを記録した。

野手は前田が打率.314でチーム唯一の3割台を記録。同.299の新井がチームトップの25本塁打、100打点をマークした。ルーキー梵が同.289、同年齢の東出輝裕が同.282で続き、ブレイクから2年後の嶋重宣は同.269。規定打席未満では、栗原健太が自身初の20本塁打を記録した。

◆2010年 野村謙二郎監督 5位(前年5位)

現役時代から類稀なるリーダーシップを発揮した指揮官候補として、満を持しての就任となった野村監督だったが、前年から新本拠地となったマツダスタジアムの野球に対応できず前年から順位を上げることができなかった。

広くなった本拠地で、本塁打は栗原の15本が最多。規定打席不足の嶋と岩本貴裕が14本で続いた。打率3割をマークしたのは廣瀬純(.309)と梵(.306)の2人。嶋や東出などの主軸候補が2割6分台と不振で、右の大砲として期待されたヒューバーは80試合出場で7本塁打、左のアベレージヒッターとして期待されたフィオはわずか44試合出場で打率.246と期待外れに終わった。チーム盗塁数はリーグトップで、梵が43盗塁で初タイトルを獲得。ゴールデングラブ賞を獲得した赤松真人が20盗塁、天谷宗一郎は18盗塁をマークした。

投手陣はプロ4年目の前田健太が大ブレイク。28試合に登板し、リーグ最多の215回2/3の投球回数で15勝8敗。防御率2.21、174奪三振で投手三冠に輝き、チーム6人目の沢村賞も獲得した。しかし、後に続く投手が不在で、ジオが8勝、スタルツが6勝と左右の外国人も2ケタには届かず。日本人最高は篠田純平の6勝で、エースに期待された大竹は故障もあり、わずか1勝に終わった。

リリーフ陣も軸に期待された永川勝浩が10試合、シュルツが11試合登板でいずれも防御率3点台と不振。チーム最多登板の大島崇行(53試合)、同2位の岸本秀樹(51試合)は防御率5点台で、横山竜士が46試合で3勝2敗11S、8H、防御率1.62と、ひとり奮闘した。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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