【オリックス好き】大型ビジョン映像にまつわる物語～後編

どれもこれも本当にかっこいいオリックス・バファローズの大型ビジョン映像。「いったい誰がどうやって作ってるんやろ？」そんな興味から実施した今回の取材。大型ビジョン映像周りを担当している球団職員の木寺一樹さんにお話を伺ったエピソードを、後編もやる気MAXでお届けします。

さて、チャンスといえばやっぱりこの方、吉田正尚選手。そして正尚選手と言えばもうおなじみのあの応援グッズ、そう“正尚チャンスダンベル”
（※正式名称「Buffaloes正尚チャンスダンベル2022ver．」ながっ！）

木寺さん「数年前、みんなで盛り上がれる応援グッズを正尚選手でぜひ作りたいということで）、本人にお伝えしたところ、最初は『荷が重いですよ～』と言われちゃいまして。無理には・・・と思っていたんですが、2年越しにお願いしたところ『マッチョ系でどうですか？』と言ってくださいました」

荷が重いだなんて、なんて謙虚な。でもそこから体を鍛えながら約2年。ちゃんと考えて期待に応えるストイックさ。さすがです。

「そこから正尚選手と二人で“マッチョ”から連想するグッズのアイデアを出し合いました。チキンとかほうれん草とかいろんな候補があがりまして、最終的にダンベルになりました」

ふむふむ、なるほど～すぐにダンベルになった訳じゃないんや～。えっ・・・ちょっと待って・・・他の候補なに？（笑）
チキンはマッチョの人がササミとかむね肉食べはるから？まだプロテインなら分からんでもないけど・・・。 ほうれん草はマッチョからのポパイからの？もはや連想ゲームやん。ほうれん草とかチキンをみんなで掲げることになっていたかもと思うと、それはそれで見てみたいなという気持ちもありますが、でもダンベルになって本当によかったと心から思います。初めて観戦する友達にも説明しなくても分かりやすいし、持ちやすいし。

今年のチャンス動画(一部)／球団提供

「『来年はどうします？』って正尚選手はいつも聞いてくださるんです。昨年までのチャンス動画も『覆面かぶりましょうか？』と言ってくださったり。あの黄色いタンクトップも正尚選手のアイデアです。本当にプロデュースが上手くてさすがだなと思います。でも、出来上がったチャンス動画を見て『ちょっとやりすぎでしょー』とおっしゃっていましたけど（笑）今年は、背番号が変わったので、映像内でも34から7に変わることがやりたいと相談したら、『いいですね』と言ってくださって、じゃあスロットで行こうとなって今のチャンス動画が出来上がりました」

ネオンカラーでかっこよくておしゃれな上に、私個人的には、背番号が変わったことに馴染めるかなと思っていた不安を拭い去ってくれたありがたい動画だと思っています。

「そう言っていただけると嬉しいです。ダンベルだけだと、ちょっと手持ち無沙汰かなと思って、撮影用に急遽ホームセンターで鎖を買ってきてダンベルに取り着けたら『これいいですね！グッズにしたらいいんじゃないですか？』ってすごく気に入ってくださって。それで、大急ぎでダンベル用の鎖をグッズにしました。おかげさまで大人気なんですが、グッズができてすぐ正尚選手に報告したら『え、僕そんなこと言いましたっけ？』って言われちゃいました（笑）」

え、天然？ぃゃ、天才や！！
私やったら「あれええやろ？私が考えてん」っていつまでも言ってしまいそう・・・。
ダンベルの鎖、ちょっと女子にはいかついかなと思って買っていなかったけれども決めました。買います。

正尚選手のチャンス動画、実は得点圏にランナーがいる場面に必ず流れるわけではないそうで、そこにもどうやら、正尚選手ならではの“こだわり”があるようです。
“オープン戦では流さない”ことと、公式戦でも一定のルールがあるとのこと。時々、あれ？って思うことがあったのは、そういうことやったんや～。その法則、解き明かしたいなぁ。

今年のチャンス動画(一部)／球団提供

正尚選手に限らず、選手の希望やアイデアを汲みながら、選手もファンも一緒に盛り上がれるような仕組みになっている登場VTR。
球場の雰囲気や試合の流れをくんで、逆にあえてチャンス動画を流す場面もあるそうです。

「球場まで足を運んで見に来てくださっているファンの皆様にとにかく楽しんでいただきたいと思って、どこでどんな映像を入れたら盛り上がりやすいかなと考えながらディレクションをしています。ブルベルが登場するチャンス動画は、ファンの皆様が掲げるタオルが映ることで完成するようにできているので、ぜひたくさん掲げていただけたら嬉しいです。最近野球を見始めたライト層のお客様にも好プレーが分かりやすいように、“イイネ！”や“キュンです”の映像も今年つくりました」

あ、あの映像。買ったもののいつ使ったらいいか迷ってた“キュンです”タオルを、すっと揚げられるようになって何気に助かってました！

「元々僕自身、スポーツ観戦が大好きで現地に行ったらとにかく盛り上がりたいタイプなんです。今はまだ声は出せませんが、球場での一体感を味わって、選手のかっこいい所をぜひ生で見て、ハリセンやタオルで大いに盛り上がっていただきたいです」
とおっしゃる木寺さんならではの、ファンの気持ちに寄り添った感覚も大型ビジョン映像にとても生かされてることに感激しました。今回貴重なお時間いただいておもしろい話をたくさん聞かせてくださって本当に感謝です。ありがとうございました。

イニング間も続々と新しい映像が増えているので、最近行けていないなぁという方も京セラドーム大阪へぜひです。
時々ランダムに流れる3種類の選手間のランキング映像シリーズも、今後また増やしていく予定だそうですよ。

大混戦のパ・リーグ優勝争い。大型ビジョン映像にも気持ちを上げてもらいながら、そして時には癒してもらいながら、行ける限りまた現地で応援させていただきます。
逆転優勝に向けて、GO！バファローズ！！

文：石原 祐美子（チキチキジョニー）