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野球 コラム 2022年8月9日

【広島好き】週間MVPは劇的サヨナラ勝ちのヒーローと、2ホールドの縁の下の力持ち。8月2~7日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島好きコラム

広島にとって『特別な日』に今季一番の劇的な出来事が起こりました。3点ビハインドをひっくり返してのサヨナラ勝ちで後半戦初勝利、7連敗を止めたヒーローは秋山翔吾!……そんな最高の雰囲気を次につなげることができないチームの現状が、少しもどかしいところです。

今季対戦成績が12勝3敗の横濱DeNAに連敗、同11勝2敗2分の阪神に負け越しとカモにしているチームにしっぺ返しを喰らい、1勝4敗で終わった先週のカープですが、めげずに今回も投打のMVPを探していきましょう。

野手で週間打率3割以上を記録したのは5人(3試合以上出場)。最も高打率だったのは野間峻祥で、3日から4試合連続でマルチ安打を記録。ピースナイターの6日にはタイムリー安打を含む3安打猛打賞と活躍し、守備でも3日と7日の2度、本塁へのレーザービーム返球で失点を防ぐなど、主将として文字通りチームを引っ張る存在となりました。

野間に次ぐ高打率を残したのがコロナ陽性から5日に復帰したマクブルームで、得意の阪神3連戦で週間打率.364をマーク。2死球と相手マークも厳しくなっていますが、西川龍馬が復帰し、中軸に左打者が多くなっているオーダーで、頼れる4番の復活は頼もしい限りです。

復帰組と言えば、7月13日以来の一軍となった上本崇司も3試合出場で週間打率.333。ただ、スタメン出場は1試合のみで、秋山の加入で激戦となった定位置争いで出場機会を増やすには、守備からの出場でもしぶとく内野安打を放った6日のように、少ないチャンスで地道に結果を残していくことが必要となります。

前週MVPの小園海斗も5試合にフル出場し、週間打率.333と好調をキープ。今季は6、7番での起用が多い小園ですが、先週も1打点のみでシーズンの得点圏打率は.241。下位打線で脅威の存在になるには、もう少し好機での打撃で結果を残していきたいところです。

週間打率は低いですが、菊池涼介は5試合中4試合で打点をマーク(5打点)しています。2日には5月21日以来の一軍出場となったルーキー末包昇大が、プロ初の三塁打を記録。3日は長野久義が7月10日以来となる本塁打を放ち、代打で出場した松山がタイムリー二塁打など、ベテランが存在感を発揮しています。

プロ野球2022公式戦

【ハイライト】広島 vs.阪神(8月6日)

好調選手が少なくない打撃陣でMVPにふさわしいのが、冒頭で名前を挙げた秋山でしょう。週間打率は.304ですが、5試合全てで安打を放ち、どん底のチームを救ったサヨナラ打や逆方向へのマツダスタジアム初本塁打など4試合で打点を記録。実は雨天ノーゲームとなった4日にも2安打を記録しており、本拠地初のお立ち台での素晴らしいコメントなど、不振のチームに光をもたらす存在として、今週の野手MVPに選出したいと思います。

打撃陣に多くの好材料がありながら、負けが重なったのは投手陣の不振にあると言わざるを得ません。走塁中のアクシデントで右足関節骨折となり、今季中の復帰が絶望的となった床田寛樹(4回3失点)の離脱は衝撃でしたが、4回5失点の森下暢仁、5回3失点で代打を出された大瀬良大地、コロナ陽性から復帰後初登板で5回途中5失点の遠藤淳志、チームが唯一の勝ち星を挙げた6日もアンダーソンが3回3失点と、先発陣が総崩れ状態となりました。

そんな中、高橋建投手コーチがフル稼働指令を発令したリリーフ陣は、4人が登板全試合で無失点を記録しています。先週、唯一の勝ち投手となった一岡竜司は3試合に登板し、3日に2失点で週間防御率7.71となっていますが、6日に2安打を許しながら無失点に抑え、直後のサヨナラ劇で自身約4年ぶりとなる白星をマークしました。

無失点は中崎翔太、薮田和樹(ともに2試合)の実績組に、今季ひそかに覚醒の兆しを見せている矢崎拓也(3試合)らですが、5試合中4試合に登板し、2ホールドを記録したルーキー松本竜也を“縁の下の力持ち”という意味を込めて投手MVPに挙げたいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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