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野球 コラム 2022年6月7日

【ハイライト動画あり】巧みな継投が勝利を引き寄せる 松山大学 vs. 日本文理大学 全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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盛り上がる日本文理大ベンチ前

雨はとめどなく開幕初日の神宮球場フィールドに降り注いでいた。
それは無情の雨というものか。ここでの試合は順延となり東京ドームの4試合のみが行われた。
蒸し暑さがなく涼しさのドーム球場で、赤色が鮮やかな選手達がおおいに躍動してみせた。

「うれしくてしょうがないです。これまで23年の監督生活で、いつも継投でいくのが私のスタイルなのです。それで途中までベンチ全体がガチガチでした、野元は本当に良いところで打ってくれました」
と実直なままに話す日本文理大の中村監督は最終的に5人の投手を繰り出した。

それも小倉投手(三重総合)、上原投手(真和志)、伊藤投手(唐津商)、前田投手(中部商)、桝屋投手(長崎商)という左、右、右、左、右の巧みな継投である。
そこで松山大打線は目先を変えられ、ことごとく内外野フライや内野ゴロに終わっていた。

【ハイライト】松山大学 vs.日本文理大学

第71回 全日本大学野球選手権大会 1回戦 〜東京ドーム〜

2点本塁打の野元外野手(日本文理大)

得点のチャンスは日本文理大6回裏、ここ一番の場面で5番左打者の主砲野元外野手(佐世保工)の登場である。そこでランナーを2塁において落ち着き払った一振りでライトスタンドへ運ぶ魅惑の2ラン本塁打。
「インコースのストレートでした。このドームでの1本はものすごくうれしいです」
もともと投手で入部した野元が、ひじの故障もあって打者に転向、その才能が開花していた。
この2点があれば、イケる。ベンチは沸き、一気に勢いづいた。

ツーシームを駆使した菊地投手(松山大)

松山大は左腕特有の独特なフォームから左右のコースに投げ分ける菊地投手(宇和島東)が先発。
「疲れはそうでもなくて、ツーシームを駆使していました。そうですね、日本文理は打力があるチームに思いました」
ただ6回裏のあの直球は吸い込まれるように打者野元のふところ近くへと入ってしまった。

速球140kmで押さえた桝屋投手(日本文理大)

7回には阿部捕手(宇和島東)によるレフトへのクリーンヒットで1点を返した松山大は、さらに9回にも満塁で一打サヨナラへと攻め続けたが最後は三振で試合終了。
そこに日本文理大の小刻みな継投策は成功をみた。

野元外野手(日本文理大)

「さっきまで勝利がうれしかったのですが、もう次の試合に向けて頭が切れ変わりました」それは貪欲なまま。やれるという勝負への期待感と手応えがあった中村監督。
リズムある足取りで巨体を揺らしながら東京ドームの地下通路を歩き、外に出ては応援に来ていた人々とOBらに声をかけ、ようやく緊張の解けた柔和な笑顔になった。

文・岩瀬孝文

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岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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