【野手編】第71回全日本大学野球選手権大会 注目選手

6月6日（月）から12日（日）にかけて、71回目となる全日本大学野球選手権大会が行われる。

今回は全日本大学野球選手権大会に出場する5名の注目野手を紹介する。数々のプロ野球選手を輩出してきた本大会を大いに盛り上げてくれることを期待する。

捕手　土井克也（どい　かつや）
大学・学年：神奈川大学　4年（神奈川大学連盟）
出身：佐賀県
出身高校：唐津商業高校
投打：右投右打

捕手で、しかも4番を任されるチームの要。180センチ・85キロで広角に打てる「打てる捕手」だ。昨年秋の明治神宮大会出場を決める関東大会（横浜市長杯）で、サヨナラ本塁打を放ち、本大会でも3試合で打率.545を記録して準優勝に貢献するなど、大舞台の勝負強さは既に証明済み。

この春も神奈川大学野球連盟のMVPを受賞している。二塁への送球もハイレベルで、捕手に人材が多い今年の4年の中でも「プロ注」の1人だ。

捕手　進藤勇也（しんとう　ゆうや）
大学・学年：上武大学　3年（関甲新学生連盟）
出身：福岡県
出身高校：筑陽学園高校
投打：右投右打

筑陽学園高校時代も春夏の甲子園大会と神宮大会に出場しているが、上武大学進学後に大きく評価を挙げた。2年春からレギュラーとなり、3年で迎えた昨年の大学選手権は「4番・捕手」としてベスト4入りに貢献している。個人としても4試合で打率.417、1本塁打、6打点の成績を残した。1学年上の大型捕手・小山忍との正捕手争いは、全国の大学でも際立ってハイレベルなものだろう。

182センチ・86キロと体格に恵まれ、確実性と長打力を兼ね備えた右打者。加えて強肩、チームを引っ張るリーダーシップも兼ね備える。希少な「打てる捕手」として、2023年のドラフト上位候補だ。

内野手　田中幹也（たなか　みきや）
大学・学年：亜細亜大学　4年（東都大学連盟）
出身：神奈川県
出身高校：東海大菅生高校
投打：右投右打

166センチ・65キロの小兵ながら三拍子が揃い、特に抜群のスピードとアクロバティックな守備で“魅せる”内野手だ。東海大菅生高校3年夏の選手権は、1番ショートとして打率5割、3盗塁の活躍で4強入りに貢献。亜細亜大学でも2年夏には、侍ジャパン大学代表として日米大学野球大会のメンバー入りを果たした。

3年秋のシーズンは潰瘍性大腸炎による入院の影響でほぼ全休状態だったが、4年春の今季は全13試合に出場して、打率.293と完全復活。俊足に加えて走塁技術が高く、4月14日の國學院大学戦でリーグ史上最多の1試合6盗塁を記録するなど、この春は13試合で11盗塁を記録している。

友杉篤輝（ともすぎ　あつき）

内野手　友杉篤輝（ともすぎ　あつき）
大学・学年：天理大学　4年（阪神学生連盟）
出身：大阪府
出身高校：立正大淞南高校
投打：右投右打

1年春から天理大学のレギュラーポジションをつかみ、3回生で迎えた昨年6月の大学選手権は、3番ショートとして「10打数8安打」と猛打を披露。171センチ・68キロと大柄ではないが、しっかり振り切る右の強打者だ。

阪神大学連盟では過去4シーズンのうち3度も打率4割以上を記録しており、今春は首位打者とMVPを獲得している。打撃と同時に際立つのが右打席から一塁への到達が3秒台を記録する“超”の付く俊足。ショートはアスリートの揃う花形ポジションだが、彼もドラフト指名を視野に入れる逸材の一人だ。

宗山塁（むねやま　るい）

内野手　宗山塁（むねやま　るい）
大学・学年：明治大学　2年（東京六大学連盟）
出身：広島県
出身高校：広陵高校
投打：右投左打

全国から「プロ注」の逸材が集まる明治大学で、1年の春からレギュラーポジションを獲得している内野手。176センチ・75キロの左打者で、1年秋、2年春とショートのベストナインに選出されている。広角に打てる巧打者タイプで、2年の春季リーグ戦は打率.429で首位打者を獲得。さらに3本塁打とパワーも証明した。

昨年11月には1年生ながら、侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿に招集されている。貴重な「打てるショート」で、フットワーク、強肩を兼備する守備も強み。間違いなく今大会の目玉選手だ。

文：大島和人