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野球 コラム 2022年5月24日

【広島好き】先週のMVPは野手キャプテンと中継ぎ投手陣。『週刊カープいいとこどり』5月17~22日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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巨人に3連敗の後、中日に3連勝と同一カード3タテの裏表となった先週のカープ。過去8試合で2勝6敗、5連敗中だった宇都宮の後、今季5戦勝利なしの東京ドームから、今季の勝率は6割5分超えと、強さを取り戻したマツダスタジアムと、“苦手”と“得意”がはっきりした結果となりましたが、“苦手”と言えば、昨季も地獄を見た“アレ”が今週から始まります。

ロースコアの接戦に競り負けた巨人戦、猛打爆発の中日戦となった先週の2カードですが、最後の痺れるような投手戦でヒーローになったのが堂林翔太です。5月に入り、打撃不振でスタメンの機会が減っていましたが、今季2戦2敗、3試合で21イニング無得点と天敵の柳裕也から値千金となる決勝本塁打を放ちました。自身8年ぶり、2本目となる代打での一発は、球団史上初となる「代打弾のみによる1-0の勝利」というおまけ付きとなりました。

その堂林と中京大中京高時代にバッテリーを組んだ磯村嘉孝は、2試合でスタメン出場し、21日の試合で自身2年ぶりの本塁打となる3ランを放って勝利に貢献。試合後は勝利投手との森下暢仁とお立ち台に立ち、「毎日打撃練習をしているのに、打率と打点が森下より低いので悲しい」と言ってファンを笑わせました。

連続出塁は29試合でストップしてしまいましたが、来日初、自身によればキャリア初という満塁本塁打を放つなど、週間打率.300をマークしたのがマクブルーム。6試合で6四球を選ぶなど、選球眼の良さも好成績につながっています。

5月の月間打率.385と絶好調の小園海斗は、先週も週間打率.348をマーク。7戦連続マルチを含む9試合連続安打を記録した後、中日3連戦でも弾丸ライナーの本塁打を放つなど、3試合全てで安打を記録しています。

6試合中3試合でマルチ安打を記録した坂倉将吾は、週間打率.333を記録。無安打だった宇都宮でも2四球を選び、東京ドームでの2試合では3死球など、週間出塁率は.462と驚異的な数字を残しています。

坂倉と同様に6試合中3試合でマルチ安打の菊池涼介は、週間打率.318と調子が上がってきました。18日の試合では、中島宏之のセンターへ抜けそうな強烈な当たりをダイナミックな動きでアウトにするなど、異次元の守備も健在です。

24打席無安打から週間打率.292と復調した西川龍馬など、今回も好成績の野手が多い中、週間MVPに選びたいのが野間峻祥です。中日3連戦では1番で起用され、21日には自身3年ぶりとなる4安打で勝利に貢献。週間打率は4試合で.389をマークしました。野手キャプテンに指名された今季、打撃不振で二軍降格となりましたが、1番打者が固定できない現状で「大本命」の復調はチームにとって明るい材料となるでしょう。

投手陣は遠藤淳志が“準地元”の宇都宮で8回まで無失点と好投も、最終回に打たれて降板し、チームはサヨナラ負け。プロ初完封はお預けとなりました。九里亜蓮も7回2失点、10奪三振と奮投しましたが、打線の援護に恵まれず敗戦投手に。

勝ち試合では、大瀬良大地が8回5失点、森下が7回無失点、アンダーソンが6回無失点と相変わらず先発投手陣の安定ぶりが目立ちますが、今回は敢えて、それぞれ2試合に登板して防御率0.00を記録した森浦大輔矢崎拓也塹江敦哉ケムナ誠の中継ぎ陣を「合わせ技」で週間MVPに選出したいと思います。

今週から始まる“アレ”とは、もちろんセ・パ交流戦のことです。昨季は直前にコロナによる大量離脱もあり、3勝12敗3分で12球団最下位と惨敗。後半戦の巻き返しも及ばず、3年連続Bクラスの要因となりました。リーグ3連覇を達成した2018年以来となるV奪回、最低でもクライマックスシリーズ進出圏内を目指すためにも、この“鬼門”克服がカギになるということは、改めて言うまでもないことでしょう。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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