【広島好き】上本崇司、「1つずつ、1歩ずつ」

これに近い内容を先月、ルーキー・中村健人選手に対しての話の中でも聞いた。

「今、チーム内で良い声を出すのは中村健人ですね。面白いというか天然なのかわかんないんですけど、ずっと独り言を喋ってます。あいつがいるとベンチが暗くなる瞬間がないですね。だけどまだ若いんだから、やっぱり僕みたいなってほしくないっていうか、今はお笑いに走らずに、まずは野球を頑張ってほしい」。

過去の自分と、年齢や立ち位置から感じた後輩へのまっすぐなアドバイスだ。

"やるしかないです"

上本選手にとって、今季頑張らないといけない大きな理由ができた。それは2人目の子供が産まれ、新しい家族が増えたことだ。ずっと溺愛していた娘もお姉ちゃんになり、今までよりも家が賑やかになるだろう。

そんな娘から言われて最近一番嬉しかった言葉は、地元開幕戦であのヒーローインタビューを見た長女の「パパ！　インタビューかっこよかった！」だそうだ。やっちゃろうやぁ、は愛する娘にもちゃんと届いていた。

最後に上本選手に今シーズンの目標についても聞かせてもらった。

「優勝…とか本当は言いたいんですけど…すみません。長いシーズン、今はまだ目の前の試合を1つ1つ勝つことに必死で。チームの足を引っ張らないように。どんな形でも勝利に貢献したいです」。

この上本選手の言葉に、最後の最後まで誰ひとりとして、勝つことを諦めずに戦っている今のカープが見えた。全員が今は目の前のことに必死に立ち向かっているのだろう。

今年の上本崇司は何かやってくれそうな気がする。いや、やるしかない。

文：ゴッホ向井ブルー