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野球 コラム 2022年5月4日

【広島好き】先週のMVPは球団通算4500勝の立役者2人。『週刊カープいいとこどり』4月26~5月1日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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ゴールデンウイークに入り、本格的な鯉のぼりの季節となりましたが、先週の結果はヤクルト、中日相手に1勝4敗。以前にこのコラムで書いたこともある、使い古された“あの言葉”通りの展開に、今年はなってしまうのでしょうか…。

鬼門のバンテリンドームでの負け越しはともかく、初戦が雨天中止となったマツダスタジアムでの連敗は想定外と言えるものでした。ただ、ヤクルトは昨年もセ・リーグではホームで唯一、負け越したチームで、それも2勝9敗1分と惨憺たる結果に終わっています。日本一となったチーム相手の結果と言えば、それまでかもしれませんが、球場から徒歩圏内にある段原中学校出身である高津臣吾監督の“広島魂”が、この対戦成績に影響しているのではないか、とも思っていまいます。

そんな地元トーク的な話はともかく、今回も週間MVPの選出といきましょう。2試合で完封負けなど、振るわなかった打撃陣の中、チームトップの週間打率.368をマークしたのが西川龍馬です。西川は27日のヤクルト戦で4打数4安打と大当たりで、2試合連続猛打賞を記録。その他の3試合でも安打を放ちましたが、29日の中日戦では4打席全て空振り三振という珍しい結果に終わっています。

週間打率は.316と西川には及びませんが、印象的な活躍をしたのが堂林翔太です。堂林は先週の5試合全てで安打を放ち、5月1日まで8試合連続安打を記録。ハイライトが、1-0の最少スコアで勝利した29日の試合で、中京大中京高校の11学年後輩である中日先発の高橋宏斗から決勝本塁打を放ちました。打った瞬間、本人も本塁打を確信した左中間への特大の一発で、球団通算4500勝を決めた“持ってる“堂林を野手MVPとしたいと思います。

投手陣は、27日に床田寛樹が今季ワーストの3回4失点で降板、28日は中崎翔太以降のリリーフ陣3人が8回に一挙9失点を喫して逆転負けと、初戦は先発、2戦目はブルペンが機能せず、地元での連敗となりました。中崎は30日の中日戦でも同点の8回に登板して勝ち越し点を許すなど、開幕からの好調を支えた元守護神の状態が心配されるところです。

そんな不安材料が露呈された中、28日は九里亜蓮が7回無失点、30日は森下暢仁が7回2失点と、主軸の先発投手はきっちりと仕事をしています。勝利の方程式が崩れかけて、再編も検討されるリリーフ陣では、開幕一軍を逃した森浦大輔が2試合に登板して無失点。雨天中止の影響もあり、先発登板がなかった遠藤淳志が、1日の試合では2番手として3イニングを投げて1失点と好投し、今後の起用法も含めて可能性を広げています。

投手MVPは、堂林がヒーローとなった試合で今季初の完封勝利を飾った大瀬良大地を選ぶしかないでしょう。前回の同地での3連戦で3連敗を喫した相手に、被安打2、無四球と、まさに圧巻の投球。目立たなくても、印象的でいい働きをした選手を幅広く選ぶ、というのが実はコンセプトのこのコラムで、2週連続というのは避けたいところなのですが、球団通算4500勝の立役者としてチーム史に名前を刻んだエースに敬意を示したいと思います。

3・4月の月間成績は16勝12敗1分。戦前の低評価を覆す上々のスタートと言えるでしょう。ただ、5月1日の試合に敗れてチームは3位に転落。開幕から継続した6人の先発ローテから玉村昇悟の二軍降格が決まり、リリーフ陣では中崎に代わる“8回の男”の選別、打撃陣では不振が続く小園海斗をどうするのかなど、5月は佐々岡真司監督の手腕が問われる月になりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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