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野球 コラム 2022年4月19日

【広島好き】首位キープ。菊池涼介の週間打率は驚異の5割超え。『週刊カープいいとこどり』4月12~17日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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松山遠征でヤクルトと2試合の後、2日間の休みを経て、週末の中日戦ではマツダスタジアムに、2019年シーズンの最終戦以来となる3万人を超える観客が集まりました。先発投手陣が12試合連続クオリティースタート(QS)を達成し、攻撃陣も12球団トップのチーム打率で首位の座をキープした先週のカープ。今回も投打の週間MVPを選出していきましょう。

松山での2試合では、菊池涼介が2試合で9打数5安打、4打点と活躍しました。チームが敗れた初戦は、唯一の得点となるタイムリーを放ち、圧巻だったのが第2戦。1点を先制して迎えた2回に2死2、3塁の場面でレフト前に追加点となる2点打、さらに4回にも1死1、3塁でセンター前に2打席連続となるタイムリーで3打点をマークし、チームに12年の阪神戦以来、10年ぶりとなる坊っちゃんスタジアムでの勝利をもたらしました。

菊池涼は17日の中日戦でも3安打をマークするなど、4試合全てで安打を放ち、週間成績は16打数9安打の打率.563、4打点、出塁率と長打率を合わせたOPSは驚異の1.151。野手の週間MVPはこの人を選ぶしかないでしょう。

もう1人、野手でMVP候補としたかったのが會澤翼です。會澤は週間打率こそ15打数4安打の打率.267と決して高い数字とは言えませんが、ヤクルト戦でタイムリー、中日戦では押し出し四球を選んで2打点をマークし、今季13打点でリーグトップに並びました。得点圏打率.467はリーグ3位の好成績で、勝負強い6番打者として存在感十分の働きを見せています。

ヤクルト戦では堂林翔太、中日戦では大盛穂がそれぞれ7番・ライトでスタメン出場して、いずれも打点を記録しました。ルーキー末包昇大の状態が下降気味で、実績のある2人が起用されたわけですが、スタメンを外れた末包が代打で安打を放ってアピールするなど、ライトのポジション争いが面白くなってきました。

投手部門は、森下暢仁が自己最短、ワーストの2回8失点でKOを喫してしまい、連続QSがストップしましたが、九里亜蓮が7回1失点(勝ち負けなし)、大瀬良大地が6回2失点で2勝目をマークと、相変わらずの安定感を誇っています。

そんな中、先週も素晴らしい働きを見せたのが床田寛樹で、ヤクルト相手に6回1失点で2勝目を挙げ、防御率は0.90まで下がりました。この日の床田は、打撃でも3打席全てで送りバントを決め、2度の場面で自身を助ける得点につながっています。

リリーフ陣では、栗林良吏がプロ初の黒星を付けられた中日に対して、3つのアウト全てを三振でセーブを記録し、リベンジを果たしました。ヤクルト戦でもセーブシチュエーションではない登板で、1イニングをわずか6球で三者凡退と、昨年の安定感が戻ってきました。

リリーフでもう1人、名前を挙げておきたいのが島内颯太郎です。ヤクルト戦では2つの四球を与えたものの、村上宗隆、青木宣親ら打者3人を空振り三振に打ち取る爽快な投球。中日戦では、死球と申告敬遠で2人の走者を出してしまいましたが、代わった塹江敦也が抑え、2人揃って今季7試合無失点で左右のセットアッパーとしての地位を築きつつあります。

連続QSとは言え、勝ち試合の先発はいずれも6回で降板しており、その2試合で登板した島内を、強烈な印象を残した投球内容も含めて、投手の週間MVPに選出したいと思います。

前評判を覆す快進撃が続いていますが、先日、カープファンではない古い野球好きの人と話した際に、「カープが強いのは鯉のぼりの季節までだからね」と言われました。

いまだにそんなことを言う人がいるのか、と内心思ってしまいましたが、今週行われるゲーム差なしでの巨人との直接対決、ゴールデンウィーク前の「首位攻防戦」として注目したいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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