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野球 コラム 2022年4月12日

【広島好き】巨人、阪神との6連戦を4勝1敗1分で単独首位に浮上。「週刊カープいいとこどり」4月5~10日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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昨季Aクラスの巨人、阪神との6連戦を4勝1敗1分で単独首位に浮上。12球団トップの73得点に、38失点はリーグ最少。チーム打率、同防御率リーグトップの現状は“出来過ぎ”と言うべきなのかもしれませんが、好結果には明確な理由があります。

まずは、ここまで言い尽くされた感もある「打線のつながり」。特筆すべきなのが、リーグダントツの22犠打で、8犠飛も12球団で最多となっています。MLBでもいきなり結果を出している鈴木誠也という大黒柱が抜けた打線ですが、12球団最少の4本塁打でのこの得点力は、控え選手も含めた1人1人の選手が自らの役割をしっかり果たしているということでしょう。

もうひとつが、ここまでの10勝中、7勝が先発投手の勝ち星(森下暢仁2勝、大瀬良大地九里亜蓮床田寛樹玉村昇悟遠藤淳志がそれぞれ1勝)と、先発ローテーションが確立されたことでしょう。ここまで1勝の投手でも、防御率を見ると床田が0.64、遠藤が1.53、九里も1.98とほとんど崩れていません。

先週の6試合では、開幕直後の連勝時とは違った選手の活躍が目立ちました。その筆頭が4番に定着しつつあるマクブルームで、7日の巨人戦では初回の2点ビハインドをすぐに取り戻す来日1号2ラン本塁打を放ちました。同試合で頭部死球を受けて1試合欠場しましたが、復帰した9日の阪神戦で2安打、翌日は1-0のゲームで値千金となる決勝本塁打を放ってチームを勝利に導いています。

巨人戦では7日に今季初スタメンとなった長野久義が2本のタイムリー二塁打で3打点の活躍。守備でもスライディングキャッチを披露するなど、健在ぶりをアピールしました。同試合では、途中出場の堂林翔太も2本の二塁打を放ち、スタメン出場した9日の阪神戦では、先制打となるタイムリー二塁打など2安打1打点と活躍し、ここまでの打率は.417と好調です。

そんな中、開幕からコンスタントに活躍を続けているのが坂倉将吾です。先週の6試合中5試合でマルチ安打を記録するなど、その間の成績は24打数9安打の打率.375で、このコラムが選ぶ野手の週間MVPに選出したいと思います。守備でも今季は三塁と一塁をこなし、カードの3戦目は捕手というスタイルが定着しつつあり、先発マスクの試合は4戦4勝となっています。

投手陣では九里が7回1失点、床田が7回無失点、玉村が7回2失点、大瀬良が6回3失点、森下が9回1失点、遠藤が7回2/3を無失点と、前述の通り先発投手がこぞって好投しました。特に今季初完投勝利をマークした森下は、打撃でもプロ初の三塁打など4打点とMVP級の活躍をしましたが、今回は敢えてリリーフ投手から週間MVPを選出したいと思います。

リリーフ陣の活躍が光ったのは、勝ちゲームよりもむしろ延長12回引き分けとなった8日の阪神戦でした。先発の大瀬良が6回で降板した後、塹江敦也中崎翔太島内颯太郎が無失点で延長戦に持ち込みました。

そして、10回にはドラ1ルーキーの黒原拓未が、大学時代の対戦では本塁打を打たれた佐藤輝明を三振に打ち取るなど、2奪三振で三者凡退と快刀乱麻の投球を見せました。11回は菊池保則、12回は栗林良吏が、サヨナラ勝ちを期待する甲子園の独特な雰囲気をものともせず、無失点で引き分けに持ち込みました。

先週の6試合中、3試合に登板した中崎は、6日の試合で手痛い逆転弾を浴びましたが、その他の2試合は無失点。塹江、島内、菊池保、黒原も、いずれも2試合を投げて失点0を記録しています。そして守護神の栗林は、3試合に登板して2セーブをマークしました。

2日の中日戦でプロ入り以来、初めてセーブシチュエーションでの救援失敗となり、2年目のジンクスも心配されましたが、見事に立ち直ったその姿を評価して、投手の週間MVPに選出したいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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