【楽天好き】楽しみが増えた。西川遥輝の自虐ヒーローインタビュー

東北楽天ゴールデンイーグルス

スタンドにピンク色の「西川遥輝」タオルが一斉に掲げられた風景は、まるで桜が咲き誇っているみたいだった。SNSでは「すべてがカッコいい」といった絶賛コメントが溢れている。開幕2戦目のロッテ戦でのこと。西川が盗塁や逆転タイムリー、犠牲フライを決めて、チームの今季初勝利に貢献し、仙台の本拠地で“春”を迎えた。

イケメン枠に入る選手でありながら、真っ白なホームユニフォームを泥まみれにして、フィールドを駆け回っていた。そんな一生懸命な姿で魅せたと思えば、ヒーローインタビューでは、関西ノリの自虐ボケ的コメントであっという間に、ファンのハートを鷲掴みにした。こんなふうに。

――　値千金の逆転タイムリースリーベース。ナイスバッティングでした。佐々木朗希投手の変化球を捉えた。振り返っていかがですか？

西川：球が速かったので、目をつぶって振ったら当たりました。（場内に響く笑い声）

――　6回には盗塁も決めて、好走塁もあって追加点。足でも西川選手らしさを見せた試合となりました。

西川：もう両足痙ってます。（さらに響く笑い声と拍手）

――　9回には執念の犠牲フライ。あの時の気持ちを教えてください。

西川：皆さん、あのぅ「ホームランいったか！」と思ったと思うんですけど…。あれが僕の精一杯です。（笑い声に温かな拍手も広がっていく）

――　移籍後では初のお立ち台。ピンクの西川選手のタオルを掲げている方がたくさんいらっしゃいます。そこからの光景はいかがでしょうか？

西川：ここに来るまでにいろんな人の支えがあって、ここまで来られたので、本当にいろいろな方々に感謝しています。ありがとうございます！（さらに大きく拍手やメガホンを叩く音）

――　それでは楽天の西川選手として、今季の意気込みをお願いします。

西川：（少し虚をつかれたような表情で）意気込みですか！？もう始まっちゃってるんで、シーズンが…。えーと…、今日みたいな熱い試合をしたいと思いますし、寒くても最後まで残ってくれたファンの皆さん、本当にありがとうございました！！

この日、164キロのストレートを記録するなど驚異的だったロッテの先発投手・佐々木。あのタイムリーは“目をつぶった”どころか、しっかり見極めて打った巧打だ。盗塁も、走るだろうと予感させておきながら見事に決めている。極めつけは、大事な場面で、犠打ができる技術も見せつけたのだ。

西川選手の回答に、見ている人は聞きながら「そんなわけあるかーい！」と楽しくツッコミを入れていたのではないか。ヒーローインタビューは、選手の横顔が見られるもう1つの舞台。開幕前、「走塁で試合を支配したい」と宣言していた西川。今季は、彼の熱量あふれる活躍はもちろんのこと、茶目っ気のあるヒーローインタビューも楽しみにしたい。

文：松山ようこ