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野球 コラム 2022年3月17日

【横浜好き】ここ10年間の開幕投手について調べてみた。『週刊ベイスターズいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

開幕まであと1週間。ベイスターズはオープン戦で好調が続いていますが、10日に三浦大輔監督が、今季の開幕投手を東克樹とすることを発表しました。

プロ5年目の東は、ルーキーイヤーの2018年に11勝をマークして新人王を獲得しましたが、2019年に左ひじのトミー・ジョン手術を行い、昨季7月に復帰を果たしたばかりです。初の開幕投手となる東には飛躍が期待されますが、今回は近年の開幕投手について振り返ってみたいと思います。

最近10年間で開幕投手を務めたのは8人。2017・18年に石田健大、2019・20年に今永昇太が2年連続で開幕投手となり、昨季は濱口遥大が初の大役となりました。中畑清監督時代からの開幕投手の顔ぶれを振り返ってみると、今となっては意外とも思える名前も挙がってきます。

2012年の開幕投手は高崎健太郎。前年まで4年連続最下位と低迷していたチームで、プロ6年目で初の抜擢となりました。相手は阪神で6回0/3を投げて3失点。勝敗は付かず、チームは引き分けに終わっています。高崎はこの年、24試合に登板して自己最多の7勝をマークしましたが、10敗と黒星が上回ってしまいました。

2013年は藤井秀悟。移籍2年目でヤクルト時代以来、11年ぶりとなる開幕戦のマウンドは、中日相手に6回2失点で勝敗は付きませんでしたが、チームは4-3で勝利しています。この年の藤井は21試合に登板して6勝5敗、チームは6年ぶりに最下位を脱出して5位となりました。

2014年はプロ2年目の三嶋一輝が抜擢されましたが、ヤクルト相手に2回9失点と炎上して敗戦投手となりました。その後は3度の先発登板を生かせず、リリーフでも結果が出ず、5月上旬に二軍落ち。シーズン終盤の10月に先発して5回3失点で勝利投手になりましたが、この年は8試合の登板で1勝2敗、チームは2年連続で5位に終わりました。

2015年は久保康友がロッテ時代以来、9年ぶり2度目となる開幕投手を務めました。巨人相手の開幕戦は4回3失点で敗戦投手に。この年の久保は21試合に登板してチームトップの8勝(7敗)をマークしましたが、チームは再び最下位に転落しています。

ラミレス監督が就任した2016年、開幕投手はプロ4年目の井納翔一が抜擢されました。広島相手に7回無失点で勝ち投手となり、この年は23試合に登板して7勝11敗と黒星先行の結果に終わりましたが、チームは2005年以来のAクラスとなる3位に浮上しています。

2017年は前年9勝をマークした石田が、プロ3年目で初の晴れ舞台に立ちました。ヤクルト相手に6回3失点で敗戦投手となり、この年は18試合に登板して6勝6敗、チームは2年連続3位で日本シリーズ出場を果たしました。

2018年に2年連続で大役を任された石田は、ヤクルト相手に5回2失点でまたも敗戦投手に。この年はシーズン途中からリリーフに回り、23試合登板で3勝7敗、2HPでチームは4位となり、3年ぶりにCS進出を逃しました。

2019・20年は今永が2年連続で開幕投手を務めました。初の大役となった2019年は中日相手に8回無失点と完璧な投球で勝利投手になりました。この年は25試合で13勝7敗とエースにふさわしい投球を見せ、チームも2位と躍進しました。

コロナ禍で開幕が6月となった20年は、広島相手に5回2失点で敗戦投手に。この年は8月中旬までに9試合で5勝3敗とまずまずの成績でしたが、左肩の違和感で10月には手術を余儀なくされ、チームも4位に終わりました。

三浦監督1年目となった昨季は、濱口が巨人相手に3回6失点でKO。打線の奮起で敗戦投手は免れましたが、試合はサヨナラ負け。この年の濱口は17試合の登板で5勝7敗、チームは15年以来となる最下位に終わりました。

こうして振り返ってみると、最近10年間の開幕投手でシーズン2ケタ勝利をマークしたのは、2019年の今永だけということになります。東の今季はどうなるのか。まずはオープニングゲームとなる広島戦に注目しましょう。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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