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野球 コラム 2022年2月20日

【広島好き】持丸泰輝と木下元秀、勝負の3年目を迎える2人の育成選手

野球好きコラム by ゴッホ向井ブルー
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毎年行われているプロ野球ドラフト会議。その席で一番の注目を集めているのはもちろん1位指名を受ける選手だが、近年のプロ野球界ではピラミッドの最下層から一流選手と呼ばれるとこまで上り詰めた育成出身の選手が増えてきた。

福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大投手と甲斐拓也捕手。この2人は育成出身選手初のオリンピック代表選手だ。他にもWBC日本代表にも選ばれた元読売ジャイアンツ山口鉄也投手など、輝かしい成績を残した選手がいる。

まずはじめに、育成選手にはルールがある。背番号は3桁、一軍の公式戦には出場できない、育成契約期間は最長3年、など。もしも期間内に支配下登録されなければ、自由契約となってしまうのだ。実は自由契約後に同球団から育成再契約という例もあるが、正直3年目までが勝負だろう。

過去に4年目以降は毎年自由契約から再契約というのを繰り返して8年在籍した選手がいたが、残念ながら支配下登録は叶わなかった。他にも育成再契約を打診されたが、他球団から支配下選手としてのオファーをもらい移籍を決める選手もいる。

ここで、話題を広島カープの育成選手に移そう。カープにも勝負の年を迎えた2人の選手がいた。持丸泰輝選手と木下元秀選手。高校を卒業して育成選手としてカープに入団した同い年の2人だ。今シーズンで3年目を迎えることとなる。

昨シーズン、ファームで持丸選手は捕手としてはチーム最多出場。木下選手はチーム最多となる292打席に立った。出場機会が多いということはそれだけ首脳陣からの期待も大きいというのがわかる。さらに、シーズン終了後の秋季練習でも2人揃って一軍メンバーに選ばれた。

「将来は捕手で首位打者を目指したい」。入団時、この目標を掲げたのは持丸泰輝選手だ。彼の性格を一言で表すと「超真面目」だ。

そんな彼には、プロに入ってから学んだ大事なアドバイスがあった。昨シーズン、大先輩である會澤翼選手が怪我で二軍にいた時期のことだ。ファームの試合に出場した持丸選手は得点圏にランナーがいたときでも、ピッチャーの球を受けたら普通にまっすぐ返したり、座って返したりしていた。

それを見た會澤選手からこう言われたそうだ。「得点圏にランナーがいるときは必ず立ってから投げなさい、キャッチャーは必ず隙を見せるな」。プレー中の一瞬一瞬に対しての意識が低かった、持丸選手はこのアドバイスを受けてからは常に、この言葉を頭に置きながらプレーしている。

そんな尊敬する會澤選手を近くで見てからの持丸選手はそのカッコ良さに惚れていた。「アツさんはやっぱりオーラもすごくて、昔ヤンキーだったっていう片鱗もあってめちゃくちゃカッコいいです」。ちなみに會澤選手の一番カッコいいなと思った部分は「歩き方」だそうだ。

そして、プロ1年目から取材してきた持丸選手のキャッチャーミットには、1年目のときから「夢一直線」という言葉が刺繍されていた。これは高校時代に父がグローブをオーダーで作ってくれ、たまたま父が勝手に入れていた言葉らしいのだが、「時には遠回りも必要ですけど、やっぱり夢を曲げずに真っすぐ進むことが大事かなと思っているので、今でもグローブにはその言葉を入れています。」と教えてくれた。

しかし、この「夢一直線」という言葉は初心を忘れずにという気持ちを込めて入れていたのだが、3年目のグローブには違う言葉が刻まれていた。「今年は育成3年目ということで、自分にとっては勝負の年なので色々な意味を込めて『勝』という1文字を入れました。」

ここまで夢一直線に進んできた持丸選手、勝負のこの一年で支配下登録を勝ち取ってもらいたい。

「まずはもちろん、支配下登録されて2桁の背番号を貰うことです。で、その先でカープの4番、そしてゆくゆくは日本の4番を打ちたいです」。入団1年目にこの目標を語ってくれたのは、持丸選手と同じく育成3年目を迎えた木下元秀選手だ。彼の性格を一言で表すと「とにかく明るい」だ。

"木下元秀"この戦国武将にもいそうな厳格な名前だが、試合と普段とのギャップが凄い。カメラが回るとまたスイッチが入る。写真を撮るときにハマっているポーズは木下選手いわく「ギャルピース」。ギャルが写真を撮るときにするダブルピースらしい。

そんなギャルピース木下の好きな言葉は"ありがとう"だ。選手はよくサインと一緒に座右の銘や目標などを求められたりする。木下選手はなぜ「ありがとう」という言葉にしたのか気になり聞いてみると「漢字が苦手で、言われてパッと書ける言葉が平仮名で"ありがとう"しかないんです」だった。

そんな「ありがとう木下」だか、オフシーズンの自主トレは高校の先輩にあたるオリックスバファローズの吉田正尚選手にお願いをし、一緒に行っている。オリックスを25年ぶりのリーグ優勝に導いた1人でもある吉田選手にバッティングの話を直接聞くことができる時間はとても貴重だろう。

そんな吉田選手に憧れて、支配下になり将来付けたい背番号は同じ34番らしい。そして34番にこだわるのには、実はもうひとつ理由がある。それは母親の名前がみよ(34)だからだそうだ。一番のファンであり、よき理解者である母の名前を背負い活躍してもらいたい。

今年で育成契約ラストイヤーとなる3年目を迎えた、持丸泰輝と木下元秀。2人が共に口を揃えて言うのは、「一番近くに良いライバルがいる」だ。選手としても、人としても魅力的なこの2人を追いながら、今シーズンのカープを楽しんでもらいたい。

文:ゴッホ向井ブルー

ゴッホ向井ブルー

広島県大竹市出身。アメトーーク「広島カープ芸人」出演。1990年2月生まれのカープファンで3連覇を全て現地観戦。広島ホームテレビ「みみよりライブ5up」の月曜レギュラー。同じ月曜レギュラーの北別府さんとゴッホがクイズコーナーで不正解を出し続けた結果、コーナーが別の曜日に移動した。地元のおじいちゃんおばあちゃんからは名前が覚えづらいらしく「カープくん」と呼ばれている。

>>Instagramアカウント
@goghmukaiblue(https://instagram.com/goghmukaiblue/

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