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野球 コラム 2022年1月27日

【広島好き】ポスト鈴木誠也を期待する4選手「週刊カープいいとこどり」

野球好きコラム by 大久保泰伸
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キャンプイン目前となりました。佐々岡真司監督3年目の今季は、3年連続Bクラスからの脱却、さらにその上を目指すシーズンとなります。今季の注目は、やはり鈴木誠也の抜けた打線がどう変わっていくか、ではないでしょうか。

大黒柱中の大黒柱と言えた主砲の不在はかなり大きいと言わざるを得ないところですが、FA制度導入以降のカープの歴史は、選手流出とそれにともなう新戦力台頭の歴史でもあります。

2000年に江藤智が巨人に移籍した際は金本知憲がその後を受け継ぎ、2003年に金本が阪神に移籍した時には新井貴浩が、そして、新井が金本を追って阪神に移籍した2008年には栗原健太が4番の座を任されました。今回の鈴木誠也の場合はMLB移籍で、同一リーグへのFA移籍だったこれまでとは少し違いますが、後を継ぐ選手は誰になるのでしょうか。

昨年の実績や打者としてのスケール感などを考えると、筆頭候補と言えるのが林晃汰でしょうか。林は昨夏の甲子園でも優勝した名門・智弁和歌山高で1年時からクリーンアップの座を任され、高校通算49本塁打をマークした生粋のスラッガータイプの選手です。

入団時から将来の4番候補として期待されていましたが、3年目の昨季、新型コロナウィルスの影響で主力選手が大量離脱した際に一軍昇格して三塁の定位置をつかみ、102試合に出場して10本塁打を放ちました。高卒3年目としては標準以上と言える成績ですが、昨年のブレイクはコロナ禍によるもので、自らの力で勝ち取ったものではないという厳しい声もあり、今季は真価を問われる年になりそうです。

鈴木誠也と同じ右打ちのスラッガーという意味では、正随優弥も候補の1人でしょう。プロ2年目の2020年に代打で初本塁打をマークした正随は、昨季も一軍での本塁打は1本のみでしたが、ウエスタン・リーグではチームトップの11本塁打を記録しています。

マツダスタジアムのすぐ近くにある段原中学校出身の正随は、祖父が元カープの選手で、ドラフト指名時に孫のために直筆の手紙を球団に送ったという逸話があるというほど、地元に所縁のある選手です。

進学した大阪桐蔭高校では、3年夏の甲子園で「4番・一塁手」として全国制覇。亜細亜大学に進学後、2018年ドラフト6位でカープに入団した正随ですが、広島出身で東都大学リーグを経て、6位入団という経歴は新井と同じで、今季こそ一軍定着、さらなるブレイクが期待されています。

昨秋のドラフトで入団したルーキーでは、3位入団の中村健人に期待したいところです。愛知県出身の中村健は、中京大中京高校で3年夏に甲子園に出場。慶應義塾大学では2年時から主力となり、ベストナインに選出された3年春のリーグ戦では当時、明治大学の森下暢仁から本塁打を放つなど、大学通算8本塁打を記録しました。

社会人のトヨタ自動車では栗林良吏とチームメイトで、入社2年目の昨季は4番打者として都市対抗にも出場。パンチ力のある打撃に強肩、守備範囲の広さで外野守備の評価も高く、長野久義タイプの三拍子揃った外野手と言われています。自らの持ち味を「勝負強さ」とし、1年目の目標は「昨年の牧(秀悟/横浜DeNA)選手を超える80打点」と明言しており、1年目から注目の存在になりそうです。

ここまで「ポスト鈴木誠也」として3人の候補を選んでみましたが、もう1人、名前を挙げるとすれば、地元・広陵高校出身で甲子園を沸かせた中村奨成でしょうか。入団以来、3年間ほとんど一軍昇格すらままならない状態で、批判の声が聞かれた時もありましたが、プロ4年目の昨季は39試合に出場し、プロ初を含む2本塁打をマークしました。本職の捕手にこだわらず、内外野にも挑戦する姿勢も見せており、今年こそ地元期待のスター選手候補に、なんとかモノになってもらいたいところです。

上記の4人すべてが沖縄でスタートするキャンプの一軍メンバーに選ばれていますが、「ポスト鈴木誠也」たちの生き残りへのサバイバル戦は、開幕までのみどころのひとつになりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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