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横浜DeNAベイスターズ
10月になりました。そして遅かれ早かれ、いずれはやってくる現実がついに来てしまいました…。優勝争いを繰り広げる上位2チームとの敵地での3連戦、めげることなく、いつもの通り「いいとこ」を探していきましょう。
雨天中止を除いて、試合がない日が5日しかなかった9月を締めくくる3連戦は、6年ぶりのリーグ優勝へひた走るヤクルトが相手。
トミー・ジョン手術から767日ぶりの一軍登板となった東克樹が先発した初戦は、打線がわずか3安打と沈黙して完封負け。東は初回に先発打者の塩見泰隆をチェンジアップで空振り三振に打ち取ると、4回まで被安打1、1四球で許した走者は2人のみと上々の内容。
しかし、5回に1死からサンタナに四球を与え、連打で2死満塁となったところで青木宣親にレフトスタンドぎりぎりに入る痛恨のグランドスラムを浴びた。1球に泣く結果となったが、4回2/3を投げて6奪三振の投球は、次回登板が期待できる投球だった。
東の後を継いだ伊勢大夢、ピープルズ、平田慎吾が無失点に抑えたが、打線の援護がなかった。打線は牧秀悟が、気がつけば新人王争いのライバルとなっていた奥川恭伸から安打を放ったのが目立ったのみ。失策も含めて出塁したのが4人だけでは勝ち目がなかった。
前夜とは一転、序盤から得点を重ねた第2戦は、宮崎敏郎が通算100号のメモリアル弾からの2打席連続本塁打で4打点。佐野恵太が2安打1打点、オースティンが逆方向への28号ソロ本塁打、牧が先制点となる犠牲フライを放った。桑原将志はマルチ安打で2得点を記録した。
投手陣は、先発した大貫晋一が4回まで無失点と好投したが、5回に集中打を浴びて4失点で勝利投手の権利目前で降板。6回から登板して2イニングを無失点に抑えた三嶋一輝が勝利投手となり、8回を抑えたエスコバーにホールド、9回1死から登板した平田が今季初セーブをマークした。
シーソーゲームの末、1点差で逃げ切った第3戦は、牧が2打席連続となる20、21号本塁打で新人王へ猛アピール。その他の打席でも2四球を選び、同点の7回には1死1・3塁の場面でセカンドゴロも併殺を防ぐ激走で勝ち越しと思われたが、リクエストで判定が覆った。
9回に勝ち越しの二塁打を放った宮崎が3安打2打点の活躍。途中出場で守備から9回に打席に立った知野直人が、結果的に決勝点となる貴重なタイムリー三塁打を放った。佐野がタイムリーで1打点、柴田竜拓、戸柱恭孝がマルチ安打を記録した。
投手陣は先発した宮國椋丞が6回4失点。1イニングを無失点の伊勢がホールド、エスコバーが勝ち星をマークし、9回に1死も取れずに降板した山崎康晃に代わって登板した三嶋が9月14日以来となるセーブを記録した。
首位相手に勝ち越し、勢い勇んで臨んだ巨人との3連戦は、厳しい現実を突きつけられる結果となった。初戦でロースコアの接戦を落とし、優勝の可能性が完全消滅した。
先発のロメロが粘りの投球を見せたが、リードを守れず6回2失点で勝ち負けなしに終わった。砂田が勝ち越しを許した後、平田が1イニングを無失点に抑えたが、打線が巨人のリリーフ陣に封じられた。ソトが先制点となるタイムリー二塁打、佐野が14号本塁打を含む2安打1打点。牧も1安打を放ったが、7回の勝ち越しのチャンスでは併殺打に倒れた。
連夜の1点差負けで2年ぶりとなる巨人戦負け越しが決定した第2戦は、スタメンマスクの戸柱が3安打1打点、守っては盗塁阻止など攻守に活躍。佐野が一時は同点となる2点タイムリー、1番でスタメンの楠本泰史、宮崎、柴田が二塁打を放ち、リリーフ登板から打席に入った櫻井周斗も安打を記録するなど、相手を上回る10安打を記録したが、残塁も多かった。投手陣は3番手以降の三上朋也、ピープルズ、平田が無失点に抑えたが、打線が5回以降、得点を奪えなかった。
第3戦は6連敗こそ免れたが、終盤のリードをリリーフ陣が守れず引き分け。先発した今永昇太が2本のソロ本塁打を打たれたが、7回を投げて被安打3、13奪三振の快投で勝ち投手の権利を得てマウンドを降りた。8回はエスコバーが無失点に抑えたが、9回に暫定守護神の伊勢が2死から痛打を浴びて1点を守れなかった。打撃陣は、佐野が先制打、宮崎が追加点となるソロ本塁打で1打点ずつ。ソトがマルチ安打を記録した。
125試合目の優勝消滅は12球団最速。開幕直後の惨状を考えると、頑張った方だとも思いたいが、やはりこの現実は悔しいもの。そう遠くはない日に、次に来るのは“クライマックスシリーズ進出の可能性消滅”だろう。
そうなるとあとは個人記録、現状だと牧の新人王と桑原の首位打者ぐらいか。楽しみはどんどん減っていくが、これまでもただ、ずっと前だけを見て来た。残りは16試合。ベイスターズは、それでも歩いていく。
◆先週のベイスターズ
28日(火)● 0-4 ヤクルト
29日(水)◯ 7-5 ヤクルト
30日(木)◯ 7-6 ヤクルト
1日(金)● 2-3 巨人
2日(土)● 4-5 巨人
3日(日)△ 3-3 巨人
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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