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野球 コラム 2021年8月31日

【横浜好き】上位陣との対戦で踏ん張った8月「週刊ベイスターズいいとこどり」8月24日~29日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

Aクラス vs. Bクラスの様相となった先週のセ・リーグ。先週も東京ドームでの開催、今度はヤクルト主催という3連戦もありましたが、ひとつでも上の順位を目指す戦いが続く中、今回も『いいとこ』を探していきましょう。

前週と同じカードとなった首位阪神との3連戦。初戦は2番・センターでスタメン出場した神里和毅が、完封負けを阻止する2点タイムリーを含む2安打と四球で、4打席中3打席に出塁。

ソトも2安打を記録するなど、9安打を放ったが、連打がなく相手先発の青柳晃洋に連敗を喫した。先発した濱口遥大は5回途中6失点で前回登板の雪辱はならず、櫻井周斗、平田慎吾のリリーフ陣も手痛い一発を浴びる中、伊勢大夢のみ、1イニングを2奪三振、三者凡退で無失点に抑えた。

初戦に続いて、1週間前と同じ先発投手のマッチアップとなった第2戦は、大貫晋一が6回2失点の好投し、7回途中1失点でも勝てなかった前回のリベンジを果たした。大貫は2回の2死満塁の盤面で先制の2点タイムリーも放った。

13安打10得点と爆発した打線では、牧秀悟がルーキーでは史上初となる快挙を達成。1打席目に2塁打を放つと、2打席目は試合の流れを決定づける3ラン本塁打。3打席目もタイムリー安打でこの日5打点目を記録し、先頭打者として登場した9回にはライト線に落ちる3塁打でサイクル安打を達成した。

他にも伊藤光が2安打2打点、2番・ライトでスタメン出場した蝦名達夫が2安打1打点、宮崎敏郎は2安打と四球で出塁し、3度ともホームに生還した。投手陣は大貫の後を継いだシャッケルフォード、エスコバー、伊勢が1イニングずつをいずれも2奪三振で無失点に抑えた。

阪神の先発が前週の藤浪晋太郎からガンケルに変わった第3戦は、今季の阪神戦で3勝0敗だった坂本裕哉が、4回5失点と試合を作れず、カード勝ち越しを逃した。

9安打も3得点に終わった打線では、オースティンがバックスクリーンに飛び込む、22号ソロ本塁打を含む2安打。宮崎が相手失策で得点につながった安打を含む2安打、途中出場の倉本寿彦が最終回にタイムリー安打を放った。投手陣は2番手で登板した桜井周斗が2イニングを無失点と、失点を重ねるリリーフ陣でただ1人、存在感を示した。

前週に阪神、巨人を相手に勝ち越した東京ドームで、今度は3位ヤクルトと対戦。初戦は京山将弥、ヤクルト・奥川恭伸の両先発が好投し、6回終了まで、0-0と見応えのある投手戦になった。

7回2死から宮崎が左中間スタンドに飛び込む一発で均衡を破ると、ソト、牧も続き、3者連続本塁打で奥川をKOした。京山は7回を投げて被安打2、7奪三振、無四球とほぼ完璧な内容で今季2勝目をマーク。8回からは山崎康晃、三嶋一輝の必勝リレーで完封勝利となった。

第2戦は、先発したロメロが初回に村上宗隆に2ランを打たれて先制を許したが、宮崎、佐野恵太の一発で追い付き、引き分けに持ち込んだ。2回以降、立ち直ったロメロは6回2失点。終盤は山崎、エスコバー、三嶋が無失点に抑えた。打線は4安打と振るわなかったが、最終回にオースティンが守備でイチローばりのレーザービーム送球を披露し、三嶋を助けた。

3連戦と週間の勝ち越しがかかった第3戦は、打線が2回を除く全ての回で安打を記録しながら、得点は最終回に出た桑原将志の2ラン本塁打のみという拙攻で完敗。

先発した今永昇太は6回1失点と好投したが、打線の援護がゼロ。2番手のシャッケルフォードが4失点で試合を壊した。打線はオースティンが3安打猛打賞を記録したが、いずれも走者なしでの打席で、8回まで再三、得点圏に走者を進めたが、連打が出なかった。

8月は1試合を残して5勝6敗2分と、6月以来となる月間勝ち越しはならなかった。それでも全てAクラスの3チーム(巨人、ヤクルト、阪神)との対戦で、ホームゲームは慣れない球場ということを考えれば、なんとか踏ん張った期間だった、と言いたい。

横浜スタジアムにようやく戻れる9月、同球場での試合は8連戦を含めて14試合もある。五輪のジプシー期間のほとんどを涼しいドーム球場で過ごしたことで、例年のような夏バテ(特に投手陣)もないはず。育成から再起を目指す宮國椋丞の支配下登録も決まった。

順位は相変わらずの最下位だが、それがどうした。期待しないってことは、夢を捨てたということじゃない。それでもまだ何かが待っている9月であることを信じよう。

◆先週のベイスターズ24日(火)● 2-8 阪神
25日(水)◯10-2 阪神
26日(木)● 3-9 阪神
27日(金)◯ 4-0 ヤクルト
28日(土)△ 2-2 ヤクルト
29日(日)● 2-5 ヤクルト

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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