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横浜DeNAベイスターズ
1週間で東京ドーム6連戦。通常ではあり得ない日程に、相手は阪神、巨人の上位2チームという、ある意味、試練の週だった先週のベイスターズ。さていかなる結果となったのか…。巨人には少し前では想像もつかなかったあの選手がいたり、とにかくいろんなことがあった、8月17日から22日の『いいとこ』を探していきましょう。
まずはホームゲームとして行われた阪神との3連戦。初戦は2番・ショートでスタメン起用された森敬斗が3安打猛打賞の活躍。先頭打者として二塁打を放った4回には、佐野恵太のタイムリーで俊足を飛ばして二塁から一気に生還した。オースティンが2安打と2四球で、5打席中4打席に出塁した。
投手陣は、6月25日以来の先発となった濱口遥大が5回2死まで3失点。一度は勝利投手の権利も得たが、6四球で120球と球数を費やし、3失点は2打席連続弾など、全打点がルーキー佐藤輝明によるもので、自身6敗目を喫した。小刻みな継投を見せたリリーフ陣は、伊勢大夢、櫻井周斗など5投手が無失点に抑えたが、8回に登板した山崎康晃の3失点で勝敗が決まった。
リリーフ陣が終盤のリードを守れず連敗となった第2戦は、佐野恵太がタイムリー、オースティンはバックスリーンへの一発とクリーンアップが活躍。オースティンは守備でもフェンス際の大飛球を背走してキャッチする好プレーを見せた。1番の桑原将志も2安打を放ったが、チームの安打数は4本と5番以降の打線が機能しなかった。
投手陣は先発した大貫晋一が粘りの投球で7回2死まで1失点の好投。大貫が残した2死満塁のピンチは砂田毅樹が連日のワンポイント成功で切り抜けたが、エスコバー、櫻井が失点してリードを守れなかった。
接戦を制して同一カード3連敗を阻止した第3戦は、先発の坂本裕哉が6回2失点の好投で4勝目。リリーフ陣では、1点差の8回に2奪三振で三者凡退と前回登板のリベンジを果たした山崎の熱投が光った。
打線は佐野が序盤と終盤に2本のタイムリーと4番の仕事。森も先制打を含む2安打をマークした。決勝点となる2点タイムリーを放った柴田竜拓がお立ち台に上がり、スタメンマスクを被った山本祐大が2安打と下位打線も活躍した。桑原と守備固めで出場した楠本泰史の外野陣の好守も勝因となった。
通常通り、ビジターチームの立場で臨んだ巨人との3連戦は、初戦から投打が噛み合う好ゲーム。投げては先発した京山将弥が5回1失点で今季初勝利。リリーフ陣はシャッケルフォード、砂田、山崎、平田慎吾が1イニングずつを無失点に抑えた。
打撃陣は、外野守備で京山を救ったオースティンがタイムリーと本塁打で2打点。佐野は9回にダメ押し点となる2点タイムリーを放った。森もプロ初の三塁打で打点を記録するなど、9安打6得点と効率のいい攻めで、復帰初登板で白星を献上した山口俊へのリベンジに成功した。
巨人に電撃移籍した中田翔が即一軍登録された第2戦は、オースティンがスタメンを外れたが、ラッキーセブンの猛攻で3連勝を決めた。前半は内野守備で好守を見せ、後半は勝ち越しの犠牲フライとダメ押しの本塁打を放った柴田がヒーローに。
途中出場の牧秀悟が試合を決定づける3ラン本塁打など2安打、ソトが7月10日以来となる本塁打を放ち、佐野もタイムリーで打点を記録した。投手陣は先発のロメロが来日初勝利は逃したが、6回途中1失点の好投。リリーフでは打者2人を3球で料理した平田が今季2勝目をマークした。
敵地で3タテを狙った第3戦は中盤でリードを奪うも、中田に移籍後初本塁打を許すなど、先発の今永昇太が打たれて悔しい引き分けとなった。この日もオースティンを欠いた打撃陣だが、桑原が2安打1打点、宮崎敏郎が2安打、さらに今永も2安打でマルチヒットを記録した。4試合ぶりスタメンの牧がタイムリーを放ち、ソトも2試合連続となる一発で打点をマーク。同点の8、9回は山崎、三嶋一輝が三者凡退で引き分けに持ち込んだ。
おそらく史上初、そして今後もありそうもないユニフォームを変えての東京ドーム6連戦は、2連敗のあと3連勝、最後は引き分けという結果に終わった。上位2チームに勝ち越し、順位はひとつ上がって5位になった。
通常なら蒸し暑いスタジアムで戦うこの時期、ドームでの試合は、特に投手にとってはいい環境なのかもしれない。冷房の効いた快適な環境の「大きな卵」でのホームゲームは残り3試合。勝負どころの9月、10月に向けて余力を残しつつ、このままいい形で前に進もう。
◆先週のベイスターズ
17日(火)● 2-6 阪神
18日(水)● 2-5 阪神
19日(木)◯ 5-4 阪神
20日(金)◯ 6-1 巨人
21日(土)◯ 7-2 巨人
22日(日)△ 4-4 巨人
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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