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野球 コラム 2021年7月15日

大谷翔平、二刀流を断念したMLBのスター選手たちに絶賛される

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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先発で1回をパーフェクト

大谷翔平による史上初のオールスターゲームでのリアル二刀流出場を経て、アメリカのスポーツ誌『スポーツ・イラストレーテッド』が電子版に、歴史的快挙を達成した二刀流スターに関する特集コラムを掲載した。

現地13日付で掲載された記事では、大谷を「ベースボールの歴史上、最も完成された選手」と評し、その冒頭で、「ニック・カステヤノス(レッズ)は12歳、ネイサン・イオバルディ(レッドソックス)は14歳、ブランドン・ウッドルフ(ブルワーズ)は19歳で断念した」と前置きした。

その上で、「今年のMLBオールスター出場選手の大半には、1つの共通点がある。子供の頃、彼らは二刀流選手だったのである。そして、その中の1人を除く全員にも共通点がある。彼らはどこかの時点で、それを諦めたのである」とした。

そして、「この火曜にその例外の1人は、史上初めてオールスターゲームで、投手と指名打者として先発出場を果たした」と、大谷が今季のオールスターでやってのけたことの偉大さを表現した。

その後、記事では、ナショナル・リーグの先発投手として、今年のオールスターゲームに先発したマックス・シャーザー(ナショナルズ)の「彼がフィールドにいるときは、いつだって必見なんだ」とのコメントを引用し、選手仲間による大谷評を端的に伝えた。

冒頭でかつて二刀流を諦めた選手として紹介され、実際、高校1年生で打者としての道に見切りをつけたというイオバルディは、「(大谷の二刀流には)舌を巻くね。僕もできたら良かったなとは思うよ。僕には、先発登板した後の感じであれば分かる。ただ、どうやったら彼がその翌日にDHで出場できるのかは分からない」。

「それに全てのルーティンもそうだよね。僕はブルペンやその他の練習などがあるので、かなり練習しなければならないと感じているけれど、打者の打撃練習は見ているだけだから。僕には、彼がその両方をこなす時間をどう捻出し、その両方でなぜあれだけ素晴らしいのかが理解できない」と、大谷の二刀流が理解の範疇を越えているとコメント。

同様にブルージェイズの遊撃手マーカス・セミエンも「彼がいつ休んでリラックスしているのか分からないね」と口を揃えている。

一方、大谷のチームメイトであり、かつて二刀流選手として2019年に5イニング投球しながらも、現在は野手に転向したジャレッド・ウォルシュは、経験者として「ピッチングは時として、少し苦痛を伴うんだ。チームがそれを必要としないのであれば、僕は自分の身体をそれに使いたくはないね」とコメント。

また、ドジャースの先発投手で、18歳の時に二刀流を諦めたウォーカー・ビューラーは、二刀流の難しさについて、「(大学では)バットに触らせてくれさえしなかった。僕は(メジャーで二刀流を)トライしなくて済んで良かったと思っているよ。今では、僕はたまにヒットを1本打てれば、それで良い心持ちになれるからね」と述べている。

10代前半の早い段階で二刀流を諦めたカステヤノスは、野手としての目線で、「僕にはできないし、分からないし、このレベルで彼がそれをやる上で、どうやってケガをしないために必要なことの全てをやり遂げ、どのように精神的に準備をするのか、皆目見当もつかない」としつつ、「彼が歴史を作っていることには敬意以外ないよね」と、大谷に賛辞を贈っている。

一方、高校時代はクローザーとしてもプレーした経験を持ちつつ、二刀流としてキャリアを築こうとは全く考えなかったというフィリーズの捕手J.T・リアルムトは、もし今、自分がティーンエイジャーだったら別の考え方を持ったかもしれないとして、次のように述べた。

「彼がやっていることは、(人々に)インスピレーションを与えていると思う。もし、今ここに12歳の子供で、(投打の)両方にかなり秀でている子がいたとしたら、彼はショウヘイを見て、“わあ、これって可能なんなんだ。僕も両方やろうかな。僕が次の二刀流スターになろうかな”って言えるんだよ」。

ベーブ・ルースが二刀流選手として活躍した時代から、現地で“ベーブ以上”と評されるまでの活躍を見せている大谷の出現まで100年以上の時を要したわけだが、あるいは大谷の登場により、“次のショウヘイ・オオタニ”が出現するまでに要する年数はぐっと減るかもしれない。

もしそうなったら、大谷翔平が現在進行形で積み上げている功績は、そう遠くない将来、さらに讃えられることになるだろう。

J SPORTS編集部

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