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野球 コラム 2021年6月10日

【横浜好き】鬼門の交流戦、2週目も勝ち越し。「週刊ベイスターズいいとこどり」6月1日~6日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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左から桑原、宮崎、牧

ソフトバンク、ロッテとパ・リーグのAクラスチーム相手に勝ち越し、4カードが終わって負け越しなしで、中日と並び交流戦首位。リーグ戦の順位でも、5位・広島の背中が近づいてきた。何かが変わってきた6月。いいところ満載だった先週のベイスターズを振り返っていきましょう。

通算成績が17勝40敗2分、8年連続負け越しと最も苦手としているソフトバンクとの3連戦は、いずれもロースコアで1点を争う好ゲームとなった。

終盤に試合をひっくり返した初戦のヒーローは牧秀悟。先制タイムリーから決勝の2点二塁打まで、4打席全てで安打を放って3打点の活躍だった。宮崎敏郎が反撃の口火を切るタイムリー二塁打。オースティンは来日初盗塁をマークした。

投手陣は2番手以降の4投手が無安打無失点リレー。平田慎吾が1イニング、国吉祐樹が2イニング、8回を抑えた三上朋也が勝利投手となり、最後は守護神・三嶋一輝が締めた。

息詰まる投手戦となった第2戦は、先発した中川虎大が6回まで併殺崩れの間の1失点のみの好投。7回からはエスコバー山崎康晃、三嶋のリレーで無失点に抑えた。

野手では桑原将志が先制点につながる二塁打を含む2安打に、守備でも左中間への当たりをダイビングキャッチするなど、再三の好守でピッチャーを助けた。オースティンがこの日唯一の得点となるタイムリー安打を放ち、ソトはマルチ安打を記録した。

9年ぶりのソフトバンク戦勝ち越しを決めた3戦目は、オースティンが来日初登板のレイから初回に先制の3ラン本塁打。先発野手全員安打を記録したが、試合を決めたのは同点に追いつかれた直後の7回、二塁打で出たソトをレフトフェンス直撃のタイムリーで返した大和の一打だった。守備ではこの日も桑原のファインプレーが勝ちにつながった。

投手陣は、先発した坂本裕哉が粘りの投球で6回無失点。同点弾を浴びるも、打線の援護でエスコバーが今季2勝目、勝ち越し後は山崎、三嶋がホークスの反撃を許さなかった。

通算対戦成績25勝33敗1分から、派手な打ち合いに最後は接戦を制してカード勝ち越しを決めたロッテとの3連戦は、初戦から両チーム合わせて31安打の乱打戦となった。

14安打7得点の打線では、大和が2本のタイムリーを含む3安打4打点の活躍。桑原がレフトスタンド中段に3ラン本塁打を放ち、オースティン、宮崎、ソトがマルチ安打。宮本秀明は代打で今季2安打目を記録した。

17安打で11失点の投手陣では5回1死2、3塁の場面で登板し、内野ゴロの間の1点のみに抑えた砂田毅樹が、登板した6投手の中で唯一、自責点ゼロに抑えた。

連日の打撃戦となった第2戦は、またも先発全員安打を記録。先制のタイムリー二塁打と追加点となる適時打で2安打2打点の佐野恵太を筆頭に、桑原が3安打猛打賞、オースティンとソトがアベック本塁打、代打で登場した楠本泰史が今季1号となる2ラン本塁打。伊藤光、宮崎、大和も打点をマークした。

投手陣は先発した濱口遥大が5回2失点で3勝目。リリーフが失点を重ねる中、砂田はこの日も1イニングを無失点、最後は三嶋が猛追するロッテ打線を抑えて10セーブ目を挙げた。

今季初のサヨナラ勝ちとなった第3戦、ヒーローは大和。9回2死2塁の場面でレフトフェンス直撃のサヨナラ二塁打でカード勝ち越しを決めた。オースティンが2試合連続となる一発、牧は10号到達となるソロ本塁打を放った。宮崎は犠牲フライで打点1をマークした。

投手陣は、今永昇太が今季初勝利は逃したが、6回1失点の好投。エスコバーが1イニングを3人で片付けてホールド、最終回を無失点で抑えた三嶋が今季初勝利を記録した。

パ・リーグ上位4チームとの交流戦4カードを終了した時点で負け越しなし。ソフトバンク、ロッテに勝ち越し、涌井秀章、田中将大、早川隆久の“週末黄金ローテ”の楽天とも五分で終えた。

開始前に「鬼門の交流戦で巻き返し」とは言ったものの、正直に言えばこの状況は予期できないことだった。苦難の連続だったリーグ戦と比べると、世界が変わっちゃった感もある。

今季はオリンピック(本当にやるのかどうかわかりませんが)のため、ロッテとの3連戦を最後に、しばらく横浜スタジアムでの試合はなくなる。8月31日にここに戻ってきた時、さらに違う世界を見ることができているのか、今は楽しみの方が大きい。

◆先週のベイスターズ

・1日(火)◯ 4-3 福岡ソフトバンク
・2日(水)△ 1-1 福岡ソフトバンク
・3日(木)◯ 4-3 福岡ソフトバンク
・4日(金)● 7-11 千葉ロッテ
・5日(土)◯11-9 千葉ロッテ
・6日(日)◯ 4-3 千葉ロッテ

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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