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野球 コラム 2021年4月21日

【横浜好き】1週間勝ち星なしでも…。「週刊ベイスターズいいとこどり」4月13~18日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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ヤクルト戦で一発を放った宮崎(中)、牧(右)

ついに1週間、勝ち星なしという事態になってしまったが、勝っても負けても活躍した選手を紹介する『週刊ベイスターズいいとこどり』(仮)は今週も続きます。

雨が降りしきる中、極寒のナイトゲームあり、春の日差しが眩しい週末のデーゲームありの6連戦では、様々なことがあった。


神宮でのヤクルトとの3連戦。初戦にソトオースティンの両外国人がいよいよ一軍登録。スタメン出場は見送られたが、8回に代打で登場したオースティンが今季初打席でセンター前へライナー性の当たりで今季初ヒットを放った。

スタメン出場の選手では、宮崎敏郎が今季2号となる本塁打を含む2安打と、ひとり気を吐いた。投手では、7回に3番手で登板した櫻井周斗が、今季初の一軍マウンドで1イニングを無失点に抑えた。

雨で中断もあった第2戦では今週もこの人、ルーキーの牧秀悟が先制点となる2点タイムリー二塁打と、右方向へのソロ本塁打で3打点の活躍。投手陣では3番手の伊勢大夢と、5番手に登板した連投の櫻井が1イニングを抑えた。

投手戦となった3戦目はオースティンが3番、ソトが5番で今季初めてスタメン出場していずれも1安打。ソトは5打席目で今季初安打となった。その他の野手では、柴田竜拓が、この日唯一の得点となったタイムリー内野安打を含む2安打。佐野恵太、宮崎もマルチ安打を記録した。

投手では先発した濱口遥大が、初回に2本の本塁打を打たれたが、以後は立ち直り、2回以降は打たれた安打は1本のみで、6回まで10奪三振の熱投。後を継いだ平田慎吾山崎康晃もヤクルトに追加点を許さなかった。

地元に2位の巨人を迎えた初戦は、2年目左腕の坂本裕哉が今季初先発。菅野智之との投げ合いとなり、5回を投げて10安打を浴びたが、失点は3にとどめた。野手では、宮崎が2試合連続となるマルチヒットと孤軍奮闘の働きを見せた。

2戦目は、初回に牧がリーグ2位タイとなる6号本塁打。牧は2塁守備でも1・2塁間の当たりをうまく処理して併殺を完成させるなど、本来のポジションで好守も披露した。

7回には代打で登場した戸柱恭孝が今季初本塁打を放った。投手では、ヤクルトから移籍した風張蓮が8回から今季初の一軍マウンドに上がり、2イニングを被安打1のみの無失点に抑えた。

負ければこの週全敗が決まる第3戦では、両外国人が敗戦の危機を救った。2点ビハインドの7回には、ソトが外角の変化球を泳ぎながらレフトスタンドへ待望の今季1号本塁打。8回にはオースティンが三塁線へタイムリー内野安打を放ち、試合を振り出しに戻した。

投手陣は、先発した阪口皓亮が5回1失点と好投し、今季は登板3試合で防御率1.80と安定の投球。リリーフ陣では8回を山崎、9回は三嶋一輝が走者を1人も許さないパーフェクトピッチングで巨人に勝ち越しを許さなかった。

4月8日以来、勝ち星から遠ざかっているが、9連敗を阻止した18日の巨人戦では、特に終盤に選手の意地のようなものも感じられた。外国人が揃ったのに勝てない、というのが世の中の論調になっているようだが、実はそうではない。

低迷が続いた4月、もっとも痛かったのが、ブルペンの番人・エスコバーの不在だった。さらに今季、数少ない補強と言えたロメロは、最速161キロのストレートと高速シンカーが武器の先発右腕。2年目のピープルズと外国人枠争いが期待される。

そして秘密兵器中の秘密兵器と言えるのが、育成契約で獲得したシャッケルフォード。2018年にトミー・ジョン手術を受けて最近2年間は実戦登板がないが、2017年はMLBレッズで26試合に登板しており、支配下登録前提で早期一軍昇格も期待されている。

外国人選手が入り、本当の意味でのベストメンバーが揃うのは、これからまだ先。借金12は確かに大きな出遅れと言うしかないが、今年は昨年と違って(今のところ)クライマックスシリーズもある。諦めなければ、エンジンは動く。残り試合はまだ120試合以上もある。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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