【広島好き】ザ・ギース尾関の「元カープ・伊藤博之さんの極上鉄板焼き屋『空島』」

1982年入団の伊藤博之さん

埼玉県は草加市。ここに本場広島のお好み焼きを堪能できる、カープOBのお店がある。その名も「空島」。元カープ伊藤博之さんが10年前に構えた、本場広島の料理が味わえる鉄板焼き屋だ。

伊藤さんがカープに入団したのは1982年。三次工業高校（現・三次青陵高校）でピッチャーをしていた伊藤さんは、新人テストで上位の成績を残し、ドラフト外入団となった。同期のドラフト1位は、PL学園の西田真二さん。ドラフト外入団では現コーチの植田幸弘さんもいた。

当時の2軍は、とても厳しかったと伊藤さんは振り返る。入寮した三篠寮では洗濯係として山のような洗濯を任された。厳しい練習から帰ってきて、街へ出かけようとしても高橋慶彦さんに見つかると「練習に付き合ってくれ」と夜遅くまで慶彦さんの特訓に付き合ったことも多かったそうだ。

津田恒美さんの野球に取り組む執念にも驚かされた。時間さえあれば寮の周りをランニングしていたという津田さん。「グラウンドには銭が埋まっとるんよ。走りゃ走るだけ銭がついてくるんよ」という津田さんの言葉が伊藤さんは今でも忘れられない。

しかし、カープが優勝した1984年。それも優勝した次の日に伊藤さんは自由契約を告げられる。第二の人生として伊藤さんが選んだのはなんとゴルファー。運動神経抜群だった伊藤さんは研修生として広島のゴルフ場で働き始める。

だが、バブルが崩壊したことでゴルフ場もなくなり、縁があった広島の鉄板焼き屋で修行することになった。そして10年前、埼玉でこの空島をオープンさせたのだ。

この店のオススメは、やはり伊藤さんこだわりのお好み焼き。関東に来る際、麺の細かな太さや味付けなど研究し、関東の人にも美味しく食べてもらえるような改良も加えた。

空島スペシャル

こちらの空島スペシャルは、ぜひ食べて頂きたい一品。麺は専用に取り寄せた伊藤さんこだわりの生麺。蒸し麺とは違う食感と香りだ。よく蒸されたキャベツ、豚肉と麺がソースと絡まり、口の中が広島へと旅立つ。毎日食べても飽きない極上のお好み焼きである。

常にカープ戦が見れる店にはカープファンはもちろん、カープOBのあの左腕・高木宣宏さんもよく訪れるという。運が良ければあのハンサムフェイスを拝めるかもしれない。店内にある達川さんのソフトバンク時代のユニフォーム、堂林さんのバットも必見だ

独協大学野球部が近くにあるということで、現在は野球部員もよく訪れる。今年はこの店によく来ていた並木秀尊選手がヤクルトに入団したのだと、伊藤さんは嬉しそうに教えてくれた。

草加にある空島

来年には近くへ店を移転する予定もある空島。広島の味をガッツリと食べたくなった方はぜひ、こちらのお店へ。

文：ザ・ギース尾関高文