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野球 コラム 2020年6月19日

【楽天好き】期待高まる今季のイーグルス

野球好きコラム by 松山 ようこ
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練習試合は練習試合。それでも、6月の楽天の戦いぶりに「いけるんじゃないか」と期待が高まったファンは多いのではないか。

6月19日に開幕が決定し、準じて設定された6月の練習試合で、楽天は11試合を消化して6勝3敗2分で12球団2位タイ(1位西武、同率2位日本ハム)。勝敗は関係ないとはいえ、強さを感じさせる内容で選手たちの状態の良さが伺えたからだ。

楽天は12球団で、3月30日にどこよりも早く活動休止し、5月8日にどこよりも遅く自主練習を再開。その間、球団施設も閉鎖していたため、選手たちは自宅や公園でトレーニングに励んだという。

選手たちの状態やリスタートの出遅れが懸念されるなか、チームは紅白戦もすることなく練習試合に突入。投打で数字を出しながら、数字に出ない細かな連携プレーが光った。

締めくくりも幸先がいい。最終戦となった14日のヤクルト戦では、一番のカギでもある先発に転向した昨季のセーブ王・松井裕樹(写真)が5回4安打2失点と好投した。

打線は主力の銀次や新加入のロメロがタイムリー、そして飛躍が待たれる右の強打者・内田靖人がホームランを放って快勝するなど、活躍すべき選手が内容を示した。

コロナ禍の特殊な環境下でも、ちょっとばかり不利を強いられても、このチームは跳ね返してくれそうな予感がする。

開幕一軍メンバーも決まったが、三木監督は開幕前から「戦力は全員」と一貫して語っている。例年より過密で6連戦がしばらく続く特別スケジュール。ペナントレースのカギとなる、選手のやりくり、采配に早くも注目が集まっている。

◆開幕投手は球団最多タイ6回目の則本、守護神は森原

開幕投手はエース・則本昂大。これで岩隈久志と並んで、球団史上最多タイの6回目という。

春季キャンプでも、則本は新加入のベテラン涌井秀章と野球談義をしたり(写真)、トレーニングをしていたり(仲良さそうにきゃっきゃとはしゃいでいたり)、いい表情をしていたのが思い出される。両者ともに昨季の悔しさを晴らす活躍を誓う。

守護神は名乗りをあげていた森原康平が勝ち取った。打者との駆け引きにも長け、昨季は64試合を投げて、29ホールド、投球回数以上の65奪三振と大活躍。

結果をともなった自信も備わり、さらなる進化が見られそうだ。ブセニッツ、シャギワに宋家豪も、同時に使える新ルールで後ろは安心感が漂う。

ともあれ、経験のないイレギュラーなシーズン開幕。選手の状態と疲労のゲージはいつも以上に慎重に見極めなければならない。臨機応変に投手を起用することも伊藤投手コーチは公言している。

先発も中継ぎもできる牧田和久や酒居知史をどう起用するのか、練習試合で見せたように「第二先発」も積極的につかっていくのか。

同じように序盤を封じる専門の「オープナー」など、先発投手が長く投げない新戦術はメジャーリーグでも多用され、日本ハムの栗山監督も似たスタイルを取り入れている。コロナ禍で投手陣にも「働き方改革」が起きるかもしれない。

◆島内節炸裂の安心感、ルーキー小深田(写真)とイケメン津留崎にも注目!

この特別スケジュールでは、三木監督の言う「バッテリー中心に守って勝つ」が真価を発揮するのだろう。一方で援護する野手は、粘り強く、時に豪快に得点を奪いたい。

今季も主軸に浅村栄斗、茂木栄五郎、ブラッシュがいて、さらには鈴木大地、ロメロも加わった。打線のつながり、重厚感ともに期待が高まる。また、粘りだけでなく、パンチのあるバッティングもみせる島内宏明も好調そうだ。

14日の練習試合では、島内もタイムリー含めた2安打と活躍。そのタイムリーのコメントが、いつもどおり謎の(?)島内節全開だったのもホッとさせる。

「打ったのはチェンジアップ。内田にバッティングの極意を教えてもらいました。“靖人打法”です」。ホントかどうかは関係ない。

3月のオープン戦でタイムリーを放った時は、「練習前にロメロにバッティングを教えてもらいました。“ロメロ打法”ですね。内容は企業秘密です」。

言葉通りに捉えれば七変化バッターだが、島内はバットが折れるなどして、新しく同じバットを手にしただけでも瞬間で「やりにくい…」と感じるほどの繊細なタイプだそう(本人談)。

だから、きっと“誰打法”だろうと、結果的にワールド炸裂のコメントが出る時は、うまく身体が反応するいい状態なのだと思われる(たぶん…)。

楽しみなルーキーは、ドラフト1位の小深田大翔と同3位の「久米島のヒーロー」津留崎大成が開幕一軍の切符を手にした。小深田は、俊足に鮮やかな守備と献身的なチームバッティングで、大阪ガスを優勝に導いた。

鍛え抜かれた上半身がなせる小さなテイクバックで、力強い球を投じる津留崎にも注目。端正な顔立ちと奢らないナイスガイぶりで、またたく間にファンが増えている。

文/写真:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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