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野球 コラム 2019年11月18日

【ハイライト動画あり】侍ジャパン、10年ぶりの世界一。次に目指すは東京五輪の金メダル。WBSCプレミア12

野球好きコラム by 大島 和人
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前日に続くリターンマッチだが、試合の重みは全く違う。11月17日(日)のWBSCプレミア12決勝は日本と韓国のライバル対決となった。

侍ジャパンの先発はセ・リーグの最多勝右腕・山口俊。韓国は2019年のKBOで16勝8敗、防御率2.29と好投している左腕ヤン・ヒョンジョンが満を持して登板した。

◆試合結果
韓国|3 0 0 0 0 0 0 0 0|3
日本|1 3 0 0 0 0 1 0 X|5

◆侍ジャパンスタメン
1番(一)山田哲人(ヤクルト)
2番(遊)坂本勇人(巨人)
3番(中)丸 佳浩(巨人)
4番(右)鈴木誠也(広島)
5番(指)浅村栄斗(楽天)
6番(三)外崎修汰(西武)
7番(左)近藤健介(日本ハム)
8番(捕)會澤 翼(広島)
9番(二)菊池涼介(広島)
  (投)山口 俊(巨人)

最高の雰囲気に包まれていた東京ドームだが、1回表の守備は日本にとって最悪に近いものだった。

先発・山口俊は韓国の先頭打者を塁に出すと、2番キム・ハソンにレフトへ2ラン本塁打を打ち込まれる。さらに二死無走者から5番・キム・ヒョンスに右中間へソロ本塁打を許し、侍ジャパンはいきなり3点のビハインドを背負った。

山口俊は初回で降板。ただし侍ジャパンは高橋礼、田口麗斗、中川皓太と若手が短いイニングを無失点でつなぎ、試合の流れを引き戻す投球を見せた。

韓国の先発ヤン・ヒョンジョンは常時で140キロ台中盤を計測する速球を持ち、130キロ前後のチェンジアップが素晴らしい好投手だった。しかし、日本打線は「KBO最強左腕」をしっかり攻略する。

侍ジャパンは1回裏、4番・鈴木誠也が二死1塁から左越えのタイムリー2塁打を放ち、まず1点。

2回裏は二死無走者から8番・會澤翼が四球を選び、9番・菊池涼介はショート前の内野安打で続く。1番・山田哲人は8球目まで粘った末、レフトにライナーで打ち込む3ラン本塁打。侍ジャパンは4-3と試合をひっくり返した。

試合は緊迫した展開で中盤を迎える。

韓国が6回裏から起用したチョ・サンウは150キロ台の速球を投げる豪腕。だが、侍ジャパンは7回裏、二死3塁から5番・浅村栄斗が初球の155キロをライト前に弾き返して貴重な5点目を挙げる。

侍ジャパンの「勝利の方程式」は7回甲斐野央、8回山本由伸、9回山崎康晃と続く若手リリーフ陣。それぞれ140キロ台の縦変化を持つタイプだが、彼らは韓国に限らず、外国の強振する打者を面白いように打ち取っていた。

4年前の準決勝・韓国戦の「3点リードから逆転負け」という悔しい記憶はあるが、侍ジャパンのブルペン陣を見れば2点リードは十分な点差にも思えた。今大会5試合目の登板となる山崎康晃は、登板前の心境をこう振り返る。

「気持ちよかったですね。胴上げ投手になったことがなかったので。WBCのダルビッシュさんが胴上げされた映像(2009年)をしっかり見返してからブルペンに入りました」。

山崎が投じたボールは7球全てがツーシーム。4番パク・ビョンホをサードゴロ、5番キム・ヒョンスをセカンドゴロに打ち取ると、6番ヤン・ウィジを空振り三振に打ち取った。

試合を終え、整列する稲葉篤紀監督の目には涙も浮かんでいた。日本はプレミア12の2大会目にして初優勝。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)も含めれば、2009年大会以来10年ぶりの「世界一」だった。

大会MVPを受賞したのは鈴木誠也。8試合中7試合で打点を挙げて4番打者の役割を果たし、打率4割4分4厘、3本塁打、13打点と主要3部門の全てでトップに立つ活躍だった。

横浜DeNAでもクローザーの重責を背負っている山崎康晃だが、プレミア12にはまた違う重圧がある。しかし、彼はそれを喜びにして戦った。

「シーズン中の雰囲気とは違いました。重圧のかかるポジションでしたけれど、マウンドに立って応援される選手であることに喜びを感じました。日本の国旗を背負ってユニフォームに袖を通して気が引き締まる思いでマウンドに立っていました。僕自身の成長につながると思います」。

彼らが「戦った」のは決勝戦だけではなかった。宮崎合宿から1ヶ月に渡って寝食をともにしてチームを作り、強化試合から1つ1つ積み上げてきた。そして来年には東京オリンピックがある。

山崎はこう胸を張る。「2020年に向けて全員が団結して、これ以上になくまとまりを作って、東京で世界一を取れるように頑張りたい」。

文:大島和人

2019WBSC世界野球 プレミア12 決勝戦

【ハイライト】日本 vs. 韓国

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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