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野球 コラム 2019年11月12日

侍ジャパン、変則タイプの投手に苦戦するもスーパーラウンド初戦を勝利。WBSCプレミア12

野球好きコラム by 大島 和人
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WBSCプレミア12は11月11日(月)からスーパーラウンドに入っている。会場は日本に移り、東京ドームとZOZOマリンスタジアムの2球場で試合は行われる。

スーパーラウンド出場は東京オリンピックと同じ6チーム。グループAからメキシコとアメリカ、グループBから侍ジャパンとチャイニーズタイペイ、グループCから韓国とオーストラリアが勝ち上がっている。

侍ジャパンはチャイニーズタイペイとの1勝を持ち越して、残り4試合を戦う。日本以外の5チームにとっては来年の五輪出場権がかかっている。11日のオーストラリア戦はZOZOマリンスタジアムで行われた。

◆侍ジャパンスタメン 1番(中)丸 佳浩(巨人)
2番(二)菊池涼介(広島)
3番(左)近藤健介(日本ハム)
4番(右)鈴木誠也(広島)
5番(指)吉田正尚(オリックス)
6番(一)浅村栄斗(楽天)
7番(三)松田宣浩(ソフトバンク)
8番(遊)源田壮亮(西武)
9番(捕)小林誠司(巨人)
  (投)山口 俊(巨人)

侍ジャパンの先発・山口俊は持ち味のフォークを生かして2回まで4奪三振と好投を見せる。しかし、3回、4回は本人が悔いるように「追い込んだ後」からの詰めが甘くなり、失点を喫してしまった。

3回表に1番ティモシー・ケネリーのセンター前安打で先制を許し、4回にも二死からの連打で2点目を奪われる。

オーストラリアの先発ドゥーシャン・ルジッチは2メートル近い身長を持ち、「横の角度」が強烈なサイドハンド。日本では見ない変則タイプで、明らかに侍ジャパン打線は打ちあぐねていた。

そんな悪い流れを変えたのが日本の4番・鈴木誠也。4回裏二死無走者からの初球をレフトスタンドにライナーで突き刺し、侍ジャパンは1-2と追い上げる。鈴木誠也はこれで3試合連続の本塁打だ。

ただし、オーストラリアの投手陣は曲者揃いだった。先発ルジッチは37歳で、5回から登板した2番手ピーター・モイランもやはりサイドハンドで40歳。経験豊富な変則タイプが落ち着いた投球を見せる。

しかし、試合の終盤になると選手層の差が出る。侍ジャパンは緒戦から2番手以降が好投を続けている一方で、打線が終盤に得点を奪えている。7回裏、侍ジャパンがついに追いついた。

無死から5番・吉田正尚がセンター前安打で出塁すると、稲葉篤紀監督は迷わず走塁のスペシャリスト・周東佑京を代走に送る。6番・浅村栄斗は三振に倒れたものの、周東が盗塁を決めて一死2塁。そして周東は二死から三盗も決める。

ここで8番・源田壮亮が意表をつくセーフティスクイズを敢行。一塁に投げればアウトだったかもしれないが、相手投手は周東へのタッチプレーを狙って間に合わなかった。試合は2-2の振り出しに戻る。

源田壮亮はこう説明する。「相手の守備位置を見て、ヒットを打つのとどちらが確率高いかを考えました」。

稲葉篤紀監督はこう振り返る。「2アウトでしたので、もちろんノーサインで、本人の意思でやりました。私もまさかとは思いましたけれど、国際大会ではああいうところで何かやってやろうというものが非常に大事」。

オーストラリアのデーブ・ニルソン監督はこのプレーをこう称えていた。「日本のスピードが我々のプレッシャーになった」。

「(源田が)完璧に決めなければいけないスクイズを完璧に遂行した。周東の足はワールドクラスだし、今大会でも群を抜いている。観客席から見ると簡単な場面に見えたかもしれないけれど、一塁も本塁もギリギリだったと思う」。

8回裏にも侍ジャパンが粘りの攻撃を見せる。二死から3番・近藤健介が左中間に渋く落とす二塁打で出塁すると、4番・鈴木誠也は申告敬遠で一塁を埋める。

ここから代打・山田哲人、6番・浅村栄斗も連続四球を奪い、侍ジャパンは押し出しで勝ち越し点をもぎ取った。

◆試合結果
豪州|0 0 1 1 0 0 0 0 0|2
日本|0 0 0 1 0 0 1 1 X|3

侍ジャパンはオーストラリアに3-2で逆転勝利を飾り、スーパーラウンドの緒戦を飾っている。スーパーラウンド2位以上、つまり決勝進出に向け、幸先の良いスタートを切った。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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