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4年後の第3回WBSCプレミア12は「7イニング制」で開催される予定だ。もし「2023年のルール」ならば、日本は2-4で敗れていた。
しかし8回裏、日本は粘りの猛攻を見せる。日本は6番・浅村栄斗、7番・丸佳浩が四球を選び、無死1・2塁のチャンス。8番・松田宣浩のバントは小飛球となって一死となるが、9番・會澤翼も四球を選んで一死満塁とチャンスを広げる。
ここでベンチの稲葉篤紀監督は「勝負手」を打った。坂本勇人に変えて、代打に山田哲人を送り出す思い切った器用を見せる。そして山田哲人が押し出し四球を選び1点差。
さらに2番・菊池涼介がレフトに同点タイムリー安打を放ち、代走・源田壮亮が同点のホームを踏む。菊池涼介は4打数3安打2打点で、ベネズエラ戦の立役者となった。
3番・近藤健介もやはり押し出しの四球を選び、代走の周東佑京が勝ち越しのランナーとして生還。近藤健介はこの日4四球。パ・リーグの「四球王」らしい選球眼を発揮した。
ベネズエラは投手を6番手・ビスカヤから7番手・ソコロビッチに交代させるが、日本の勢いは止まらない。4番・鈴木誠也がレフトへに犠牲フライを放って畳み掛ける。
5番・吉田正尚は申告敬遠で出塁し、一死満塁。そして打者一巡。6番・源田壮亮が三塁にタイムリー内野安打を放つ。さらに7番・丸が押し出しの四球を選び、8−4とベネズエラを突き放す。
一見すれば、1イニングで7四死球を出したベネズエラ投手陣の自滅かもしれない。しかし、外角が狭い球審のストライクゾーンに適応した日本打線の、しっかりボールを見極める選球眼が奏功した。
日本は12投手中、6名を送り込む継投。8回を8球で締めた甲斐野央が勝ち投手となり、9回も山崎康晃が3人できっちり締めた。
最終スコアは8-4と4点差だが、展開をふりかえれば薄氷の勝利だった。捕手および野手は外崎修汰以外の全員が出場。まさに「総力戦」で勝利をもぎ取った。
文:大島和人
2019WBSC世界野球 プレミア12 オープニングラウンド
ハイライト】 グループB 日本vs.ベネズエラ
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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