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野球 コラム 2019年6月16日

明治大学、38年ぶりの日本一まであと1つ。伊勢大夢が「神リリーフ」で勝利呼び込む。全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 明大スポーツ新聞部
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全日本大学選手権、東京農業大学北海道オホーツク(北海道学生連盟)との準決勝、1-1で迎えた8回裏。

相手の捕逸で勝ち越すと喜多真吾内野手(法4=広陵)の2点本塁打などで一挙4点を獲得。最後は3回からロングリリーフとなった伊勢大夢投手(文4=九州学院)が三振で締め、明治大学が決勝への切符を手にした。

先発のマウンドには今季、リーグ戦で4勝を挙げた竹田祐投手(政経4=履正社)。初回、先頭打者を三振で斬るなど上々の立ち上がりを見せるかと思われた。

しかし、2番・新宅(東農大北海道)に投じた直球は捕手のミットよりも内側に。甘く入った球を振り抜かれ、無情にも打球は右翼スタンドに吸い込まれた。これには竹田も身体をのけぞり、悔しさをあらわにした。

追いつきたい明大は2回裏。今大会、5安打6打点と好調を維持する北本一樹内野手(文4=二松学舎大付)の中前安打で出塁。続く喜多は詰まり気味の中飛。

「あれはいいところに落ちてくれました」(喜多)と二塁手と中堅守の間に運良く打球が落ち、その間に北本が一気にホームを狙い生還。相手のミスもあり試合を振り出しに戻す。

そして、早くも明大ベンチが動く。「何とか流れを変えられないかという感じだった」(善波達也監督)と、3回に竹田から伊勢に投手を交代。この継投が期待以上の結果につながった。

写真:3回からリリーフ登板し好投した伊勢

前日のブルペンでは「明日、先発だったらなと思った。万全な形でした」(伊勢)と、今大会本塁打を放っているブランドン(東農大北海道)を低めのシンカーで空振り三振。

続く打者からも空振り三振を奪い、三者凡退。最速も150から151キロに更新し、調子の良さを投球で披露。その後も伊勢は140キロ後半の直球を軸に、緩い変化球を織り交ぜ、相手打線を翻弄。

制球も良く、8回まで無安打6三振を記録する。「圧倒できたというか、自信を持って投げれていた」(伊勢)と気迫もボールに乗り、打者を寄せ付けなかった。

全日本大学野球選手権ハイライト

準決勝 明治大学vs.東京農業大学北海道

しかし、明大打線も2回以降無失点に抑えられ、7回まで1-1の状況を打破できない。

「もう、どっちに転んでもおかしくない試合。その中で伊勢がしっかり投げてくれましたし、この回が勝負だなとベンチでも話していました」(喜多)。

8回1死から、丸山和郁外野手(商2=前橋育英)が右翼への二塁打を放つ。続く、内山竣外野手(商4=静岡)は進塁打で二死3塁の好機を作ると打席には4番の北本。

スタンドも大きな期待を寄せる中、2球目。変化球が逸れ、それを捕手が止められず。丸山が本塁を踏み、ガッツポーズ。思いがけない相手のミスで勝ち越しに成功。

ここで完璧に明大に流れが傾いた。ここから四球と盗塁で二死2塁の好機を作ると打席には喜多。

「ここで1本打って試合を決めてやろうと思った」とアウトコースよりの直球を弾き返し、バックスリーン直撃の2点本塁打。その後も陶山勇軌(商2=常総学院)の適時二塁打も飛び出し、8回に4点差をつけ、突き放した。

写真:バックスリーンに2点本塁打を放った喜多

9回のマウンドには、もちろん伊勢が立った。明大のエースナンバーである「11」を今季から託されるも、リーグ戦では先発機会は1度もなかった。

「調子が上がらず、チームにも迷惑をかけて」と任されたリリーフでも満足のいく結果を出せなかった。優勝後も自分の貢献度が低かった分「複雑な気持ちだった」。

しかし、「今大会は先発もさせていただいて、期待してもらっていたので、その期待に応えよう」と調子を上向きにして挑んだ大会だった。

9回、ギアを上げ先頭打者を三振に切ると、最後の打者も変化球で空振り三振。試合が終わるとグラブを力強くたたき、少しほっとした表情も見せた。

38年ぶりの悲願達成まで、あと1つのところまで上り詰めた。伊勢の好投により、この試合で登板機会がなかった森下暢仁主将(政経4=大分商)は決勝戦での先発登板が予告された。

対する決勝の相手は佛教大学。ここまで3点差の逆転を3試合積み重ねるなど、下馬評を幾度となく覆してきた勢いのあるチームだ。

「みんなの思いを乗せた球を放り込んで欲しい」(善波監督)。森下主将を中心にリーグ戦を積み重ねるごとに強さを増してきた今季の明大。春シーズンの最後は笑って終われるか。決戦は明日の13時プレイボールだ。

第68回全日本大学野球選手権の決勝戦、明治大学vs.佛教大学は、6月17日(月)午後0:45から、J SPORTS 3で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:丸山拓郎(明大スポーツ)

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明大スポーツ新聞部

1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。

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