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野球 コラム 2019年6月13日

桐蔭横浜大●1-7〇東洋大『東都のプライド』

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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村上投手(東洋大)

村上投手(東洋大)

春の東都リーグ戦において、果敢に投げ続けた快腕村上投手が先発の東洋大。対するのは前日の試合を9回サヨナラで勝ち上がってきた桐蔭横浜大だった。
「とても対戦したい相手でした」
真正面からチャレンジャー精神をこめて、そう述べた桐蔭横浜大の齊藤監督。今大会のシード校で初戦になる東洋大は、気を抜けない試合となった。

もはや鉄腕の村上投手は内外角のコーナーに直球を投げ込み、それがしっかりと決まる。さらに大きく割れるカーブや変化あるスライダーに鋭く落ちるフォークなど、変幻自在に投げ分けて打者にまったく的を絞らせない。

東洋大は得点差がついたところで7回から二番手の松澤投手へとつなぎ、そして河北投手の登板と、準々決勝を踏まえた投手交代をみせた。

序盤に4得点の東洋大

序盤に4得点の東洋大

極端なことを言えば試合の行方は3回表に3点を得た時点で、おおかたついてしまった。四球を絡めた満塁からワイルドピッチ、主砲DH山崎基が外角を流し打ち、きれいに右中間を超えた2塁打であげた3点だ。
バッターボックスで威力充分な構えで重くて速いスイングをみせる東洋大打線に対峙した投手は、あの戦国東都の厳しさをひしひしと感じてしまった。

DH山崎基(東洋大)

DH山崎基(東洋大)

関野投手(桐蔭横浜大)

関野投手(桐蔭横浜大)

さらに村上投手を巧みにリードする主将佐藤捕手の集中力と気迫で、桐蔭横浜大の各打者はその重圧と流れに飲み込まれていった。

佐藤捕手(東洋大)

佐藤捕手(東洋大)

東洋大は前回大会の初戦、東京ドームで無残にもコールド負けを喫した。それは東都代表として屈辱に近い敗戦だった。そこから1年余りかけての復活劇。
『東都は絶対に負けてはならない!』
この言葉を念頭に、再度、神宮球場の土を踏んだのである。

東洋大は7-1で桐蔭横浜大に快勝した。
「勝ちたいです、ほんとうに勝ちたいです」
ゲームを終えて村上投手は心静かに語った。
投球数は100球を超えて少々、次の準々決勝での連投も望むところ。

ベスト8の対決は明大(東京六大学)との優勝候補2チームとなった。
これは、いまの学生野球において相当にハイレベルな闘いになること確実だ。

準々決勝の組み合わせ(6月13日)

第1試合 明大-東洋大
第2試合 東農大北海道-城西国際大
第3試合 東北福祉大-佛教大
第4試合 大阪商大-東海大

文:岩瀬孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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