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野球 コラム 2019年6月11日

八戸学院大●3-4〇佛教大 『土壇場で逆転勝利した佛教大』

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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大道投手(八戸学院大)


北東北リーグの強者富士大に勝利して、全日本大学野球選手権へと出場を果たした八戸学院大は、もとから秀逸な投手育成力を持つチームだった。

前年ドラフトにおいて読売ジャイアンツ入りした高橋投手が、春を越して梅雨の頃にはもうプロ野球のマウンドに立っていた。

「先輩の高橋さんからいただいた18番に誇りを持ちながら投げました」(大道投手)

中山(怜)投手(佛教大)


そのエースの証明、背番号18番を譲り受けたエース大道投手は初回から140㎞半ばのストレートを武器に10個もの三振を取っていった。 味方打線は北東北リーグMVPの北畠外野手こそ細部にまで分析されて無安打に終わっていたが、そこは豪打でスイングが早い4番武岡外野手がソロと2ランで、2打席連続本塁打を放ち序盤は3-0と試合を優位に進めた。

2本塁打の武岡外野手(八戸学院大)


数度のピンチにも固い内野の守りでしのいでいたが、大道投手の疲労が出てきた9回裏にボールが先行したとたん、エラーと四球で満塁。

そこで左腕中道投手にスイッチ。三振で2アウトまでこぎつけたが、そこからシングルヒットを重ねられて得点を与え、最後は2塁ランナーの松本外野手が俊足を生かして本塁へ突入した。

「ただただ、必死にホームまで走っていきました」

そこにドラマが待っていた。


佛教大の松本が生還サヨナラ勝利


センター前ヒットで中堅手からからタイミングの良い返球が帰ってきたが、そこで捕手による走者妨害のオブストラクションがあり、松本は生還して佛教大は4-3のサヨナラ勝ちとなった。 3-0からのあっという間の逆転劇。 八戸学院大はそこに茫然と立ち尽くし、佛教大は歓喜に沸いた。 「いつも平常心で、1回から9回まで変わらずにプレーすることを心掛けています。メンタル的にしっかりと、ほかの何にも影響されることなくです」(佛教大・田原監督) ここ一番の場面で日頃からの信念が野球に現れた佛教大だった。
完封目前の大道投手だったが疲れに包まれ、勝てると思ったのか選手たちにも少しの隙がみられた。そこをていねいに押し込まれてしまった格好だ。 「どのようなときにでも胸を張って投げなさいと監督から言われています。それを意識しながら練習したシャドーピッチングが生きたように思います」 悔しい気持ちはあるのだろうが、終盤まで投げ切った大道投手は健やかな表情を見せた。

やりきった表情をみせた大道投手


9回逆転サヨナラ勝ちで勢いの波に乗る佛教大は、2回戦で愛知工大と対戦する。

文:岩瀬孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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