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開幕前、楽天で最も話題を集めたのは、昨季127打点で打点王となった浅村栄斗。春季キャンプから注目の的だ。
オープン戦では、打率.184とスロースタートながら、3月21日のソフトバンク戦では逆方向への豪快なホームランを披露。
この不安を払拭する先制ソロをきっかけに、チームは4点ビハインドから6点を追いあげて逆転勝利を収めた。今季はこうした場面がたくさん見られるのかと期待が高まる。
ただし、「チーム全員でカバーしていく」と平石洋介監督が明かしたように、シーズンは“カバーしていく”事情を孕んだスタート。エースの則本昂大が負傷離脱したニュースが席巻したが、投手だけではない。
野手陣でも選手会長の岡島豪郎が2月に左肩を手術し、全治6か月で前半戦の復帰は絶望的に。
さらにベテランの今江年晶が、キャンプ直前に右眼球中心性漿(しょう)液性脈絡網膜症を患って離脱。つまり、部分的な網膜剥離で、選手の生命線でもある視機能が低下する症状に陥った。
岡島は今季から背番号も「27」に戻し、原点である捕手でリスタートするところだった。
ベンチからも大声をあげて選手を鼓舞し続ける岡島、また、マウンドで弱気になった投手を叱咤激励する兄貴分のような今江の離脱も、チームにとって痛恨。それでも幸い今江は回復傾向で、2軍では実戦復帰をしている。
◆キーマンは銀次と茂木か。嶋の存在もより重要に
代わって精神的支柱としても役割を担うのが、今季からキャプテンに就任した銀次、それまで長年キャプテンを務めた嶋基宏、そしてベテランの名手・藤田一也や浅村も信頼を寄せる渡辺直人だろう。
特に銀次は、「チームをまとめて、自身も結果を出す。そうすればチームもいい位置にいるはず」と気合も十分。オープン戦でも打率,308と上々の仕上がりを見せている。
また、離脱した投手陣と同じく、右肘のクリーニング手術からの復活が期待されるのが茂木栄五郎。
昨季は復帰後にも8月に左ふくらはぎ、9月に左肩を痛めるなど、度重なるケガの影響もあって、本領発揮とはならず。今季は負担の大きいショート以外のポジションを平石監督から打診されたが、それも辞退。
「ショートで全試合に出る。活躍していい車を買いたい」と、控えめなイメージから一転、前のめりな野望をのぞかせているだけに、期待は高まる。
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