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◆もがく中で松井裕樹が向かう未来
2013年のドラフトで5球団から指名され、ドラフト1位で楽天イーグルスに入団。「桐光学園のドクターK」と名を馳せた松井は、高卒ルーキーにして開幕から一軍で先発を担っている。
だから、今年は「4年ぶりの先発」だったわけだが、その時の先発経験は「あってないようなもの」と捉えている。
「初年度は、星野さんに(先発の機会を)『回してもらった』というのが正しい言い方ですね。ピンチになってもマウンドに立たせ続けてくれた」。
「140球近く投げたこともありますけど、あれがなかったらキャリアのなかで抑えをやることもなかったですし、1年目にあれだけ、1軍でやらせてもらったことが、すべて今につながってます」。
ルーキーイヤーの成績は、4勝8敗の防御率3.80ながら、116回を投げて126奪三振。いきなり投球回数を大きく上回る三振数をマークする快投ぶりで、翌年からのクローザー抜擢へとつながっている。
高卒5年目の23歳は、まるで遠くの景色を見てきたように落ち着いた目つきで、振り返って語った。
「いろいろなことがありました。今年はメンタルも含めて、自分の野球のキャリアのなかで、ここまでうまくいかないことはなかった」。
「そのなかでもがいて、なんとかして自分の形を作ってこられたし、幅も広がった。だから、この道を通ったからこそ、得られたこともすごくあるし、今は良かったと思えます」。
先発か後ろ、どちらが良いのか尋ねるも、冷静に見通して続ける。「クローザー抜擢も、たまたまミコライオがケガをしたことで、9回のポジションが回ってきて、自分にとっての巡り合わせも良かっただけ」。
「また、来年どこで投げるかというのは、きっと自分の野球のキャリアにおいて、大きな分かれ目になると思います。でも、自分の決めるところではないし、自分の意思で決めることではないので」。
松井は、チームの今年をこう振り返った。「1つのアウトを取るために、全員で戦っているのを、今年以上に感じた年はない」。
過去があるから今がある。この経験は、きっと来季の試合で生かされるに違いない。
松山 ようこ
フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo
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