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野球 コラム 2018年7月9日

【都市対抗】夏の東京ドームで輝くプロ注目の投手たち

野球好きコラム by 大島 和人
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社会人野球の夏の祭典、第89回都市対抗野球大会が7月13日(金)に開幕する。開幕が間近に迫るこのタイミングで、皆さんに要注目の出場選手を紹介していきたい。今回は「投手編」をお届けする。

社会人選手は大学出身なら2年目、高卒は3年目からドラフトで指名を受けられる。2018年秋のドラフト候補として、まず名前が挙がるのは南関東の2人だ。

Honda(狭山市/南関東第1代表)の齋藤友貴哉は184センチ・91キロの大型右腕だ。桐蔭横浜大学時代は高橋拓巳(現・日本生命)に次ぐ2番手格で、リーグ戦の通算成績も6勝6敗に止まっている。

入社1年目の昨季も都市対抗で2回戦・東海REX戦に3番手として登板したが、主戦を任されるレベルではなかった。

しかし、今年は脱皮に成功。6月の南関東第1代表決定戦で先発を任され、日本通運打線を7回無失点で封じる好投で勝ち投手になっている。パワフルなだけでなく、長い腕を上手く畳んでしなやかに振れるところが彼の素晴らしさ。

リリーフなら150キロ台を難なく投げ、先発でも140キロ台中盤の速球を投げ込める。速球が手元で「動く」ことも特徴。多少の粗さはあるが、潜在能力が「形」になりつつあり、間違いなくドラフト1位候補だろう。

日本通運(さいたま市/南関東第2代表)の生田目翼は、鳴り物入りで社会人入りした投手。流通経済大学3年の春には、全日本大学野球選手権の準優勝に貢献し、右肩痛が無ければ確実に「大卒即プロ」だった。

176センチ・82キロとそこまで大柄ではないが馬力は強烈。最速155キロの速球と、鋭く折れるスライダーには凄みが漂う。

右肩の状態も万全となった2年目の今季は、南関東2次予選の計3試合のうち2試合で先発し、合計17イニングを投げ切った。都市対抗で同じような投球ができればドラフト上位指名が見えてくる。

昨夏の大会衝撃的な都市対抗デビューを飾ったのがパナソニック(門真市/近畿第4代表)の吉川峻平。183センチ・78キロの右投手だ。

昨夏は三菱自動車岡崎との1回戦に先発し、3回終了時点で奪三振は「9」に到達。6回以降は少し減速したものの、14奪三振を奪って完投勝利を挙げている。

縦に激しく落ちるシンカーは社会人の大先輩・潮崎哲也を思い出させる魔球。今大会の2次予選も30回3分の1で32奪三振を記録している、今大会最高のドクターKだ。

「ポテンシャル」「スケール」がもっとも強烈なのがJR東日本(東京都/東京第4代表)の太田龍。190センチ・93キロの大型右腕だ。

彼はれいめい高校から入社して2年目でまだ19才。ドラフト指名解禁は「2019年」まで待たねばならない。しかし今から見ておいて損はない。

まだ主戦格とはいかず、登板もリリーフが中心だ。ただ、東京2次予選では、チームが出場権獲得を決めた第4代表決定戦では好投を見せた。

明治安田生命を相手に7回以降の3イニングを被安打0、四死球3、3奪三振で無失点に抑え、東京ドーム行きに大きく貢献した。

その試合で太田は最速153キロを記録しただけでなく、複数の縦変化とカーブを駆使するなど、変化球も高水準なところを見せていた。

走者を出した後の制球など課題も感じたが、同時期の鈴木博志(ヤマハ→中日ドラゴンズ)に比べれば太田の方がまとまりはある。2019年のドラフト1位候補として太鼓判を押せる逸材だ。

もう一人スケールを感じる本格派が、日本新薬(京都市/近畿第3代表)の岩本喜照。九州共立大学から入社して2年目の右腕だ。榎田宏樹、西川大地と安定した投手が2枚いる中で、岩本はリリーフで全力投球を見せる。

187センチ・84キロの恵まれた体格、少し変則的なフォームから投げ込む速球は140キロ台中盤を記録し、打者の振り遅れを誘う。

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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