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野球 コラム 2018年6月15日

【大学野球選手権】勢いの波に乗る九産大(九州産業大学 vs. 宮崎産経大学)

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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大学野球選手権第4日
第4試合 神宮球場
『勢いの波に乗る九産大』
九州産業大学〇3-0●宮崎産経大学

ここで先輩として意地をみせたい九産大の右腕浦本(必由館)と、地元宮崎に残った好投手杉尾(宮崎日大)との投げ合いで試合はスピーディーに進んでいった。
ともに完投を意識した九州対決。

「コントロールがよくて、浦本はバッターを追い込んでいけました。このような競り合いの展開になるのは予想していました」
大久保監督が自信を持って送り込んだ右のエース浦本だった。
スピードボールにスライダーとフォークボールを織り交ぜた投球で、最後まで宮崎産経大の打線に的を絞らせなかった。 「最初から、ストレートをさらに早く見せるピッチングを心掛けていました。あのピッチャー返しのボールに当たってからです、調子が上がってきたのは」
少しはにかんだ表情を見せた浦本投手、その頭脳的なピッチングが冴えわたった。

「力およばずでした。九産大の浦本投手はいい投手でした。変化球とくにスライダーにやられてしまいました。ベンチには連戦の疲れがあったかもしれません、選手たちは言葉に出さずとも、それが見てとれました」 つねに正面からの真っ向勝負を望んだ三輪監督だった。
好投を続けていた絶対的エース杉尾、しかし打撃が沈黙、散発4安打の完封負け。
「悔しいです。4年生の先輩たちに申し訳ない気持ちがあります。先制されずになんとかしのいでいきたかったです」
味方の送球ミスにもがっかりすることなく、ひたむきにボールに心を込めていた孤高のエース杉尾、しっかりと9回を投げ切った。

「東京ドームと神宮球場のような素晴らしい人工芝のグラウンドで良い試合をできたこと。これは素晴らしい経験でした。ただ、これから宮崎へ帰ってまた土のグラウンドで練習するのを思うと、選手が勘違いしないか心配でなりません(笑)」
自分たちの野球がやれたという安堵の笑顔から、ひとしきりジョークを飛ばして帰路についた三輪監督だった。

土曜日の準決勝は、第一試合に優勝候補の東北福祉大-慶大という大一番がある。
多彩な投手陣による継投策がセオリーの慶大は、強打の郡司(仙台育英)と柳町(慶応義塾)に1番打者の主将河合(関西学院)がしっかりとチームをリードしている。
東北福祉大は集中打がある切れ目のない打線をベースに完投能力に長けた投手が揃い、総合力がある好チーム。前年の初戦敗退を糧にして覇権を得ようと這い上がってきた。

第二試合の国際武道大-九産大は、中二日の剛腕林(銚子商)に対して、左サイドから変幻自在の投球で魅せる岩田(九産大九州)とのエース対決になる。ともに打撃には自信を持っており、レベルの高い、接戦となりそうだ。

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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