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「○○がタイムリーを放った試合は×勝△敗」や「リード時に○○と××が継投すれば勝率△△」…。
開幕から2ヶ月以上が過ぎて各チームの戦い方がある程度定まり、各種サンプルも増えてきたことで、シーズンも様々な傾向が見えてくる中盤戦に突入した。
ファンにとって最も気になるのは、ひいきチームがどのような条件を満たした時に勝ちが近付くかではないだろうか。そこで、今季のバファローズ「勝利の法則」を探ってみたい。
まず、ここまでのチーム成績を振り返ると、光るのがリーグトップの防御率3.57だ。投手に責任がある要素で構成された疑似防御率「FIP」の3.62は、防御率以上に他球団よりかい離して優れている(1.02 - Essence of Baseball参照)。
見かけ以上にクオリティの高い投手陣の投球内容を分解すると、制球力の良さが目に付く。与四球率2.59は12球団でもベストの数値だ。
ところが、対称的に打線全体が記録している四球率7.7%はリーグワーストとなっている。
「与えない強み」と「選べない弱み」が両極端なまでに同居し、チームの特徴を表すこの指標にこそ、ヒントが隠されているのではないかと考えた。
「20勝8敗1分、勝率.714」
単純に、今季のバファローズが「四球-与四球」の数でプラスを記録した試合の結果を調べてみると、案の定、高い勝率が浮かび上がってきた。
3・4月は7勝6敗1分だったが、5月以降に限ると13勝2敗で勝率.867となっている。対象の試合では5月10日のファイターズ戦を最後に負けがない。逆にマイナスを記録した試合では「6勝19敗、勝率.240」だった。
以上を要約すると「四球を選んで、かつ与えなければ勝つ確率がグッと高まる」だ。
選手個々に目を移すと、投手陣ではリーグ最多の8勝を挙げているアルバースが、リーグベストの四球率3.4%と特筆すべき数字を残している。
打者では、吉田正尚がチームトップにして、リーグ11位タイの25四球を選んだ。ちなみに、トップ10に名を連ねているのは、いずれもAクラスの3チームに所属する打者だ。
四球にまつわる「勝利の法則」がシーズン終了まで継続するかは分からないし、短いスパンでは3・4月のような低調傾向が再び顔を出すこともあるかもしれない。
ただ、もちろん走者を多く出せばオフェンスは有利になるし、ディフェンスは不利になる。
今季のチームは走者の有無で、打者が打率.268/OPS.726と.211/.601、投手は被打率.264と.227だ。
スコアボードに表示されるのは「R」「H」「E」だけだが、「BB」も頭の隅に入れておけば、バファローズの試合観戦がより面白くなるかもしれない。
藤原 彬
アルバイト時代を含めて10年余り野球専門誌の制作に携わり、2016年にFAとなったさすらいのスポーツウォッチャー。「二兎を追う」を信条に、編集、執筆、写真、発信、校閲をこなす5ツール・プレーヤーを目指して勉強中。食にうるさい関西人だが、行く先々で「あんまり面白くないね」と言われる。同い年のレブロン・ジェームズは誇り。
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