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野球 コラム 2018年6月7日

【大学野球選手権】注目の選手と強豪チーム(1)『最速150㎞台の好投手が目白押し』

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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今年の全日本大学野球選手権ではスピードボールで押す快速の投手がみられる。 その快腕こそカレッジベースボールの醍醐味となる。

いまやダブルエースに加えて、気迫の抑えという3投手を有するチームでなければ優勝を狙うのは難しい。
その視点からいえば東洋大(東都)の2トップエース、上茶谷投手を先発に据えて、159㎞を記録する甲斐野投手が登場して鮮やかにしめる。そこに、ようやくケガから復帰してきた梅津で、それはもう抜群の投手力にある。
そこで春季リーグ戦では最終的に5位に終わったがスピードボールにめっぽう強い立正大(2009明治神宮大会優勝)が、この上茶谷と甲斐野の2投手を打ち崩し2連勝で勝ち点をあげ、しかも優勝争いに食い込んだ亜大からも勝ち点を得ていた。これこそ『戦国東都』の名をほしいままにだった。この東都の優勝決定は最終節に持ち込まれ1勝1敗ともつれたが、東洋大が亜大を押し切って優勝した。
この春に就任した杉本監督は「この3人の投手の存在が大きい」と、良き流れをもって今大会の優勝を狙う。そこには相手に応じた投手継投に采配の妙がみられそうだ。
また打線はシュアなバッティングで塁に出て、バントで送り、そこからの連打で返していく、手堅い攻めが持ち味。そこには戦国東都ならではの走塁に代表される隙のない野球で勝利を手繰り寄せるものだ。

慶大菊地投手

慶大高橋佑投手

慶大主砲の郡司捕手

伝統の早慶戦を待たずに優勝を決めた慶大(東京六)は、絶対的エースの存在というよりは、小刻みな継投で守り切る野球に徹している。中心打者は主砲4番の郡司捕手、その彼の前にランナーをためて長打で返す、その必勝パターンで突き進む。この慶大打線の好球必打はリーグで昨年の大学選手権優勝校で優勝候補の筆頭にあった立大エース田中誠を苦しめ、勝ち点を得ていた。また野手では守備力に定評ある慶大主将河合右翼手がリード、そして好打の柳町中堅手がしっかりとした連携をみている。

大学野球の聖地、神宮球場を闘いの場にする東京六大学と東都大学に一日の長はありそうだが昨年秋の明治神宮大会を豊富な投手を軸に制した日体大に対して、鮮やかに打ち勝ってきた東海大(首都)は、現在その勢いの波に乗っている。

さらに近年、健闘がみられている地方リーグでは、東日本の実力派で毎年のように好投手を育成している6年連続出場を果たした富士大(北東北)と、強豪で名高い東北福祉大(仙台六)が2トップの存在となってきそうだ。 刺激ある全勝対決となった優勝決定戦で八戸学院大に勝利した富士大は、前年の大学選手権で神宮球場のマウンドに立った技巧派の佐々木投手が健在、その経験値にあふれたピッチングが見られる。
東北福祉大学は前年の大学選手権における悔しい敗戦からしっかりと立て直してきた。
「この悔しさを糧にして鍛えてきました」
元プロ野球選手で名を馳せた大塚監督は気迫と情熱を込めた。
好打にバランスが取れそこに完投能力がある投手を幾人も揃える豊富な陣容。それで相手の戦力と展開次第ではタイプの異なる投手を次々にマウンドへ送ってゲームを支配する。もはや、ベスト4以上は確実であろうか。

また東日本の地方大学リーグでは苫小牧駒澤大(北海道学生)の伊藤投手が奮投していた。それも最速で154㎞をマークしている。彼はプロ注目投手のひとりだ。
強打で圧倒する東海大北海道(札幌学生)も内地からの東海大系列にあたる有力選手の加入が続き、前回以上を狙っている。
関東ではリーグ強者上武大の連勝に待ったをかけた白鴎大(関甲新)は久々登場で8年ぶりの神宮へと駒を進めた。
前年に大学選手権準優勝に輝いた国際武道大(千葉県)は打線と守りを固め、満を持して優勝をめざす。

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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