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野球 コラム 2018年3月29日

大谷翔平と二刀流 ~黒木知宏 スペシャルインタビュー vol.1

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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大谷翔平の北海道日本ハムファイターズ入団と同じ2013年に投手コーチに就任し、5年間コーチを務めた黒木知宏氏。「世界で一番の選手になりたい」とついに夢の舞台に立つ大谷翔平へのエール、そして大谷の人柄やプロ野球選手としての凄さについて話を聞いた。

―― 投手コーチとして、二刀流の育成はどんなものでしたか?

まずは、誰もやったことのないことにトライするわけで、正直戸惑いというか、何から始めていいのか…という感じでした。チーム全体として、何をすればベストなのかをすごく考えました。

―― 打撃コーチとは通常しないような打ち合わせなどはあったのですか?

僕がコーチをするのが初めてだったので、現場のコーチがどういう仕事をするのか分からない部分があったのですが、まず、ピッチングコーチとしてはピッチングだけでいいのかな、と思いました。大谷は二つのポジションをやるわけで、僕らの目の行き届かない部分があるわけです。バッティングしている時は何が行われているのか分からない。

とにかくチーム全体で情報共有をちゃんとしておくこと。そして、バッティングコーチからは「大谷にこういうことを伝えた」ということを連絡してもらえましたし、僕らもピッチングをやっている最中に、バッティングコーチとこういう練習をしているんだということは、よく話をしていました。

―― 大谷選手が二刀流に挑戦することに関して、黒木さんはどう思われましたか?

一番は「やらなきゃいけない」と思いました。監督を含めて、入団した経緯はいろいろとあったと思いますが、誰もなし得なかったことに向かっていこうとしていたので、それを僕らがいきなり否定はできない。

彼が目指すところ、彼が行きたいところに向かって、どう道筋を立ててあげるのかが僕らの仕事だと思ったので、2つのポジションを上手く成功させるためには、とにかく知恵を絞らなくてはと思いました。

―― 大谷選手の努力を見て、どう感じていましたか?

例えば「この練習をしていたら危険だな…」ということがあるじゃないですか。反対に「もう、そろそろこういうメニューをした方がいい」と思うタイミングもありますよね、それを僕らが思っている前から、大谷は始めている。自分の中で自分の身体を把握しながら、自分が目指している目標に向かって何をすべきかの判断能力、その決断の速さは、当時から抜けていました。

だから僕らが見ていて、「これ以上やると危険」というタイミングで僕らがストップをかける、その作業だけで良かった。あとは彼がどういうメニューをこなして、身体の状態をとにかく見ておく、その部分に特化してやっていけば、育っていくだろうなと思っていました。

―― 投手としてのスキルという点に関してはどうでしたか?

能力は凄かった。高校で160キロを投げるピッチャーなんていないわけですから。そのポテンシャルは凄かった。ただ、投げ方でいうと、まだまだ、上手く力を伝えることが出来ていないという状態にありました。

それをトレーニングコーチ、コンディショニングコーチ、ピッチングコーチ含めて、みんなで情報を共有しながら、大谷本人にとって一番何がベストなのか、それを彼に提供して、彼がそれをやっていくのか。もし、それが上手くいかなければ違うアプローチをしていくという点にすごく時間を費やしました。

―― ファイターズ在籍時からMLBを意識したトレーニングをしていましたか?

それは本人しか分からない。彼の凄いところは、プロに入ってくる時点で目指したのはアメリカでした。でも、ファイターズに入った時点でアメリカの話は全くしなかったんです。

自分が入ったチームのために自分は仕事をするということを大前提にできる選手。アメリカに行くためにファイターズで野球をやるということはしない選手。ただ、志は高いので、そこを踏まえた上で、自分の能力を高める練習は常にやっていました。

―― 大谷選手と5年間やってきて、印象に残っていることはなんですか?

2016年、優勝を決めた試合で、西武ドームで大谷が16奪三振をするのを見た時。あの試合は勝たないと優勝しない、という最後の試合で最高のピッチングが出来るあの凄さ。

僕はブルペンを担当していたので、次に投げるピッチャーは大変だなと(笑)。今まで努力してきたご褒美というか、野球の神様はちゃんといるんだなというのを、目の当たりにした試合だった。実は大谷がマウンドで投げている姿を見た時、ブルペンでは涙が出ました。感動しましたね。やっぱり、大谷は凄いなと改めてあの時思いました。

―― 今回メジャーに大谷選手が挑戦することで、黒木さんから何か声を掛けましたか?

特別難しいことや細かいことは、話をしていないですね。メールで言ったのは、いろんな人に憧れられる選手になれということ。とにかく、公私ともに見られている、という意識を持ってほしい。僕はそれだけで十分だと思っています。

J SPORTS編集部

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