【バドミントン ジャパンオープン開幕まであと1日！】国内ラストの「シダマツ」ら日本ペアの初優勝なるか

ジャパンオープン2025 開幕まであと1日

バドミントンの国際大会ダイハツジャパンオープンが7月15日から東京体育館で開催される。BWF（世界バドミントン連盟）が主催するワールドツアーで2番目に格付けが高いスーパー750。世界の強豪が集う中、女子ダブルスは、日本も複数の上位候補を送り込む。

最も注目されるのは、8月の世界選手権を最後にペアを解消する志田千陽／松山奈未（再春館製薬所）だ。パリ五輪で銅メダルを獲得した2人が、日本で行う最後の国際大会となる。第2シードで優勝候補の一角。過去の最高成績はベスト8だが、松山は「ジャパンオープンの土・日の雰囲気を味わいたい。そこまで、1分でも1秒でも長くコートに立ちたい思いが強いので、今年は優勝を目指して頑張りたい」と8強の壁を破り、週末に行われる準決勝、決勝へ進む意欲を示した。今季も、3月にワールドツアー最高峰のスーパー1000である全英オープンで優勝しており、実力は間違いない。ただ、5月のマレーシアマスターズは2回戦で敗退。松山が腰を痛めて治療に専念するため、その後の国際大会は欠場した。6月末に行われた全日本実業団選手権で復帰したばかりの松山は、7月9日に始まった日本代表合宿初日に「腰は全然、大丈夫ですけど、練習の部分でもっとやらないと勝てるところまでいかないので、この合宿をいいものにしたい」と身体の状態を仕上げる意気込みを語った。日本のファンが応援できる最後の機会、大声援を背に躍進を図る。

第5シードで出場する中西貴映／岩永鈴（BIPROGY）は、上り調子だ。24年終盤から負傷を繰り返していた岩永が復調。「久しぶりに万全の状態で試合ができるので、すごい楽しみな気持ちで大会に入れた」と振り返った東南アジア遠征では、シンガポールオープン（スーパー750）で準優勝。中西は「レシーブのパターンから前で（岩永に）勝負をしてもらって、そこから（主導権を握って）攻撃のパターンにして点数を取ることが、すごくうまくいった」と進化の手ごたえを語った。こちらも初優勝の可能性を十分に持っている。

福島由紀（岐阜Bluvic）／松本麻佑（ほねごり）

もう1組、シード順10番目で出場する福島由紀（岐阜Bluvic）／松本麻佑（ほねごり）も上位候補だ。24年パリ五輪後に日本代表同士で組み替えたペアで、半年で世界ランクを1ケタに上げてきた。福島の守備力、松本の攻撃力は世界最高クラス。1月のマレーシアマスターズで優勝、3月の全英オープンで準優勝（ともにスーパー1000）と、早くも安定して好成績を挙げている。4月のアジア選手権以降は、ともに負傷を抱えて難しい部分もあったが、松本は「自分たちの強いところと、相手にとって嫌なところを考えて、相手のエースの球を全部取ってやるくらいの気持ちでできたらいい」と攻撃の形を作ることばかりにこだわらず、柔軟に戦い方を選ぶ対応力で乗り切る構えを示した。

ライバルとなりそうなのは、大会連覇を狙う劉聖書／譚寧（リュー・シェンシュ／タン・ニン）を筆頭とする中国勢。第9シードまでに3組がひしめく状況で、層が厚い。上位進出には、中国の包囲網を突破する必要がある。韓国もイ・ソヒ／ベク・ハナ、キム・ヘジョン／コン・ヒヨンの2ペアが強力。前者は堅い守備、後者は攻撃力に長けている。さらに、スマッシュの最高時速438キロのギネス記録を持つパーリー・タンとシナーフ・ムラリサラン（マレーシア）も上位候補だ。

世界の強豪が集うが、日本も3組が上位候補と言える。また、リザーブからも続々と繰り上がっており、かなり多くのペアが出場しそうだ。日本が得意とする伝統種目。髙橋礼華／松友美佐紀（2014、17年）、福島由紀／廣田彩花（18年）に次ぐ3組目のチャンピオン誕生なるか、大きな期待がかかる種目だ。

文：平野貴也