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バドミントン コラム 2024年10月25日

パリ五輪を沸かせた選手たちの「エースとしての顔」を見逃すな=バドミントンS/Jリーグ

バド×レポ by 平野 貴也
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元日本代表・藤井瑞希

今夏のパリ五輪で輝いた選手たちが、国内に舞台を移してしのぎを削る。バドミントンの国内最高峰の団体戦であるS/Jリーグが、11月2日に開幕する。開幕戦は、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナと、山口県山口市の維新大晃アリーナで同時に開催される。
バドミントンといえば、今夏のパリ五輪での活躍が記憶に新しい。混合ダブルスの渡辺勇大東野有紗BIPROGY)、女子ダブルスの志田千陽松山奈未再春館製薬所)が銅メダルを獲得し、ファンを魅了した。直後に行われたダイハツジャパンオープンでも、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)が優勝するなど、国際舞台における日本選手の活躍が続いている。五輪を終え、新たな時代に移ろうとしているタイミングで開幕を迎える2024-25シーズンのS/Jリーグは、どうなるのか。2012年ロンドン五輪の女子ダブルスで銀メダルを獲得した元日本代表の藤井瑞希さんに見どころを聞いた。

――男女の優勝争いや、注目選手など、楽しみ方の切り口は様々にあると思いますが、パリ五輪を終えて迎える2024-25シーズンは、どのような点が見どころでしょうか。

やはり、五輪に出場した選手を日本で見られる機会になる、というところが、まずは楽しみになると思います。S/Jリーグは、第1ダブルス、シングルス、第2ダブルスの順で行って、2試合先取。戦力の出し惜しみは難しいので、各チームが種目のエースを起用します。五輪を節目とした大きな切り替えの時期にもなるので、各チームがどんな選手を起用するのかは、少し予測の難しいところもありますし、ダブルスの場合は組み替えて起用する可能性もあると思いますが、五輪レースや五輪に出場していた選手のプレーが、全国各地で見られるのではないかと思います。

――五輪シーズンを区切りにする選手も多く、すでに日本代表や現役の引退を発表している選手もいます

そうですね。五輪に出場した選手については、大きな目標を達成して引退するという流れをファンの方も理解しやすいと思うのですが、実は、五輪シーズンを区切りにするのは、五輪に出場した選手に限りません。次の大きな目標として4年後を見据えたとき、その頃にはピークを超えてしまう、大きな目標を設定しにくいと考える選手もいるからです。ファンの方からすると、実業団のベテランエースが引退するときに、唐突に感じるかもしれませんが、五輪は出場するかしないかに関わらず、多くの選手にとっての目標です。次の目標が定まらない選手が、今シーズンで選手生活に区切りをつける可能性は十分にあります。だから、ファンの方たちには、生観戦できる機会は、逃さないでほしいと思います。

S/Jリーグ2024

【開幕直前】11/2 国内最高峰のバドミントンリーグ「S/Jリーグ」が開幕

――S/Jリーグは、団体戦です。個人競技であるバドミントンは、個人戦の大会が多いですが、団体戦の面白味は、どんなところですか

普段は個人戦が多く、選手は、チームの役に立てているかどうか、分かりにくい部分があります。でも、普段の環境は、会社やチームのサポートがあって成り立っています。団体戦は、明確に貢献できる場となるので、選手は「チームの役に立ちたい!」という思いがすごく強くなります。個人戦とはまったく違う緊張感が漂い、普段とは異なるプレーや表情が見られる舞台になります。加えて、団体戦としての流れが作る独特の雰囲気が、試合を左右します。例えば、第1ダブルスを落とした後の第1シングルス。自分の試合としてはリードしているのに、チームとしては負けていることで、余裕を持てないということが起こります。心理面に影響が出るので、プレーも変わり、勝敗にも影響が出ます。若くて有望なエースが力を発揮できなかったり、逆に間違いのない実力を持ったエースが負けてしまったり。緊迫感があり、個人戦では起こりにくい番狂わせが起きやすいのが、リーグ戦の特徴です。特に、チームのエースは、勝たなければいけない責任感が強くなるので、各チームのエース格である日本代表選手たちが、強いプレッシャーの中でどんな振る舞いやプレーを見せるのかは、見どころになります。

――逆に言えば、団体戦特有の緊張感をどう乗り越えるかが、勝敗の鍵ですね

そうです。だから、プレー以外のところで何をするのかも重要です。普段の個人戦なら自分の準備だけをすれば良いですが、ベンチでどんな表情や行動で過ごすのか、これから試合に臨む選手にどんな声をかけるのか。私が選手のときは、ベンチにいるとき、誰にどういう声をかけるかを仲間と話しながら声援を送っていました。日本代表や各チームのエースがどんな振る舞いをしているのか。そういう一面が見られるのもリーグ戦の面白いところではないかと思います。プレッシャーがプレーを左右するのと同じように、応援が選手の表情やプレーを変えていく場面もあります。

――2023-24シーズンは、パリ五輪にも出場した西本拳太選手が加入した男子のジェイテクトが初優勝。女子は、パリ五輪の混合ダブルスで銅メダルを獲得した東野有紗選手を擁するBIPROGYが2大会ぶり7回目の優勝を飾りました。女子は、ブロックリーグで勝利数で並ぶチームが出てくるなど、男女ともに混戦模様が強まっています

そうですね。少し前は、男女ともTOP4トーナメントに進むチームの顔ぶれは変わりませんでした。でも、今はチーム力の差が小さく、どこが優勝するか予想し辛いのが、一つの面白さだとも思います。

S/Jリーグは、男女ともSブロック、Jブロックで6チームずつに分かれて総当たり1回戦のリーグ戦を行う。各ブロックの上位2チームが、優勝を争うTOP4トーナメント(2025年2月21~22日、横浜BUNTAI)に進む。現在の方式を採用して名称を日本リーグからS/Jリーグに変更した2015-16シーズン以降、男子はトナミ運輸BIPROGYNTT東日本が優勝争いを展開してきたが、昨季はジェイテクトが初優勝を飾った。女子は再春館製薬所とBIPROGYが交互にタイトルを獲得しているが、北都銀行ヨネックスも健闘。岐阜BluvicACT SAIKYOも力をつけている。五輪選手たちが、どのような表情で、どんなプレーを見せ、どんな役割を果たすのか。見逃せない戦いとなる。

J SPORTS 放送情報

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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