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バドミントン コラム 2024年2月20日

男子の覇権争いは準決勝に注目、女子は再春館製薬所が優位=バドミントンS/Jリーグ

バド×レポ by 平野 貴也
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保木卓朗/小林優吾

バドミントンのS/Jリーグは、2月23日、24日に東京体育館で、優勝を決めるTOP4トーナメント(以下、TOP4)および順位決定戦を行う。男女とも6チームずつ2組で行ったブロック戦の各組上位2位がTOP4に進出。23日に準決勝、24日に決勝を行う。3位以下は、23日に別ブロック同順位のチームと対戦。試合は、第1ダブルス、シングルス、第2ダブルスの順に行い、2勝を争う。

■6連覇狙うトナミ運輸、保木卓朗/小林優吾「自分たちの仕事をして1本を取る」

男子のTOP4は、前回と同じ組み合わせとなった準決勝の「トナミ運輸 vs. NTT東日本」が注目カード。トナミ運輸は、日本リーグが現在のS/Jリーグに改名した2016年以降、5連覇中。ダブルスには、日本のエース「ホキコバ」ペア、保木卓朗小林優吾を擁する。シングルスも日本A代表の常山幹太を含めて日本代表4人の陣容を誇る。ダブルスのセカンドペアは、23年の日本ランキングサーキットを優勝した金子真大/大田隼也が候補となるが、前回大会のTOP4では、元日本代表の園田啓悟コーチを投入。園田/保木、小林/目崎駿太郎と組み替える奇策で準決勝、決勝をともに2-1で競り勝った。保木/小林で第1ダブルスを奪って2-0を狙うのが王道だが、どんなオーダーを組むか。保木は、自身の役割について「ホキコバがいる安心感をチームに与えること。(先に)1本取られてしまうというプレッシャーを相手に与える存在になりたい。チームのエースとして、日本のエースとしても負けない気持ちで頑張りたい」とプライドをのぞかせた。前回は後輩と組んだ小林も「自分たちの仕事をして1本を取る。そこから後輩がどうするか。自分たちは自分たちの仕事をする、背中を見せることを最優先したい」と1本先取にかける意気込みを示した。

対するNTT東日本は、日本リーグ時代に過去最多18回の優勝を誇る名門だ(前身のNTT東京、電電東京を含む)。元世界王者の桃田賢斗、B代表の田中湧士がいるシングルスより強力な選手層を誇るのが、ダブルスだ。全日本総合選手権では、日本A代表の古賀輝齋藤太一が優勝。24年の日本B代表に入った柴田一樹/山田尚輝が準優勝。さらに、混合ダブルスA代表の緑川大輝山下恭平が組んだペアも8強入りした。対抗するのに十分な戦力と言える。打倒トナミ運輸を果たせば、一気に王座奪還が見えてくる。

■男子準決勝「BIPROGY vs. ジェイテクト」は、ダブルスが鍵

男子のもう一方の準決勝は、BIPROGYジェイテクトが対戦する。シングルスは、A代表の西本拳太を擁するジェイテクトが優位だが、BIPROGYはB代表の渡辺航貴が好調。ジェイテクトは、このカードを落とすと厳しくなる。BIPROGYは、23年11月に行われた国際大会の熊本マスターズジャパンで世界選手権優勝ペアを2組撃破した岡村洋輝/三橋健也がダブルスのエース。全日本総合4強の井上拓斗/小野寺雅之もいるが、混合ダブルスA代表の渡辺勇大、金子祐樹も起用可能で戦力が豊富だ。ジェイテクトは、ブロック最終戦のNTT東日本戦で相澤桃李/佐野大輔、野田悠斗/川島直也という組み替えペアをぶつけ、相澤/佐野が善戦したが、ともに敗戦。相澤/野田のペアに戻して勝負か、今大会での引退を表明した市川和洋/馬屋原大樹をエースで起用するのか。主将の宮嶋航太郎を佐野と組ませるペアでも戦っており、どのようなオーダーを組むか注目される。

■再春館製薬所の絶対的エース山口茜「勢いを持って戦う」、ヨネックスはダブルスで勝負

山口茜

女子のTOP4は、準決勝で前回決勝カードの再戦となる組み合わせが実現。連覇を狙う再春館製薬所が、前回準優勝のヨネックスと対戦する。日本A代表が不在だったブロック戦は、苦戦を強いられ、最終節に逆転して1位通過。ただ、TOP4ではシングルス、ダブルスともに日本のエースである山口茜志田千陽松山奈未が揃うため、優勝に最も近い存在となる。山口は、年明けに右足の負傷から復帰したばかり。「自分のリズムでスムーズに動くには、もう少し。(S/Jリーグのブロック最終戦では)連続攻撃が少なかった」と、まだ本調子ではないが、それでも世界ランク1ケタの選手がほかに不在のリーグでは、絶対的な存在だ。TOP4に向けては「団体戦で優勝するとチームで勢いがついて、個人戦で結果が付いて来るという経験が何度もあるので、重視している。勢いを持って戦いたい」と意気込みを語った。若手の挑戦を受ける立場だが「あまり他人のことは言えないけど、最近は技術的に上手い選手は沢山いる一方で、自分たちの年代のように声を出して、何が何でも返すという気迫のある選手は、ちょっと少ないように感じる」と、まだまだ世代交代を許すつもりはなく、大きな壁となって立ちはだかる。ただし、第2ダブルスはやや不安定で、志田/松山が直前のアジア団体選手権で不調だったことも気がかり。第1ダブルスで勢いをつけられるかどうかは鍵となる。対するヨネックスは、シングルスに仁平菜月、高橋明日香と実力者を擁するが、山口の牙城を崩すのは容易でなく、ダブルスで2勝を狙いたい。エースの櫻本絢子/宮浦玲奈は、世界ランク8位。相手エースの志田/松山に対抗可能だ。第2ダブルスをどのペアで戦うか。ブロック戦では、保原彩夏が、加入内定選手の須藤海妃と組んで2勝1敗、杉山明日香と組んで2勝とフル回転。どちらで勝負に出るか。

■「BIPROGY vs. 北都銀行」の注目は、若手B代表対決もあるシングルス

もう一方の準決勝は、前回大会3位決定戦のカードで、BIPROGY北都銀行が対戦する。この試合のポイントは、シングルスだ。BIPROGYは、23年12月に全日本総合選手権を初優勝した杉山薫がエース。北都銀行は、川上紗恵奈が世界ランクでは上位にいるが、今季での引退を表明。ブロック戦でも若手の舛木さくらを起用し続けた。杉山と舛木の対戦になれば、28年ロサンゼルス五輪を狙う24年日本B代表同士の同級生対決となる。

ダブルスは、選手層で勝るのはBIPROGY。中西貴映/岩永鈴は、日本B代表。大竹望月/高橋美優も見劣りしない実力を持つ。さらに混合ダブルスで日本A代表の東野有紗松友美佐紀を起用してペアを組み替えて戦う選択肢も持っており、特に中西/東野の組み合わせは、これまでも好成績を収めている。一方、北都銀行には日本A代表で世界ランク8位の松本麻佑永原和可那がいる。ブロック戦では組み替え、2人を別のパートナーと組ませて戦う試合が多かったが、TOP4ではエースペアとして確実に1本を奪う役割を担うだろう。

男子は、トナミ運輸とNTT東日本の勝者が優勝候補として決勝に進む。もう一方の準決勝の勝者が決勝でどう挑むか。女子は、2種目で日本のエースを抱える再春館製薬所を止めるチームが現れるかどうか。S/Jリーグは、23年シーズンの最終戦。順位決定戦を含めて各チームともこの大会を最後に現役を引退したり、チームを離れたりする選手がいる。シーズン最終戦を勝利で飾りたい気持ちは、どのチームも強い。果たして、どんなドラマが待っているのか。

 

文:平野 貴也
平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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