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長身ペアの強打が、五輪女王を打ち破った。バドミントンの国際大会「ダイハツヨネックスジャパンオープン2019」は、27日に各種目の準決勝を行い、女子ダブルスの日本勢対決は、松本麻佑、永原和可那組(北都銀行)が2-0(21-16、21-19)で高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)を破り、決勝進出を決めた。
2020年東京五輪の出場権を争う日本勢対決だ。ともに170センチを超える長身が特徴である松本、永原の「ナガマツ」ペアは、昨年の世界選手権で初優勝。対する高橋、松友の「タカマツ」ペアは、言わずと知れた2016年リオデジャネイロ五輪の金メダリストだ。
試合は、一進一退の展開でスタート。松本と永原は、守備と攻撃を明確に切り分け、守備では徹底して大きく返して耐え凌ぎ、攻撃の形になると強打を連発した。松本が「今日は、変にカット(スマッシュを打つと見せかけて手前に急速に落ちるショット)などでつながずに、自分たちの(持ち味の)アタックをぶつけた方が良いと思って、スマッシュを多めに打った」と話したとおり、連続攻撃に迫力があった。また、永原は「高橋さんが後ろ、松友さんが前という形を作らせると強いので、その形を出させないように考えた」と、特にラリーの中で前衛の松友に良い形で触られることがないように注意していたことを明かした。一方の高橋、松友も一度主導権を握ると渡さない試合運びで食らいついた。
しかし、第1ゲームは松本、永原が終盤にリードを広げて先取。第2ゲームも「ナガマツ」の強打が続いた。終盤に19-13となったが、高橋と松友の「タカマツ」も意地を見せた。高橋は「上から打たせないようにしようと思い過ぎて、レシーブがちょっと浮いていた。とりあえず、打って来るから後ろに上げたり、こっちが後ろから無理をして(強打を)打たないでカットを入れたりした」とゲームメイクを変えて試合の流れを変えていった。ただ、それでも追い上げは20-19までだった。最後は「ナガマツ」の松本が強打を連発して、ストレートで勝利をもぎ取った。
敗れた「タカマツ」ペアの高橋は「先週、決勝まで行って、今回もベスト4。まずまずの成績だと思う。(五輪レースの)1年は長いと思うので、1回決勝に行くとか優勝したとかで気を緩められない。コンスタントに成績を残す中で何回か優勝できたらと思う。来週(タイオープン)も試合がある。切り替えが大事。レースが始まって、大きな大会は2つ目。ここで落ち込んでいてもいけない。試合は、次々に来る」と、すぐに次戦へ視線を向けた。
前週のインドネシアオープンでは、福島由紀、廣田彩花(アメリカンベイプ)の「フクヒロ」ペアが優勝。高橋、松友が準優勝。8強止まりだった松本、永原が今度は決勝に進出した。決勝の相手は、キム・ソヨン、コン・ヒヨン組(韓国)。春のニュージーランドオープンで日本ペア4組を倒して優勝している。「タカマツ」も「ナガマツ」も敗れており、松本、永原にとっても雪辱戦となる。地元で借りを返して初優勝を飾りたい。
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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