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バドミントンの国際大会「ダイハツヨネックスジャパンオープン2019」は26日に各種目の準々決勝を行い、男子シングルスで連覇を狙う桃田賢斗(NTT東日本)は2-1(21-13、20-22、21-15)でアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)を破り、準決勝に進出した。桃田の「あと5分長かったら、動けないくらい。昨日の(競泳世界選手権で金メダルを獲得した)瀬戸(大也)さんじゃないけど『立っているのもしんどい』くらい」というコメントが90分に及ぶ死闘の大変さを物語っていた。
桃田は、高精度のレシーブで試合を作っていくタイプだが、ギンティンはテンポの速いラリーを得意とする。先手を取られると相手ペースに巻き込まれ、特長を出させてもらえなくなる。昨夏の2連敗後は4連勝して底力の違いを見せたが、2試合はファイナルゲームにもつれる接戦で、決して楽な相手ではない。この試合もやはり激戦となった
第1ゲームは、21-13で押し切ったが、中盤以降にギンティンの粘りに苦しめられた。第2ゲームの終盤、リードを得た桃田はスピードを上げて攻撃に出たが、上からたたき込むショットをレシーブで返され、逆に振り回された。チャンスの場面で決め切れない、攻撃面の課題を宿敵に示されるような展開になり、第2ゲームは20-22の逆転で奪われた。ファイナルゲームでどうにか勝ち切ったが、試合後の桃田は「参考にしたい部分もある選手」と相手の賛辞を惜しまなかった。
ギンティン戦は、この大会の一つのヤマ場だった。当初エントリーしていた、世界2位のシー・ユーチ(中国)や同4位のビクター・アクセルセン(デンマーク)が負傷により棄権したため、桃田のライバルは減った。その中で要注意選手として真っ先に名が挙がるのが、昨夏のアジア大会とインドネシアオープンで桃田に2連勝したギンティンだった。
厳しい一戦を越えて、4強に進出。翌27日の準決勝では、サイ・プラニス(インド)と対戦する。過去の対戦成績は2勝2敗。桃田が国際大会を戦い始めた2013年に2連敗しているが、昨年の世界選手権で勝利。今年のシンガポールオープンでは2-1(19-21、21-14、22-20)の大激戦を制して勝利している。桃田は「この疲れが明日取れていることはないと思う。これから何回もきつい場面は来る。成長できるように、きつくてもチャレンジしたい」と疲労にも打ち勝って2年連続のファイナルへ進む意気込みを示した。連覇まで、あと2勝だ。
文・写真:平野貴也
ジャパンオープン 準々決勝終了後 インタビュー 桃田選手
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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