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張育陞(ヴォレアス北海道)
サーブコールだけで、会場が盛り上がる。
「チャン・ユーシェン!チャン・ユーシェン!」
大同生命SVリーグ 2025-26 男子
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第21節 ヴォレアス北海道 vs. 東京グレートベアーズ(4/11)
4月11日(土)午後0:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
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第21節 ヴォレアス北海道 vs. 東京グレートベアーズ(4/12)
4月12日(日)午後0:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
欧州やアメリカ、ブラジルなど世界トップの国々から、さまざまな経験を重ねたそうそうたる顔ぶれが揃うSVリーグのオポジットの中で、爆発したら誰にも止められない。気迫あふれるプレーでヴォレアス北海道のサポーターだけでなく、多くのバレーファンの心を惹きつけた右腕が、今季限りで慣れ親しんだ旭川を去ることが4月7日、チームの公式ホームページやSNSで発表された。
張からのメッセージも寄せられた。
7シーズンプレーした張育陞
『旭川で過ごした時間は、自分にとって本当に特別で、かけがえのないものでした。
ここでの経験や出会いは、これからの自分にとって大きな力になると感じています。
退団という決断は、自分にとって決して簡単なものではありませんでした。
それでも、プロの選手としてさらに成長するために、新しい環境での挑戦を選びました』(一部抜粋)
昨年末の天皇杯でもチーム初の決勝進出、準優勝の立役者である主砲の退団発表に、SNSでは惜別だけでなく、悲しみ、寂しがる声も多く寄せられた。
なぜこれほど愛されたのか。
ファンに愛された張育陞
1本で試合を引っくり返すサーブやスパイク、コートで見せるプレーはもちろんだが、真面目でひたむきな性格も魅力の1つだった。
ヴォレアス北海道に加わった頃は母国以外でプレーするのは初めて。日本語も十分に話せなかったが、練習以外の時間は日本語学校へ通い、日本語を学んだ。
SVリーグの前身、Vリーグでなかなかトップに昇格することができずV2で戦い、V1とのチャレンジマッチに臨んだ後の記者会見では、自分の言葉で話そうとしても「うまく話せない」と通訳を介そうとした。
だが、ともに登壇した渡辺 俊介(現・ウルフドッグス名古屋)から「大丈夫。張さん、あなたの日本語ちゃんと話せて伝わるから自信を持って話せばいい」と促され、ゆっくりひと言ずつ、思いを伝えようと話す姿が記者から見ても印象的で、好感しかなかった。
V2で優勝し、2023年にV1へ昇格、SVリーグでもチャンピオンシップ進出は果たせず、なかなか勝てずに苦しい時期も続いたが、どんな壁に対しても果敢に攻める張のプレーを見るだけで、「また応援しよう」という気持ちを高めさせた。
だから、ホームゲームの会場ではいつも「チャン・ユーシェン!」の声とハリセンの音、後押しする手拍子が大きく響き渡った。
退団が発表する直前、5日の大阪ブルテオンとのホームゲームでは、3試合ぶりにスタメン出場を果たし、ストレートで敗れはしたが、1980名の観客の前で、張は17本のスパイクを打ち12本を決め、70.6%と高い決定率を残した。
「さすが世界クラブ2位のチーム。どんなところも非常にレベルが高かった」と相手の強さを称えながらも、笑顔でこう言った。
「相手には日本代表や、いろいろな国の選手がいて自分のテンションも高かったし、ホームで試合に出ることができてワクワクした。来週(11、12日)は今季最後のホームゲームなので、ベストの状態で、いつも応援してくれる人たちの前で素晴らしい試合を見せたいです」
今週末、旭川でのラストゲームに挑む
11日(土)の東京グレートベアーズとの試合前には、会場で張から直接ファンへ向けたメッセージも述べられる予定だ。多くのファン、サポーターに愛された張が旭川でどんな言葉を残し、会場にこだまする“チャン・ユーシェン”コールを背に、どんなプレーを見せるのか。
きっと、胸躍る試合になるはずだ。
文:田中夕子/写真:SV.LEAGUE
田中 夕子
神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。WEB媒体、スポーツ専門誌を中心に寄稿し、著書に「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」(文藝春秋)、「高校バレーは頭脳が9割」(日本文化出版)。「夢を泳ぐ」「頂を目指して」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」、凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること」(カンゼン)など、指導者、アスリートの著書では構成を担当
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