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バレーボール コラム 2026年2月24日

【ハイライト動画あり】川野琢磨、東京グレートベアーズで経験と進化を重ねる期待の19歳

SVリーグコラム by 田中 夕子
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川野琢磨(東京グレートベアーズ)

前日の反省を活かし、期待の19歳が堂々のSVリーグ初得点を挙げた。

2月22日、有明コロシアムで行われた東京グレートベアーズvs.東レアローズ静岡の第3セット、14-15で東レ静岡が1点を先行した場面で、セッターの深津 旭弘はともに2枚替えで投入されたオポジットの川野 琢磨にトスを上げた。

少しネットに近いボールではあったが、相手ブロックに当たったボールはサイドラインを割り、東京GBが記録した15点目は、川野にとってプロ初得点。満面の笑みを浮かべる197センチの川野を囲み、コート内に輪ができた。

大同生命SVリーグ 2025-26 男子

前日の21日、同じ東レ静岡戦の第3セットにセッターの近藤 蘭丸に代わって初めてコートに立った。直後の攻撃機会はなかったが、3本のブレイクにつながるサーブでチームのリードを広げ、短時間のプレーではあったが勝利に貢献した。

3-1で勝利した試合後にMIPにも選出されたが、この日は初得点には至らず。第4セットにトスが上がってきたが、「緊張して(相手の)ブロックがよく見えていなかった」と苦笑いとともに振り返った1本は、ネットにかかり相手の得点となった。

その反省を活かし、翌日に初得点。同様にブロックと対峙した状況ではあったが、前日の課題を克服しての1本だった、とばかりに川野が笑みを浮かべる。

「若干トスが短かくなってしまって、ブロックはクロス方向に締めてくるだろうと思っていたので、自分が身体を入れてストレートに切れば決まる、と思っていました。結果、ちゃんと決めることができたし、昨日よりもブロックがちゃんと見えていました」

チームでも存在感を増す川野琢磨(右端)

早稲田大学1年の川野が、東京GBと契約したのは一昨年、2024年の11月だ。当時は東京の駿台学園高校3年、3連覇と3冠がかかる春高が開催される直前に、強化育成選手としての加入は注目を集めたが、春高を終えた2025年1月に日本バレーボール協会の強化指定選手としてイタリアリーグのピアツェンツァへ。

セリエAの強豪クラブで試合に出場する機会はなかったが、今季から大阪ブルテオンに加入したアントワーヌ・ブリザールも在籍したクラブで練習の機会を得た。

高校界では圧倒的だった高さもイタリアではむしろ特別ではなく、線も細い。パワーや技術の差は圧倒的で「サーブレシーブに入るだけでもえぐいサーブがばんばん飛んでくる」と目を丸くしていたが、高いレベルでの経験を経て、日本代表にも選出された川野は早稲田大学でも活躍。

全日本インカレも制し、バレーボールを始めたのは小学生になる前、というバレー歴をたどれば小学校、中学校、高校、大学で日本一を経験しているだけでなく、高校の3年間と大学でのインカレを合わせれば、4年間負け知らずというとんでもない記録を打ち立てる選手でもある。

早稲田大学ではセッター対角のオポジットでプレーするが、高校時代はアウトサイドヒッターとしてサーブレシーブも担った。

そもそも駿台学園では基本的にすべての選手がすべてのポジション、すべてのプレーができる質と技術が求められるため、スパイクだけでなくサーブ、ブロック、レシーブ、トス、どのプレーもそつなくこなす器用さと、状況に応じて攻めるか、もう一度切り返すか。相手を崩すためにはどうプレーするのが最適かを判断したうえでプレーするクレバーさも備える。

東京GBのカスパー・ヴオリネンHC(ヘッドコーチ)も「日本のバレーボール界にとって非常に大きな才能を持つ、一番のタレント。彼の将来はSVリーグ、ナショナルチームにとってアウトサイドヒッターとして、素晴らしいものをもたらすと自信を持って言える」と太鼓判を押す。

現在は大学でも東京GBでもオポジットのポジションを担うが、将来を見据え、アウトサイドヒッターとしてプレーすることも川野自身も「レセプションの練習もしているので、与えられたポジションでどちらもプレーできれれば」と前向きにとらえる。

大同生命SVリーグ 2025-26

SVリーグも後半戦に差し掛かり、プレーオフ進出争いはもちろんだが、ただファイナル6に残るだけでなく、何位で残るか。ホームで試合ができるか、アウェイになるか、というのも大きなアドバンテージになる。

実際に、今季の開幕前記者会見で、東京GBが掲げた3つの目標の1つが「チャンピオンシップを1つでも多く、東京(ホーム)で戦うこと」。前半、中盤はなかなか歯車がかみ合わず、古賀太一郎主将は「望んだ結果ではない時期も続いた」と振り返るが、試行錯誤を重ねながら乗り越え、前節からホームで3連勝を飾った。

川野や、明治大学在学中で内定選手としてスタメン出場を重ねるセッター近藤 蘭丸の加入もチームの起爆剤となっているのは確かだ。

川野琢磨(左)と古賀太一郎キャプテン

22日の試合後会見に川野と並んで出席した古賀主将は、試合を振り返り、相手の戦術に対しての対応や対策、課題や収穫を語る川野のコメントを聞きながら、冗談交じりに「めちゃめちゃ(ちゃんと)言うな」と突っ込む場面があり、

「オポジットなのにサーブレシーブについて話したり、試合に出ていないのにずいぶん言うな、と(笑)。でもオープンコミュニケーションを取ることがチームにとっても大事なことだし、そういうところにヒントが落ちている」と笑わせた後、

「チームが停滞していた時にプロとして成長するマインドを持った選手が、いい意味で若手らしさをもたらし、火をつけてくれた。すべてがトップになりえる可能性を秘めている選手なので、どれだけ磨いて信じられるか、成長できるかは彼次第」とさらなる飛躍を求めた。

大同生命SVリーグ 2025-26 男子

次節、2月28日と3月1日に同じく有明コロシアムで行われる大阪ブルテオンとのホームゲームは、同じく3つの目標に掲げた「1試合で1万人を超える集客する『1万人プロジェクト』の達成」も含まれるだけでなく、現在2位のブルテオンとの試合は1つでも上位進出を見据えたうえで、重要な2戦になることは間違いない。

東京出身で東京育ち、クラブだけでなく自身にとっても、まさに『ホーム』での目標達成に向けて。

「3連勝してチームの流れもいいので、たくさんの方に足を運んでいただいて、声援を力にして来週も勝ちたいです」

勝敗の行方と、1万人プロジェクトの達成。経験と進化を重ねる19歳が次節はどんな姿、プレーを見せるかも楽しみなみどころになるはずだ。

文:田中夕子/写真:田中夕子、SV.LEAGUE

田中夕子

田中 夕子

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。WEB媒体、スポーツ専門誌を中心に寄稿し、著書に「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」(文藝春秋)、「高校バレーは頭脳が9割」(日本文化出版)。「夢を泳ぐ」「頂を目指して」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」、凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること」(カンゼン)など、指導者、アスリートの著書では構成を担当

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