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SVリーグ オールスターゲームズ 2025-26 神戸
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エムット presents SVリーグ オールスターゲームズ 2025-26 神戸 女子 (1/31)
1月31日(土)午前11:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
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エムット presents SVリーグ オールスターゲームズ 2025-26 神戸 男子 (2/1)
2月1日(日)午後0:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
「どんな時代も東レっていうチームは女子バレー、バレーボールを語る上で名前が挙がるチームだと思っているし、今までは終盤にかけて勢いを持って状態を上げていく。そういうチームだという自負があったけど、今は周りから同じように思われているかといえば、たぶん、怖くはないんだろうな、って。相手にとって嫌だと思わせる要素がなかなかできていないのが事実で、結果としても勝てていない。すごく悔しいし、何としても勝ちたい。いい試合をした、じゃなく、結果で出さないと、という気持ちが強いです」
田代佳奈美(東レアローズ滋賀)
チーム最年長、リーグを見渡しても田代はベテランと呼ばれる立ち位置にいるセッターだ。日本代表としてもリオデジャネイロ、東京と2度の五輪に出場。その後、ルーマニア、フランス、トルコなど海外クラブを渡り歩いてきたが、もともとは2009年に東レアローズへ入団し、2018年まで在籍していた選手でもある。
現在コーチを務める中道瞳や木村沙織、荒木絵里香といった女子バレー日本代表、そして強い東レの象徴とも言うべき選手たちと共に、リーグ優勝や連覇も経験。ベテランと呼ばれる年齢、経験を重ねても「めちゃくちゃ厳しい先輩たちに鍛えられたし、助けられたおかげで成長させてもらえた」と田代は当時を回顧する。今でこそ笑い話ではあるが、日本代表の中心選手として活躍する選手が揃う中でトスを上げ続けるプレッシャーは、計り知れない。
だが今は、それ以上の荒波に揉まれていた。
田代が6年ぶりに古巣へ復帰した昨季も、前半は苦戦が続いた。だが中盤以降、イタリア代表のシルビア・チネロ・ヌワカロールが攻撃の柱となり、勝ち星を重ねる。田代の言葉にもあるように「終盤にかけて勢いを持って状態を上げる」アローズは、各チーム、特にプレーオフ争いや、優勝争いを繰り広げるチームにとっては最も嫌な相手だった。
だが、今季はヌワカロールがNECレッドロケッツ川崎へ移籍。代わってオポジットにはフランスのルシール・ジケルが加入し、攻撃の柱として奮闘するがヌワカロールの攻撃力には及ばない。
田代と同様に豊富な経験を持つミドルブロッカーの青柳 京古や、下北沢成徳高校在学時から活躍が注目を集めた古川 愛梨や谷島 里咲など、若手選手も出場機会を増やしたがなかなか結果にはつながらず、今季は26試合を終えて3勝23敗。
12チーム中11位という苦戦が続く状況を踏まえ、1月27日にはチームの公式HPで、2020年から監督としてチームを率いた越谷章監督が休養し、2月7日のKUROBEアクアフェアリーズ戦から、中道コーチが監督代行を務めることが発表された。
大同生命SVリーグ 2025-26 女子
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第15節 KUROBEアクアフェアリーズ vs. 東レアローズ滋賀(2/7)
2月7日(土)午後1:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
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第15節 KUROBEアクアフェアリーズ vs. 東レアローズ滋賀(2/8)
2月8日(日)午後1:55 J SPORTSオンデマンドでLIVE配信
その前節、東レ滋賀は昨年末の皇后杯を制した大阪マーヴェラスと対戦した。
順位を争うアランマーレ山形に連敗を喫した翌週、ここでどんな戦いを見せるのか。大阪MVのホームゲームではあったが、スタンドにはアローズを応援する黄色や青のグッズを身に着けたファンの姿も多く見られ、声援も響いた。
その応援に応えるように、24日の試合は序盤から「絶対に負けない」と気迫を見せ、簡単にボールを落とさず、長いラリーを展開し、最後はジケルやアウトサイドヒッターの大川 愛海、今年1月から内定選手として加入した折立 湖雪が決める。理想的な展開で2セットを得たが、一歩及ばずフルセットでの敗戦を喫した。
試合後、対戦相手の大阪MVの主将、田中瑞稀は「勢いを持ってくることはわかっていたけれど、それ以上だった。襲い掛かってくるような気迫に自分たちが押されていた」と明かす。敗れたとはいえ、好ゲーム。相手だけでなく、越谷監督も選手を称えたが、「でも」と加えた。
「プロの選手、チームである以上、次があると思ってほしくはない。試合も練習ももっと必死になってやらなければ通用しない世界である中、どこかで甘さ、“次がある”という習性が今のチームにはあるけれど、そんなに甘くない。次があるかはわからない世界で、1戦1戦、1本、一瞬で大きく変わる。それぐらいの気持ち、いつやめてもいい、というぐらいの覚悟を持って臨んでほしい、という気持ちで臨んでほしい、と思っています」
翌日も同じ大阪MVと対戦したが、序盤からラリーが続いた前日と異なり、レシーブが上がった後のつなぎのプレーや、守備の連携。小さなミスが続き、点差が離れると追うべきボールにも足が動かない。越谷監督が「シーズンを通して1日目に比べて2日目のパフォーマンスが落ちる」と述べた課題が露呈し、ストレートで敗れた。
それでも途中出場のルーキー、結束 美南や谷島が躍動。リードされてからも連続得点で追い上げる場面もあったのは好材料でもある。だが、だからこそ、高校時代から「強い東レを見て来た」という谷島はこう言う。
「昔の東レは強かった、と言われるのがすごく悔しいし、皇后杯を制したチームだから負けても仕方ない、と見られるのも嫌。もっともっと、自分たちがここで、コートでできることはあるはずだし、強い東レを自分たちがつくるためにはもっともっと頑張らないといけない。負けるのが当たり前のチームじゃない、という姿を自分たちでつくって、見せていきたいし、いかなきゃダメだと思います」
後半戦で巻き返しを図りたい東レアローズ滋賀
越谷監督の強い意志を感じた、1つのシーンもあった。
13-22、9点のリードを追う第1セット終盤、セッター田代のトスアップ時にネットタッチと判定されたが、ネットタッチはないと東レはチャレンジを要求。少し長い時間をかけた映像検証の結果、チームの主張通りネットタッチはない、と判定が覆りノーカウントになった。
結果的に見れば13-22のまま点差は変わらず、仕切り直しとなった次の-本もマーヴェラスが取った。15対25、10点差で失った第1セットの結果だけを見れば、無理にチャレンジを取らずとも、と考えるかもしれない。タイム代わりか、と捉える人のほうがきっと多数だが、あえてあの場面でチャレンジを要求した、もう1つの理由が越谷監督にはあった。
「ここでチャレンジが認められて、次のプレー、また次のプレーとブレイクを重ねたら一気に5点入るかもしれない。実際に昨日の試合はそうやって勝ったセットもあったし、たとえこのセットを落としたとしても、粘れば次のセットにいい意味でつなげられるところもある、と思いました。何より、選手たちにはたかが1点と思ってほしくないし、その1点の重みが重要だと僕は伝えたいし、諦めたくない。そう思ったので、あの場面で(チャレンジを)しました」
どれだけ点差が離れても、勝つことを諦めるな――。
越谷監督が示した1点、1本への執着は、貪欲に勝利を求める、これからのチームにもつながっていくと信じている。
文:田中夕子/写真:(C)SV.LEAGUE
田中 夕子
神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。WEB媒体、スポーツ専門誌を中心に寄稿し、著書に「日本男子バレー 勇者たちの奇跡」(文藝春秋)、「高校バレーは頭脳が9割」(日本文化出版)。「夢を泳ぐ」「頂を目指して」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」、凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること」(カンゼン)など、指導者、アスリートの著書では構成を担当
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