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バレーボール コラム 2025年12月26日

【大同生命SVリーグ】Q&Aコラム:オポジットの難しさと面白さを教えて下さい

まるっとアンサー by 松山 ようこ
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Q&Aコラム『まるっとアンサー』

『まるっとバレーボール』に出演くださった元日本代表選手の豪華ゲスト陣に、視聴者からの質問に答えていただくコーナー『まるっとアンサー』。今回は第3回です。

◆今回の質問:ミドルブロッカーからオポジットへポジション変更をすることになりました。オポジットならではの難しさや面白さ、またチームの他のポジションから求められること、心構えなどを教えてください。

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【福澤達哉さん&狩野舞子さんの回答】

・福澤達哉さん:2008年に最年少で北京五輪に出場、ブラジルやフランスなど海外でも活躍
・狩野舞子さん:イタリアやトルコの2大海外リーグで活躍後、2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得

狩野さん:私は日本代表の時も一応オポジットだったのですが、男子で言うオポジットとは少し違って攻撃オンリーではないスパイカーだったんです。この質問で言うオポジットはいわゆる『点取り屋』のイメージですよね。

福澤さん:そうですね。となると典型的なオポジットは、やはり苦しい時にボールが上がってきます。この1本で勝敗を決する、みたいな重圧が基本的にのしかかってくるポジションになります。

なので、そういったところこそが難しさであり、面白さというところなのだと思います。チームからは、やはり決まる決まらない関係なく、最後まで勝負をしに行って欲しいというところが求められるでしょう。逃げる姿勢が見えるようなオポジットは嫌がられると思います。

狩野さん:確かにそれはありますね。チームの顔になりますから。実際、強気な姿勢を持ち合わせていて、「私が、俺が、背負ってる」っといった気概のある選手が多い印象です。性格的特徴もあるのかもしれないですが。

福澤さん:もちろん、全てのポジションに難しさがありますが、オポジットは攻撃の比重が大きい。最後の1点を取り切る、絶対的な信頼を寄せられるポジションというのも理由にあるでしょうね。

実は、ミドルブロッカーからオポジットへの変更は、海外ではよくあるパターンです。加えて、オポジットは必ず相手のレフトと対峙することになるので、ブロック力も必要です。だから、むしろミドルブロッカーでブロックの経験を積んだことは、オポジットになるうえで大きな武器になるはずです。

狩野さん:どのポジションもやり甲斐があると思います。私は、今またやるならもう一度セッターをやりたいぐらいです(笑)。

福澤さん:僕もセッターをずっとやりたかったんだよね。本当に大変なポジションだけれど、一番あれこれと自分で考えることができるポジションなので、やってみたいなっというのは今でも思いますよ。

【山本隆弘さん&大山加奈さんの回答】

・山本隆弘さん:2004年、日本人バレーボール選手で初のプロ契約。2008年北京五輪でチームを牽引
・大山加奈さん:小・中・高と全ての年代で全国制覇を経験。2004年アテネ五輪でも活躍

山本さん:まず、オポジットは苦しい状況でも、後ろからでも必ずトスが上がってくるので、それを打ち切ることが求められます。逃げちゃいけない。バックアタックを打つことも重要になりますが、ここで決めてほしいというプレッシャーがかかる場面でもスパイクを打ち切れるか、というメンタルの強さが大事になります。

とはいえ、僕たちの世代と比べるとバレーボール自体が変わってきているんだよね。

大山さん:確かにそうですね。最近は、必ずしもオポジットに集めて攻撃っていうバレーボールではなくなりつつありますよね。

山本さん:それこそ昔は高いトスをあげられて、ブロック3枚いるところを「はい、ぶち抜け!」だったけれど、今はそれぞれのポジションで役割分担があって、攻撃も多彩になってきています。

大山さん:チーム全員で仕掛けましょうっていうバレーになってきていますよね。そういう意味でも、いろんなポジションをやっておくことはメリットが大きいと思います。

山本さん:そうだね。だから今後はポジションを決めないぐらいのほうが強いかも。極端な話、バックライトに入った選手がセッターになって、ミドルに入ったらクイックを打つ役割を担うというようになると、選手たちがフォーメーション調整で動く負荷も減る。リベロもなく、全員でレセプションを担うぐらいになるかもしれない。

大山さん:確かに、日本が世界に打ち勝っていくためには、そうなっていかないとダメかもしれないですね。セッターがツーアタックするなどの攻撃参加をしたり、チームで複数人がセット可能になったり、ポジションの役割が固定されないようになっていくことも考えられます。

山本さん:攻撃に参加できる人数を最大限まで増やして、常にフェイクセットも匂わせる。コート内の6人全員が可変するバレーになる予感がします。

文/構成:松山ようこ

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松山ようこ

松山 ようこ

翻訳者/ライター/インタビュアー。主にスポーツやエンタメ分野にて実績多数。野球はプロ野球からMLB、他にもマイナースポーツからオリンピック大会まで、国内外の競技場や大会での現地取材を数多く経験するスポーツ好き。アスリートはじめ、一般人から著名人まで幅広くインタビューし、日本語と英語ともに記事やコラムにする。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『ベイダータイム』。 ※『ピッチングニンジャの投手論 PitchingNinja's analysis of Japanese MLB Aces』 ※『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実

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