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バレーボール コラム 2025年10月23日

【SVリーグ 男子開幕まであと1日!】高橋藍、記録に残らない『つなぎ』での貢献

SVリーグコラム by J SPORTS 編集部
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高橋藍(サントリーサンバーズ大阪)

10月24日(金)から『大同生命SVリーグ 2025-26 男子』が開幕する。連覇を狙うサントリーサンバーズ大阪で、今季からキャプテンを務めるのが高橋藍(高ははしご高)。言わずと知れた日本が世界に誇るバレーボール選手であり、今やリーグの顔とも言える存在だ。

大同生命SVリーグ 2025-26 男子

さて、突然だが『ジバ』というバレーボール選手をご存知だろうか。本名はジルベルト・ゴドイフィリョ。高速立体コンビバレーで世界中を席巻し、世界選手権では2002年大会から3連覇を遂げた男子ブラジル代表のエースであり、2004年アテネ五輪では金メダルと最優秀選手賞を獲得した伝説的プレーヤーである。

アウトサイドヒッターとして、攻守で卓越したパフォーマンスを発揮し、その姿に憧れを抱いたバレーボール選手は数知れず。東京グレートベアーズの柳田将洋も、その1人であるのは有名な話だ。

かく言う筆者は残念ながら、ジバの現役当時を知らない。ゆえに当時の映像でしか見たことがないのだが、切れ味鋭いアタックはもちろんのこと、特に目を張ったのが身体を投げ打ってボールを拾い上げるセービングだった。

その印象が強かったからか、あの日、高橋のプレー姿にジバが重なった。

大同生命SVリーグ 2025-26

今年5月5日、『大同生命SVリーグ 2024-25』のチャンピオンシップファイナルGAME2。GAME1で先勝していたサントリーは、この試合でジェイテクトSTINGS愛知を退けて頂点に立った。その試合で18得点を挙げた高橋藍がチャンピオンシップのMVPに輝いたわけだが、光ったのは公式帳簿に載らないプレーの数々だった。

チームがしっかりとシステムを構築するなか、相手のアタックがブロックを抜けてきても、しっかりとコースに入ることで拾い上げ、またブロックにワンタッチでかかったボールにも後衛で身体をこれでもかと言わんばかりに伸ばして反応する。

前衛の選手からすれば、この上ない安心感を覚えるもの。ミドルブロッカーの佐藤謙次はGAME2の試合後、こう語った。

「相手の攻撃を分析して、自分のブロックがウィークポイントになっている実感はありました。ですが、チーム内で『相手に打たせていいよ』と言っていただき、あえて間を抜かせてレシーバーに入ってもらうことも講じたのがはまったと思います。

それに今日の第2セットかな。(高橋)藍が、僕が間を空けた場所で2本連続してディグに入ってくれていました。ああいうプレーが出ると、自分も『やってやったぞ!』と貢献した気持ちになりますし、背中を押してくれたので。サンバーズの強みはそういった部分にありました」

極めつけは第3セット、24-22でチャンピオンシップポイントに到達したシーン。サントリーのサーブで始まったプレーは相手のオポジット、宮浦健人の強烈なアタックにアレクサンデル・シリフカが反応し、ボールはコートの外へ。

それでも高橋はサイドラインの客席にぶつかりそうになりながらもボールをつなぐと、ラリーの末に最後はドミトリー・ムセルスキーが得点して見事、王座に到達したのである。その場面に代表されるように、試合で何度も見られた高橋の“つなぎ”について、チームメートのリベロ藤中颯志は感嘆を漏らした。

『つなぎ』でも貢献する高橋藍

「藍は心強い存在ですし、シーズンを通して本当にいい関係性を保つことができました。やはりサイドアウトではなく、相手のアタックを切り返して得点するのはとても盛り上がりますからね。そういうプレーが出るとチームの一員としても嬉しいですし、素直に『ナイス!』という気持ちになります」

相手に決定機を与えず、味方の攻撃チャンスを作り出す。明確な数字として記録はされずとも、チームが勝利するための確かな貢献がそこにはある。

では、高橋自身はその重要性をどのように考えていたのか。優勝後の記者会見で聞いてみると――。

「もちろん、点を取ることは攻撃になるわけですが、攻撃にはその“つなぎ”が大事になってきます。試合ではよりボールをつなぐほうが勝ちますから。何よりチーム(サントリー)には点を取れる選手がたくさんいるので、そこに持っていくため、そして得点の決定率を上げるためにもつなぐわけです。

同時に、つなげばつなぐほど相手にもストレスを与えられるので。そうして自分たちが得点することでリズムに乗れる。やはり“つなぎ”は勝つために大切な要素だと自分は思っています」

バレーボールはボールを落としてはならない競技だ。逆を言えば、ボールを落とさなければ試合を制することができる。シンプルで最も難しいことを、彼らはやってのけているのである。

J SPORTS編集部

J SPORTS 編集部

 

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